地頭のいい人って結局何?特徴や見極め方、地頭力の鍛え方

母集団形成

最近よく耳にする「地頭(じあたま)の良い」人材を求める企業は少なくありません。この記事では、具体的にどんな人が地頭の良い人なのかをはじめ、社内で必要とされる地頭の良い人の能力、鍛え方について解説いたします。

目次

そもそも「地頭がいい」とは?
地頭がいい人の特徴
 頭の回転が速い
 理解力が高い
 発想力が豊か≒引き出しが豊富
 思考力が高い
 コミュニケーション能力が高い
 洞察力がある
社内で必要とされる「地頭のいい人」の能力とは?
 情報収集/処理力(知識量、インプットの習慣)
 知識の連携、本質を見抜く力
 仮説を立てる力、検証する力
 構造化、汎用化する力
 コミュニケーション力、言語化能力
 柔軟さ
 速さ(時間単位)
実践すべきはこの3つだけ!地頭力の鍛え方
 【1】物事に対して疑問を抱き、自分なりの解を持つ
 【2】本を沢山読んで知識を蓄える
 【3】偏見を持たずに様々な人と接する
まとめ

そもそも「地頭がいい」とは?

(図表引用元:細谷功(2019)『入門『地頭力を鍛える』32のキーワードで学ぶ思考法』)

「地頭(じあたま)」とは、数学や国語といった教育などで授けられた知識力単体ではなく、自らで考えるという思考力を指します。「地頭(じとう)」と読む場合もありますが、こちらは鎌倉幕府によって設置された位で、その昔、各国の年貢徴収や土地を管理していた人を指す言葉です。

この地頭(じあたま)がある人は、教育などで学んだ情報を選別・接続しながら、物事の真理を獲得していく思考力を持っています。例えるのであれば、上司に「これ、やっておいて」と指示された場合、指示された事柄だけでなく、その先を見据えて「一を聞いて十を知る≒先読み」行動が取れるような人です。

能力としては「論理的思考力」「仮説思考力」「コミュニケーション力」などが該当し、自発的で天然な思考によって成り立っていると言えます。

地頭がいい人の特徴

ビジネスにおいて「地頭がいい人」とはどんな人のことを指すのでしょうか?具体的な特徴をご紹介しましょう。

頭の回転が速い

記憶すべき内容が大量にあっても、重要な部分とそうでない部分を即座に分類し、情報を整理・分類することができる力。

例えばこんな人 

  • 何か意見や回答を求められても即座に対応できる
  • 初めて聞いた事でもすぐに理解できる
■理解力が高い

一つひとつの要素を関連づけ構造化させる能力の高さ。一言われたら十を知ることができます。

例えばこんな人 

  • 少し説明しただけなのに大体理解できている
  • 人に対する興味・関心を持っている
■発想力が豊か≒引き出しが豊富

新しいものを生み出す力。ユニークで既存概念にとらわれない発想力を持っています。

例えばこんな人 

  • 映画、音楽といった仕事以外の事柄にも精通しており、話していて楽しい
  • アイデアが次々と出てくる
■思考力が高い

考える力。課題に対して筋道を立てて考える「論理思考力」、物事を多方面から疑いを持ってみる「多面的思考力」、課題に対して根本から見直す「批判的思考力」の3種類があります。

例えばこんな人 

  • 人の話をうのみにせず、自分なりの考えや意見を持っている
  • 「そもそもの原因は何か?」を追究する思考体力がある
  • 効率よく動くことができる
■コミュニケーション能力が高い

相手の反応・状況を見ながら、スピード感や難易度を調整しつつ話ができる力。適切なアウトプットができる能力の高さを言います。

例えばこんな人 

  • 説明が分かりやすい
  • 物腰柔らかで接しやすい
  • 対峙する相手(クライアント、上司、後輩)によって適切な対応がとれる
■洞察力がある

先を見通す力。周囲の状況に目を配るといった観察力が高く、本質的かつ長期的視点で物事を把握することができます。

例えばこんな人 

  • 困っていると声をかけてくれる
  • 大概の人が見逃してしまいそうな事を覚えている
  • 先を見据えて行動できる

このように、地頭のいい人は先入観にとらわれず、自分の頭で筋道を立てて考え、問題解決にあたることができます。さらに、相手の立場で物事を考えることもできるため、コミュニケーションも円滑に進みます。想定外の事態も起こり得るビジネスの場で、「地頭の良さ」は、喉から手が出るほど欲しい能力だといえるでしょう。

この「地頭の良さ」が職場で発揮されるのは、どのような場合なのでしょうか。もう少し具体的に見ていきましょう。

社内で必要とされる「地頭のいい人」の能力とは?

地頭の良さとは?

業種や職種によっても必要とされる「地頭の良さ」は異なります。実際に起こり得る業務内容をもとに、具体的にはどのような能力が求められるのか、整理してみましょう。

■情報収集/処理力(知識量、インプットの習慣)
  • 日頃から知識を蓄える習慣がある。必要な情報を集めることができる。自ら動き経験している。
  • 【例】プロジェクトが発足するときに、普通の人は資料集めから始めるが、地頭のいい人は常に情報収集をしているため、ある程度の情報収集は事前に済んでいる。
■知識の連携、本質を見抜く力
  • 情報収集で得た知識を整理し、連携できる。これまでの経験とリンクさせて、課題の本質を考察することができる。
  • 【例】プロジェクトの準備段階で、普通の人なら手探りで進むところを、地頭のいい人は過去の案件との共通点を探し出し、その経験を応用させる。
■仮説を立てる力、検証する力
  • 整理した情報をもとに、仮説を立てることができる。それを素早く検証することができる。
  • 【例】プロジェクトを計画するとき、普通の人は段階を踏んでゴールを目指すが、地頭のいい人は、まずゴールを見据え、必要な行動を逆算する。
■構造化、汎用化する力
  • ある事例や複雑な関係性をわかりやすく構造化できる。汎用性のあるものに形成できる。
  • 【例】属人的かつブラックボックスになっていた業務を洗い出し、効率化ができるよう作業を取捨選択し、マニュアル化することで誰にでもできる業務に変えることができる。
■コミュニケーション力、言語化能力
  • 自分の考えや専門用語等をわかりやすく説明できる。相手の目線に立って話すことができる。
  • 【例】相手がクライアントであれ、社会科見学の小学生であれ、自分の仕事について相手が理解できるようわかりやすい言葉を選んで話すことができる。
■柔軟さ
  • 想定外の出来事に対して臨機応変に対応することができる。
  • 【例】不測の事態が発生し、普通の人なら身動きがとれなくなるようなときでも、地頭のいい人は「今何をすべきか」を冷静に判断し、臨機応変に問題解決をはかる。
■速さ(時間単位)
  • 無意識に取捨選択をしているため、結論を導き出すまでの時間が早い。
  • 【例】普通の人が10分かかるタスクを5分かからず終えることができる。

一口に「地頭がいい人」と言ってもプロジェクトのどの段階で活躍してほしい人材かで想定している内容が違う場合があります。入社後のミスマッチを防ぐためにも、社内で自社が採用したい「地頭のいい人」の能力に関する共通認識を事前に作っておくことが重要です。

実践すべきはこの3つだけ!地頭力の鍛え方

地頭(じあたま)と言えども、努力によってある程度身に付けることは可能だと言えます。具体的な方法をご紹介します。

【1】物事に対して疑問を抱き、自分なりの解を持つ

地頭力を鍛える登竜門とも言える部分です。知識を身に付けることはもちろん、やはり、常に考える癖をつけることは非常に重要です。自ら仮説を立て、あらゆる観点で考えることによって思考力を高めるだけでなく、幅広いアイデアを持つことも可能です。

【2】本を沢山読んで知識を蓄える

当然ながら、ベースとなる知識を蓄えることも必要です。

月に2、3冊は本を読む、分からないことはネットで調べる……など、知識の幅を広げる努力は惜しまず行いましょう。また、知識を得るだけではなく、「なぜ●●なのか?」と疑問を持ち、自分なりの考えや解を持つことも意識すると良いでしょう。

【3】偏見を持たずに様々な人と接する

地頭のいい人の特徴の一つに、コミュニケーション能力の高さが挙げられます。

偏見を持たずに幅広い人の意見を聞くことで、幅広い思想に触れ、自らの視野を広げることに繋がります。また、相手に応じた接し方や話し方といったスキルを磨くことにも繋がるため、ぜひ取り組んでみましょう。

まとめ

一口に「地頭のいい人」といっても、上記に挙げたような能力をすべて兼ね備えている人もいれば、部分的に優れている人もいます。入社後に活躍してほしいフィールドをあらかじめ想定し、そこで必要となる能力を事前に社内ですり合わせておきましょう。優秀な人材を見極めるためには、社内の採用要件の明確化が不可欠です。

ちなみに「地頭の良さ」に関しては、生まれつきの能力だけでなく、後天的に鍛えていくことも可能だといわれています。採用選考の際には、入社後に必要な能力を日頃から身につけようと努力しているかという点も判断基準になるでしょう。

また、入社後に研修や訓練で鍛えることができる「地頭力」もあります。採用選考の際にはその能力を採用要件から外し、間口を広げて応募者を集めることで母集団を形成することに繋がります。「ポテンシャル採用」を行った後、入社後の訓練によって「地頭力」を身に付けさせるのも一つの手かもしれません。

<ファクトベース、MECE、ロジックツリー……>
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