リファラル採用とは?注目される理由、費用や注意点、サービス3選を紹介

コストダウン

新型コロナウィルスの影響もあり、コストを押さえて採用活動を続けているという企業が多いいま。社員の知人・友人といったコネクションを使って、低コストで採用できる「リファラル採用」が注目されています。

導入において、知っておくべき注意点とは何でしょうか。リファラル採用の導入手順やメリット・デメリットを通して、確認していきましょう。また実際の導入事例やトラブル事例もご紹介していますので、自社の導入に際してご参考になさってください。

目次

リファラル採用とは?
リファラル採用が広がっている理由
リファラル採用のデメリット

リファラル採用にかかる費用
リファラル採用の失敗事例から学ぶ注意点
リファラル採用を成功させるサービス3選
 MyRefer(マイリファー)
 Refcome(リフカム)
 GLOVER Refer(グラバーリファー)
リファラル採用の国内成功事例
まとめ

リファラル採用とは?

「リファラル採用」とは、自社の社員から知人・友人を紹介/推薦してもらう採用手法です。正式名称は「リファラルリクルーティング(Refferal Recruiting)」と言い、世界中の企業で採用手法の中心になりつつあります。

リファラル採用と縁故採用の違い

もともと日本では縁故採用が一般的であり、社長や役員の子供をコネで入社させるといったイメージを持つ方も多いでしょう。

確かに、リファラル採用という言葉の意味は「縁故採用(コネ採用)」とほぼ同義なのですが、縁故採用は血縁関係にあるような親しい人物の採用や、一般とは異なる選考フローで入社する手法というのが実状です。一方、リファラル採用は血縁などは関係なく、通常採用と同じ選考フローで採用されるのが一般的と言えるでしょう。

少子高齢化による労働力不足の背景から、耳にすることが多くなった「ダイレクトリクルーティング」という採用手法のうちの一つがリファラル採用です。

リファラル採用の位置づけ

(画像引用元:白潟敏朗(2019).『知らない人を採ってはいけない』P11より)

リファラル採用が広がっている理由

マイナビが2021年度に行った調査によると、全企業の64%がリファラル採用を導入しているという結果が出ています。

(株式会社マイナビ│「中途採用状況調査(2021年版)」より)

多くの企業がいま、リファラル採用を導入する理由は何でしょうか?

  • 自社の社員属性に似た優秀人材の確保が可能
  • 転職潜在層にもアプローチが可能
  • 採用コストの大幅な削減の実現
  • 定着率のアップ(早期離職の防止)
  • 大手との採用競争を避けることができる

このように採用コストや優秀人材の確保といった多くのメリットによって、リファラル採用を導入する企業が増えています。

リファラル採用によるデメリット

コスト削減や優秀層の確保といったメリットが多いリファラル採用。デメリットはどういったものがあるのでしょうか?実施前に押さえておきましょう。

×デメリット

  • 人材が同質化する可能性がある
  • 人間関係と人材配置に配慮が必要
  • 社員リクルーターの教育に工数がかかる
  • インセンティブなどのコストがかかる
  • 社員経由なので断り辛い

リファラル採用のデメリットとしては、通常よりも推薦者・紹介者に気を遣うことや、組織の同質化といった事が挙げられるでしょう。

知人同士がグループ化することによって他の社員と馴染むのに時間がかかる可能性や、紹介者が不採用になった際の人間関係悪化など、企業としては通常以上に気を遣う必要があると言えます。企業として、インセンティブ制度などを用意して士気を高めるよう心がけましょう。

リファラル採用にかかる費用

リファラル採用において、社員のモチベーションを高めることは非常に重要なエッセンスです。自分の紹介者が採用になった際の報酬制度はもちろん、スカウトに伴う食事代といったことも含めて検討しておきましょう。

想定される費用

具体的には下記の4点を検討されておくと良いでしょう。

【1】報酬制度(インセンティブ)

紹介者の採用が成功に至った際のインセンティブとして、報奨金制度を用意する企業はまだまだ少ないと言えますが、3~20万円程度のインセンティブが相場です。お金として支給するのが難しいという場合は、表彰の場を設けたり、人事評価の加点制度なども含めて検討するのも良いでしょう。

【2】食事補助、移動代補助

長期にわたるリファラル採用活動は、リクルーティング活動である候補者との会合代がかさむことが想定されます。紹介者自身が支払うのは負担が大きいため、公共交通機関の移動代補助や食事代の補助等を検討すると良いでしょう。

【3】リファラル採用サービスの利用費

リファラル採用を専門業者に委託するという企業も少なくないでしょう。大体10万円程度が相場になりますので、採用予算に合わせて選択すると良いでしょう。

【4】その他(不採用時のフォロー制度)

紹介した知人や友人が採用に至らなかった場合の関係性を懸念する声は多く聞かれます。このような障壁を低くし、リファラル採用を成功させる施策の一つとして、不採用時のフォロー制度も検討されておくと良いでしょう。例えば、不採用になった際は(会社補助で)美味しいごはんを奢ることができる、などもその一つです。

報酬の違法性について

リファラル採用において、候補者を集めるために報酬金制度を導入する企業も少なくありません。この「報酬金の違法性」について懸念される方もいらっしゃると思いますので、法律についても確認しておきましょう。大前提として、人材を紹介して金銭を得るということは人材紹介業に該当するため、人材派遣や有料職業紹介免許といった免許が必要だとされています。
職業安定法40条には、下記の記載があります。

労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

「報酬を与えてはならない」と記載があるため、リファラル採用が成功した際の報酬は正直言ってグレーというのが実状のようです。但し、「賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合…を除き」から、あくまで賃金や給料という扱いの中で行うことは一般的であり、法律上もセーフと言えるでしょう。

リファラル採用の失敗事例から学ぶ注意点

コスト削減などメリットが多いイメージのあるリファラル採用。実際にあった失敗事例を通して、リファラル採用導入における注意点を押さえましょう。

事例① 報奨金が欲しいために乱暴な活動を行った

リファラル採用の導入にあたり、報奨金を導入する企業は少なくありません。一般的には3~10万円が相場とされていますが、企業によっては30万円以上の高額報酬を提供する場合もあります。

あるSIer(エスアイアー)企業では、常駐先のクライアント企業において、報奨金欲しさに自社社員がクライアント社員にスカウト活動を行っていることが発覚。危うく取引停止にもなりかけました。
もちろん、報奨金制度によって社員が積極的に活動してくれるというメリットもありますが、コンプライアンス等のインプット無くして、インセンティブ制度だけ取り入れても上手くいかない代表例と言えるでしょう。

<注意点>
導入にともない、会社に対する社員のエンゲージメントを高めることはもちろん、やって良い事と悪い事といったコンプライアンス知識のインプットも忘れずに行いましょう。

事例② 知人経由なのに断り方に失敗

リファラル採用は紹介によって成り立っているという点を忘れてしまうと、人間関係に亀裂が入ってしまうことにもなりかねません。親しい知人をわざわざ紹介してもらったのに、ぞんざいな対応によって悪印象を残してしまうこともあります。

私の知人が勤めるアパレル会社では、知人経由でアルバイト採用を行っていましたが、自社社員の紹介であるにも関わらず形式的な対応を行ったことによって悪印象を与えるだけでなく、自社社員のエンゲージメント低下に繋がってしまいました。

<注意点>
「この度はお忙しいところ、面接へお越し頂きありがとうございました。●●様の成長意欲の高さやお人柄を理解させていただきました。成長過程にある弊社では最大限お力を発揮していただくことが難しいと判断し、この度はご要望に沿えない結果となったことをご連絡させていただきます。」といった具合で、丁寧に回答しましょう。

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事例③ 経営層が連れてきた人材が使えなかった

従業員人数の少ない企業では、当たり前のようにリファラル採用が導入されてきました。しかし、コネ採用とも言われる通り、必要要件やスキルを持ち合わせていない人材を採用してしまうことも少なくありません。
「経営層が使えない人材を採用してしまったが、簡単に首を切ることもできない」
このような負のスパイラルに陥らないよう注意しましょう。

<注意点>
コネ採用、リファラル採用どの採用手法においても、要件やスキル・経験を満たしているかどうかは事前にしっかり確認しましょう。

リファラル採用におすすめのサービス3選

「リファラル採用を導入したい」と思ってもノウハウのない中、手さぐりで実行するのは難しいものです。ここでは、そんな採用担当者の方向けに、リファラル採用に強いサービスを厳選してご紹介いたします。

【1】MyRefer(マイリファー)

リファラル採用サービスの代表格とも言える「MyRefer(マイリファー)」。端末を選ばずに、クラウド上のデータへアクセスできるSaaS(サース)サービスです。

新卒、中途、アルバイトなど、採用領域を問わず600社以上の企業が導入。新規ポジションの求人が出たことを告知したり、決定者情報の共有を行ったり……と半自動化の実現により、採用担当者や社員の工数削減に大いに貢献してくれます。

■費用:10万円~/月額
■契約期間:6カ月~

<サービス内容>

  • サポーターである社員の登録
  • Eメールやアプリ通知による一斉広報
  • SNSや直接紹介による社員紹介(リファラル活動)
  • リファラル活動状況の把握、分析、管理
  • 従業員へのFB・賞賛
  • コンサルティングサービス

サービスに関する詳細はこちら:https://i-myrefer.jp/

サービスに関する特徴・レビューはこちら:https://3naoshi.com/ats-tool/myrefer 

Refcome(リフカム)

数百人規模の管理が可能なRefcome(リフカム)。シンプルな機能で「気軽に使いやすい」と評判のアプリを提供しています。企業が抱える課題に対して真摯に向き合う伴走型サービスで、個社ごとによって異なるニーズに対応してくれます。

■費用:要問合せ
■契約期間:要問合せ

<サービス内容>

  • リファラル採用制度の周知状況や活動量の把握、定量的な分析が可能
  • 採用担当者、社員にも分かりやすい紹介フローの構築
  • 個社に適したリファラル採用制度の設計
  • アドバイザーによる支援

➡サービスに関する詳細はこちら:https://jp.refcome.com/

➡サービスに関する特徴・レビューはこちら:https://3naoshi.com/referral-recruitment/refcome

GLOVER Refer(グラバーリファー)

株式会社リクルートキャリアが運営するGLOVER Refer(グラバーリファー)。初期設定は全てリクルートが行ってくれるため、初めて導入する企業も安心して任せることができるでしょう。

採用にかかる負荷軽減はもちろん、高いセキュリティ基準による専用システムの構築、採用のプロによる伴走といった点が魅力です。

■費用:10万円~/月額
■契約期間:6カ月~

<サービス内容>

  • リファラル採用に向けた事前設計、提案
  • 募集内容・選考フローに沿った専用システムの初期設定
  • 社員への一斉メール配信
  • 社員情報の一括アップロード
  • 各種メールテンプレート(協力依頼文、知人・友人への紹介文など)
  • ダッシュボードによる推進状況の可視化
  • 採用のプロによる伴走

➡サービスに関する詳細はこちら:https://gloverhr.com/

➡サービスに関する特徴・レビューはこちら:https://3naoshi.com/referral-recruitment/glover-refer

リファラル採用の国内成功事例

米国ではすでに主流となっているリファラル採用ですが、日本国内の成功例をいくつか挙げてみましょう。

富士通株式会社(新卒・中途)

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誰もが名前を知る大手企業の富士通。ICT人材の獲得競争の激化から、毎年750名の新卒採用にプラスして中途採用を実施。これまでの待ちの採用に危惧を感じ、リファラル採用を実施しています。

同社が導入したのは『MyRefer』というリファラル採用専用ツール。ワンクリックで紹介できる機能や情報を一元管理できるという点から導入を決めています。また、ガイドラインの策定からトライアルによる効果検証、社員3万3,000人という大所帯に周知してもらうため、各部門へ足を運んでの説明会実施しています。

★取り組みポイント…

人事部門トップからのメッセージ発信、各部門での説明会実施、ツールの活用、社内報での広報、

報奨金制度
株式会社メルカリ(新卒・中途)
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2013年の創設以来、わずか5年で社員数を1000名規模まで拡大し、積極的にリファラル採用を実施する同社。全社員が採用に関わっており、採用のための会食は全額会社負担としています。

さらに、報告も実施後に3行のメールを送ればOKという「採用会食制度」を取り入れており、社員が気軽にリファラル採用活動ができる環境を整備。社員全体の5~6割がリファラル採用で入社しているという高い数字を実現しています。

★取り組みポイント…気軽に実施できる環境の整備、全社員が採用に携わる体制
株式会社サイバーエージェント(新卒・中途)

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サイバーエージェントでは、入社後のマッチング率を上げるためにリファラル採用を開始しました。社員の関心を高めるべく、社員向けに求人募集に関するメールを毎週送信。実際に紹介した人と入社した人との対談を社内報に掲載したり、専属の担当者を配置したりと、リファラル採用を会社の文化として根付かせるための施策を推進しています。

人事担当者自らが候補者のもとへ出向いて面談を行うといった積極的な採用活動が功を奏し、近年はリファラル採用の応募者も増加傾向にあるようです。

★取り組みポイント…専属担当者の配置、毎週のメール送信、社内報への掲載
株式会社セールスフォース・ドットコム(中途採用)

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アメリカのカリフォルニア州に本社を置き、顧客関係管理(CRM)を軸としたクラウド型コンピューティングサービスを提供する同社。日本国内では、トヨタや郵政グループといった有名企業をはじめ、多くの企業に利用されています。

中途採用の約半数がリファラル入社という状況を実現しており、グローバル規模でリファラル採用を推進。泥臭い施策を走らせることはもちろん、会社に対する帰属意識や満足度の高い社員が多いこと、現場を巻き込んだ活動によって、採用成功しています。

企業価値を高める努力を行うことはもちろん、リクルーター活動を行う社員教育も徹底するなど、学びたい要素が多くあります。

★取り組みポイント…会社自体の魅力度アップ、社員教育の徹底、報酬制度導入
freee株式会社(中途採用)

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決算書や確定申告が簡単に行えるクラウド会計ソフト『freee(フリー)』を提供するフィンテック企業です。

同社では、「お弁当制度」と称して、オフィスに友人を招いてランチすることができる制度があり、自然と社内メンバーが集まり、社内の雰囲気や会社について知る機会を作っています。また、アナログでもすぐ渡すことができるように、紹介カードを紙で配布するといった取り組みも行っており、社員が自然とリファラル採用に参加できる体制を構築しています。

★取り組みポイント…社内へ気軽に立ち寄れる制度構築、紹介カードの作成、表彰

まとめ

リファラル採用は、低コストで自社にマッチする人材を採用する上で効率的な採用手法です。しかし、何の準備もなしに導入しても、「誰も紹介してくれない……」といった事態にも陥りかねません。まずは、この記事を通して、自社でリファラル採用を導入する際に必要なことを整理し取り組んでいただければと思います。

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