「求人募集を出しても、なかなか応募がこない。これってやっぱり給与条件が悪いせい…?」そんな悩みを抱えている人事担当者も多いのではないでしょうか。求職者にとって年収は非常に重要な要素です。とはいえ、企業側も簡単に提示年収を上げるわけにもいきません。そんなとき、どうすればよいのか対策法を考えていきましょう。
「中途採用の年収はどうやって決める?相場をチェックする方法」では、一般的な年収相場を調べる方法を説明しました。まずは、予想ではなく、データに基づいて年収相場をしっかりと把握しておくことが重要です。
厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査の「平成30年賃金構造基本統計調査」内にある「職種」から「職種・性、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」を参考に年収相場をみていきましょう。
例)「プログラマ・男性、30~34歳」かつ「経験年数5~9年」の年収相場は…
■企業規模計(*)
所定内給与額(283.5千円/月)×12か月 + 年間賞与その他特別給与額(817.1千円)
= 年収換算額…約422万円
■小企業
所定内給与額(297.4千円/月)x12か月 + 年間賞与その他特別給与額(448.6千円)
= 年収換算額…約402万円
*「企業規模計」とは、大企業(常用労働者1,000人以上)、中企業(100~999人)、小企業(10~99人)の合計を指す
このように、同職種・同性・同年代かつ経験年数が同じターゲットであっても、所属している企業規模によって年収に差があることがわかります。この調査データは信頼性・正確性が高く、細かい数値まで調べることも可能なので、自社の提示年収と一般的な年収相場を比較する際に活用するとよいでしょう。
企業情報の口コミサイト等で、同規模の企業の年収をチェックしてみるのもおすすめです。
例えば、口コミ情報を提供している「キャリコネ」には企業ごとの年収・給与明細についての口コミ情報が掲載されています。また、「職種研究」の項目もあり、「プログラマ」など職種別に平均年収等の情報も載っているので、相場をチェックする際に有用でしょう。
一般的な年収相場をチェックし、平均との乖離がわかったら、次は対策を考えなければなりません。ただし、「提示年収をあげる」というのは人件費や既存社員の給与との整合性からみても、あまり現実的ではないでしょう。
一般的な相場より提示年収が低い場合には、「ほかの金銭的なメリット」を押し出す必要があります。以下のような手当や福利厚生制度があれば、積極的にアピールしましょう。
手当・福利厚生制度等 | アピールポイント |
住宅手当 |
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交通費 | 「何キロ圏内・何駅以内の居住者には手当支給」といった近隣住宅手当等があればアピール。求職者の通勤ストレス緩和にもつながる |
書籍購入・研修費用、資格取得費用補助 | 充実したスキルアップ支援体制がイメージされ、求職者のモチベーションアップにつながる |
残業代 |
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ボーナス |
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表彰や営業のインセンティブ制度 | 自分の実力を試したい求職者の意欲向上につながる |
ストックオプション | 上場前のベンチャー企業などでは、自分たちの頑張り次第で多額の資金を手にするチャンスがあるかもしれないことをアピール |
他社よりも提示年収が低いものを無理に高く見せようとしても限界があります。以下の例のように、労働条件や職場環境の良さをアピールできる場合には、自社の強みを前面に出していきましょう。
しかし、自身では自社の魅力になかなか気づきにくいもの。その点、数多くの求人を見ているプロのほうが客観的視点から企業の強みに気づきやすく、求職者に響くアピール方法についても知識があります。求人広告作成時にアピールポイントの提案をしてくれたり、求職者サポート(フォロー)を手厚く行ってくれたりするサービスを利用するのもよいでしょう。
まずは年収相場と提示年収がどの程度乖離しているのかを客観的に把握し、自社の立ち位置を確認することが重要です。そのうえで、相場より提示年収が劣っているのであれば、他のメリットで年収面をカバーすることを考えましょう。面接に来てくれた応募者に対して、単に面接するのではなく、自社の魅力をしっかりPRし、入社意欲を高めてもらうことも大切です。
自社で対策法を考えるのが難しい場合には、キャリコネ転職丸投げプランや転職エージェントなど、求人原稿に記載する内容の提案や、求職者サポート(第三者の視点から求職者に対して企業の魅力をPR)をしてくれるようなサービスの利用もおすすめです。
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