企業と人材をマッチングさせる人材紹介業。人材紹介業というと大手企業をイメージしがちですが、個人でも独立して開業することができます。この記事では、人材紹介業で独立開業するために必要なことやメリットデメリットについてご紹介します。
人材紹介業として独立開業するためにまずやること
人材紹介業として独立するのに必要な手続きを知る
人材紹介業として独立することのメリット
人材紹介業として独立することのデメリット
失敗に陥りやすいパターン
まとめ
転職市場、転職業界にはトレンドがあります。求人倍率の増加や減少、業界や職種によるニーズの変化を的確に見極めておかないと、人材紹介業は成り立ちません。常に市場や業界の動向をチェックしておきましょう。
dodaの「転職市場予測2022下半期」では、2022年下半期の動向としてITや金融など13の分野で求人が増えると予想されています。逆に、事務やアシスタントは求人数が変わらない予想です。また、土木建築業界では2024年3月に働き方改革の猶予が終了し、4月から時間外労働の上限が適用されます。こういった動向も押さえておくことで、業界や求職者のニーズにすばやく対応できるようになります。
人材紹介業として独立開業するためには、手続きが必要です。
人材紹介業は、正式には「有料職業紹介」と呼びます。職業紹介は、職業安定法において「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。」と定義づけられています。これを有料で行うのが有料職業紹介です。
有料職業紹介の開業にあたっては、厚生労働大臣の認可が必要です。申請は各都道府県の労働局の窓口で行います。免許の交付を受けるには審査が必要で、一定の基準を満たす必要があります。
基準には、
・基本的資金
・事業所の面積やプライバシーを確保した空間の有無
・料金表を明示すること
などの8項目があります。
有料職業紹介は個人でも開業できますが、法人化してから免許を取得することをおすすめします。なぜなら、途中で「やはり法人化したい」と思った場合、個人の免許を法人に引き継ぐことはできないからです。そのため、免許を取り直すことになります。有料職業紹介の認可申請を出す前に、法人化の手続きを行いましょう。
人材紹介業として独立するメリットは、先行投資の費用が少ないことです。2017年までは、有料職業紹介の免許を取得するには、事業所要件が厳しく定められていました。しかし、その規制は大きく緩和され、現在ではレンタルオフィスやシェアオフィスでも開業できるようになっています。
ローコストで開業できる上に、商材の在庫を抱える必要もないため、リスクの少ないビジネスモデルということができます。
デメリットは、求職者と求人者をマッチングさせることが難しい点です。業界や職種により採用ハードルは変わりますが、
・候補者が見つからない
・求人開拓ができない
など、基本的な点でつまづくケースもあります。報酬を手に入れられなければビジネスとして破綻してしまうため、一件でも多くのマッチングを成功させる必要があります。
人材紹介業というとオールマイティーなイメージですが、特定の業種や職種に特化することもできます。「飲食に強い」「土木に強い」など、自分の得意領域を明確に打ち出すことで、求職者や求人者のマッチング率も上がります。
新規顧客開拓のために営業リストは欠かせません。しかし、営業リストの管理を一元化していないと、重複などが発生して効率の良い営業ができなくなります。ツールやアプリを使って、営業リストをデータベース化するようにしましょう。
マッチングを成功させようと焦るあまり、採用企業が定めた要件より厳しい要件をかけてしまうことがあります。自然と採用のハードルが高くなり、求職者自体が見つからなくなってしまいます。あくまで、採用企業の採用要件を基準にするようにしましょう。
採用要件に見合った求職者がいても、面接対策などのケアが行き届かずに採用に至らないことがあります。採用要件を満たしただけで満足せず、候補者のケアを欠かさないようにしましょう。
人材紹介業で独立開業するためには、手続きが必要です。有料職業紹介業の免許は、個人から法人に引き継ぐことができません。開業する前に、どちらの形態が良いのかよく検討しておきましょう。
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