深刻な人材不足といわれている看護師。地域にもよりますが就労数や資格保有者は増加傾向にあるものの、慢性的な人材不足に陥っています。その大きな原因は、看護師の需要が増大していることや離職率が高い点にあります。この記事では看護師不足が続く昨今の厳しい現状、そしてその対策を事例もまじえご紹介していきます。
看護師が不足する理由
病床数の多さと医療技術の高度化
離職率が高い
プライベートとの両立が難しい
看護師不足を解消するための3つのポイント
就労環境の改善
人材育成の強化
採用活動の効率化
看護師不足解消に役立つ成功事例
成功事例1:看護師のライフスタイルに合わせた制度の導入
成功事例2:研修制度を充実させてエンゲージメントを高める
成功事例3:福利厚生の見直しで定着率アップ
まとめ
看護師の賃金は全体平均より高いと言われていますが、なぜ人手不足になるのでしょうか。その理由として考えられるのは、看護師ニーズの急増、離職率の高さ、プライベートとの両立が難しい点です。
それぞれの問題点を考察していきましょう。
日本は世界の中でも人口あたりの病床数が多く、看護師不足が起きやすい国です。
日本医師会のデータに依ると、人口1,000人あたりの病床数が2~3床である国が多いのに対し、日本は13.1床という結果に。病床数が多いことによる看護師ニーズの高さが伺えます。
北海道・東北・四国・九州は、病床数に対して看護師数が少ない地域のため、看護師不足が深刻化しています。また、東京・神奈川のように看護師数が多い地域であっても、離職率の上昇によっていずれ看護師不足になる恐れがあります。
また、高齢化・医療技術の高度化に伴い病床数が増え、看護師ニーズは高まり続けています。少子高齢化の影響から、近年は介護施設や在宅看護などでも看護師を必要としており、その分野は多岐に渡っています。このような看護師ニーズの拡大が慢性的な人手不足に陥っている原因の一つと言えるでしょう。
(画像引用元:厚生労働省「新人看護職員研修の現状について」より)
看護師不足の原因の一つに離職率の高さがあげられます。厚生労働省「新人看護職員研修の現状について」によると、平成18年時点での看護職員の離職率は12.4%、うち新人看護職員は9.2%でした。看護師として働き始めても離職する新人が多く、人材が育たないことが人手不足につながっています。
病院によっては、夜間・急患対応などもあり、シフトが不規則になるケースもあります。厚生労働省「平成30年度衛生行政報告例の概況」によると、看護師の男女割合は男性7.8%、女性92.2%でした。男性も年々増加してはいるものの、まだまだ女性が多い職業と言えます。
そのため、結婚や出産といった女性ならではのライフステージの変化を理由に退職する人が多く、離職率が高くなる原因となっています。しかし、「子育てがひと段落したら復帰したい」と考えている潜在層もいるため、労働環境を整備すれば復職する可能性もあるのです。
看護師の人数が多ければ、患者一人ひとりに目が届くことで安全性が高まります。適切な医療を続けるため、早急に看護師不足への対応を行う必要があります。看護師不足を解消するための3つのポイントを確認し、看護師不足の対策を考察してきましょう。
看護師のライフスタイルに合った柔軟な働き方を整備していきましょう。例えば妊娠・出産を控えている、もしくは子育て中の看護師には、時短勤務を許可したり、夜勤や転勤を避けたりすることで就労環境を改善できます。短時間労働の取り組みや産休育休制度などのサポート体制も充実させると、より働きやすい環境づくりができるでしょう。
こちらの記事では、業務や勤務地を限定して働く「限定正社員」についてご紹介しています。限定正社員の特徴や企業・労働者それぞれの視点から見たメリットデメリット、成功事例に触れています。「これまでの労働形態では柔軟性が足りない」と感じている際の参考になれば幸いです。
看護師のキャリアやスキルアップに繋がる研修を実施することで、定着率・エンゲージメントを高めることも意識しましょう。
具体的には「組織の中で管理職を目指す人のために、リーダー研修やマネジメント研修を行いステップアップに繋げる」「特定分野を究めるために、認定看護師や専門看護師などの資格取得を促す」などです。
将来のキャリアに繋がる研修体制を整えることで、人材の育成もできるようになります。こちらの記事では、研修を企画する前に知っておきたいポイントや導入方法、人材定着に有効な研修についてご紹介しています。研修を企画する際の参考になれば幸いです。
看護師の採用活動を効率的に進めるためにも、従来の採用方法に加えて昨今の転職市場に合った採用手法を取り入れるのも良いでしょう。
近年のトレンドとして、就労中の看護師から人材を紹介してもらう「リファラル採用」や、母集団から求める人材を探しこちらから直接アプローチを行う「ダイレクトリクルーティングサービス」、マッチする人材に出会う・選ばれるために、採用サイト・SNS等で情報発信する「オウンドメディアリクルーティング」などがあります。
「業務が忙しくてそこまで手が回らない」「自社にあった採用方法がわからない」という場合には、採用代行を使うのも手です。採用代行は人材紹介とは違い、自社の採用業務を外注することで、社内の負荷を減らし自社にマッチした人材にアプローチできるサービスの総称です。
こちらの記事では、採用代行を頼むべき企業の特徴や採用代行のサービス内容、採用代行企業20社を比較しています。採用代行を検討される際の参考になれば幸いです。
看護師が安心して働けるよう職場の環境作りや、福利厚生の見直しを行うことで、看護師不足の改善に繋がります。ここでは看護師不足を改善した成功事例を3つご紹介していきます。
「結婚や出産により休職した看護師が安心して復帰できるようeラーニングによる遠隔での研修受講を可能にしたり、子育て中の人材にパートタイムでの勤務を提案したりすることで、復帰しやすい職場環境を作ることが出来た」 |
看護師の退職理由で多く挙がる結婚・妊娠・出産についても、個々のライフスタイルの変化に合わせた対応をすることで、安心して働ける職場環境をつくることができました。
参照:どうする?看護師の深刻な人材不足>独自の福利厚生制度を打ち出している看護業界の好事例>オムソーリ訪問看護リハビリステーション「訪問介護基礎研修制度」|ボーグル |
「基礎的な学習から専門的に特化した研修まで幅広く学ぶ機会を整備。なかには、特定行為に係る看護師の研修を受講し、これまで医師の指示なしでは活動が出来なかった処置も看護師の判断で行えるようになったケースも」 |
座学や研修制度に力を入れることで、一人ひとりのスキルアップはもちろん看護師のエンゲージメントを高めることに成功しました。
参照:どうする?看護師の深刻な人材不足>独自の福利厚生制度を打ち出している看護業界の好事例>オムソーリ訪問看護リハビリステーション「特定看護師の研修制度」|ボーグル |
「個々のライフスタイルに対応できるよう完全個室の寮の完備や、子育て中も安心して働けるよう院内保育所の設置、院内での診療費用全額給付や人間ドッグ無料受診といったように福利厚生の内容を充実させた」 |
これにより、魅力的な職場環境であるとアピールすることができ、定着率向上することが見込まれます。
参照:どうする?看護師の深刻な人材不足>独自の福利厚生制度を打ち出している看護業界の好事例>医療法人徳洲会東京西徳洲会病院|ボーグル |
看護師不足の大きな要因は、看護師ニーズの増大、離職率が高いことがあげられます。超高齢化社会に突入した日本では、今後さらに看護師不足が懸念されるでしょう。看護師のライフスタイルに合わせた規則の提案や就業環境の整備、スキル・モチベーションがあがる制度を整えるなど、自社にできる改善策を積極的に取り入れて、看護師不足に歯止めをかけていきましょう。
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