やっとの思いで採用できたと思ったのに、なぜか内定辞退が続出……。窮地に追い込まれている経営者も少なくないでしょう。理由がわかれば防止策を考えられるものの、「一身上の都合」「他社に行くことに…」といった文面からは、原因を解明することもできません。内定辞退の原因を探る方法はないのでしょうか?
エン・ジャパンの運営サイト「人事のミカタ」が、会員の求職者を対象に実施したアンケート調査によると、内定を辞退した理由は順に、「勤務地・給与などの条件の折り合いがつかなかった」「社風が自分に合わないと判断した」「他社での選考が通過した・内定が決まった」となっています。
採用側は、まっさきに「求職者にどのくらいやる気があるのか」など、評価するつもりで面接を進めてしまいがち。しかし、求職者は「待遇」「勤務地」「福利厚生」「休日・残業」といった生活に直結することや、一緒に働く仲間の様子、職場の雰囲気などを気にしています。
気になっても、「心象が悪くなるのでは」といった不安から、本音を出せない求職者は少なくありません。面接の早い段階で企業側から十分な説明がなければ、求職者の不安は払しょくされないのです。
そうすると、口コミサイトからの情報や自分なりの予想で企業を比較検討せざるを得ません。面接で本音を出せなかった求職者が、内定辞退の際に本音を出すはずもなく、辞退の理由もわからない……という残念な結果に終わってしまいます。
しっかりと情報を開示したうえでの内定辞退なら諦めもつきますが、誤解や不明点があるまま辞退されてしまっているとしたら、非常にもったいない話です。
まずは、面接の早い段階から待遇や条件、職場の雰囲気などを詳しく説明しておくことが大切です。不明点や不安点について、求職者側が気兼ねなく質問できる空気感を作る配慮も必要でしょう。
また、内定を出す前に、経営者や採用担当者だけでなく、年齢や境遇の近い社員とコミュニケーションを取れる場を設けるのも効果的です。口コミサイトなどの情報だけではわからない、実際の社風を感じ取ってもらうことが期待できるでしょう。
ただし、企業側がどれだけ工夫しても、なかなか本音を出さない求職者も一定数います。「求職者サポート」を利用するのもひとつの選択肢です。
「求職者サポート」とは、選考に進んだ求職者の状況や入社意欲の確認、内定者への通知など、採用に関連する一連の業務を代行してくれるサービスのこと。ほとんどの人材紹介会社と、一部の成果報酬型サービスを提供する会社が求職者サポートを行っています。
主なサポート内容は、以下の通りです。
そして、企業に対しても、求職者が重視しているポイントや面接時の対応方法、求職者が内定承諾を迷っている際のアドバイスなどをしてくれます。求職者の「本音」を知っている仲介者は、企業にとって心強い存在です。
ただし、担当者の力量によってサービスの質は大きく異なるでしょう。勤め先からの引きとめにあい、気持ちが揺れ動いてしまう求職者も多くいます。しっかりメンタル面のサポートをしてくれる担当者を味方につけられると安心です。
求職者の本音の把握は、内定辞退を避け、採用を成功させるためには不可欠です。求職者の本音を無理なく聞き出してくれる「求職者サポート」を利用するメリットは、極めて大きいといえます。
ただし、場合によっては求職者サポートの範囲が限られていますので、契約前によく確認しましょう。なお、多くの人材紹介会社や「キャリコネ転職」の丸投げプランでは、今回紹介したようなサポートには全て対応しています。
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