新型コロナウィルス(COVID-19)流行の影響を受け、売り手市場から買い手市場への転換や選考のWeb化など、採用を取り巻く環境は日々目まぐるしく変化しています。また、労働人口が減少を続ける中、優秀人材の獲得競争は激化の一途を辿っていますが、企業が採用に割ける時間は限られています。
そんな厳しい環境下において検討したいのが、採用コンサルティングです。この記事では、採用コンサルティングを導入するメリットやデメリット、主なサービス内容、料金について解説しています。弊社で厳選した採用コンサルティングサービス10社もぜひご参考にしていただければ幸いです。
採用コンサルティングとは、採用活動に関わる提案や業務の代行を通して、企業が優秀な人材を確保することを支援するサービスです。
自社の求める人材を採用して長期的に活躍してもらうためには、ただ大勢の候補者を集めて選考をするという手法は効果的ではありません。自社の理念や経営方針に沿った採用戦略を立て、入社までのフォローアップや入社後の育成計画までを考慮に入れて動いていく必要があります。そんなときに頼りになるのが、豊富なノウハウを持つ採用コンサルタントです。
これまでは、転職サイトや人材紹介会社などを通じて採用を行うのが当たり前でした。しかし、インターネット技術の普及やSNSの登場などによって、採用手法が多様化し、いま転換期を迎えています。
この章では、そんな時代背景と合わせて、いま採用コンサルティングが求められる理由について解説いたします。
従来、採用手法として一般的だったのは、転職サイトや人材紹介(一部ヘッドハンティング)でした。
しかし求人メディアのWeb化を受け、「Wantedly(ウォンテッドリー)」や「LinkedIn(リンクトイン)」といったビジネスSNSやSNS拡散型求人PRサイトといったソーシャルリクルーティングサービスや、「indeed(インディード)」を代表格とするアグリゲーション型求人検索サービスが登場。これまでの採用におけるビジネスモデルが大きく変化しています。
こういった影響もあり、旧来の手法では採用が立ち行かなくなっていることから、戦略的に人材採用へ取り組む、採用コンサルティングのニーズが高まっています。
少子高齢化による労働人口不足が影響し、人手不足に悩む企業が増えています。また、プライベートを大切にしたいという若者の就業観の変化や、転職自体のハードルが低くなりつつあることもあり、1社で長期にわたって働くという価値観が崩壊しつつあります。
特に、優秀なITエンジニアなどは単価の高いフリーランスの方が稼げる場合もあり、各企業による人材獲得競争が年々激化しています。採用コンサルティングはこういった人材獲得方法だけでなく、入社後活躍に至るまでフォローを行ってくれるため、重宝されています。
年々、採用手法が多様化し、人材獲得の難易度が高まっていることは前述しました。さらに付け加えると、採用業務はさまざまな分野・領域においてコミットメントが必要となります。こういった人事の業務負荷を減らし、本来の業務に専念するため、採用コンサルタントに業務を委託する流れが増加しているのです。
採用コンサルティングサービスを利用することには、様々なメリットがあります。主なメリットを一つ一つ見ていきましょう。
採用コンサルティングを導入すれば、社外の視点から提案を受けることができます。客観的な立場からの中立的なアドバイスは、社内の人材からは出てきにくいものですので、企業にとって貴重な気づきをもたらしてくれるでしょう。
採用プロセスに課題があったり、採用後のフォローが不十分だったりと、採用に関して企業が抱える課題はさまざまです。採用コンサルタントは採用のプロですので、企業が気づいていない根本的な問題を明らかにしたうえで、改善のための提案をしてくれます。
採用コンサルタントは、採用にかかわる手法や求職者の動向、他社の動きなど、最新のトレンドを把握しています。このような採用トレンドは常に移り変わるものですので、企業の採用部門が単体で調査をして動向を追うのは現実的ではありません。
採用コンサルティングを利用すれば、自社で膨大な工数を割くことなく、採用トレンドを導入することが可能です。
多くの採用コンサルタントは、採用に関わるあらゆるプロセスをサポートしてくれます。このため、直接的な採用活動だけでなく、内定者へのフォローアップや入社後の人材育成プログラムの作成など、長い目で見た採用のプロセス全体を一括して管理することができます。
プロセスを一元化しておけば、もしどこかに変更が生じた場合でも、それに合わせて他の部分を調整しやすくなります。
採用コンサルティングに任せることによって社内工数は削減できるかもしれません。しかし、人事採用業務のほとんどを外部へ委託することになるため、いつまで経っても社内に採用ノウハウが蓄積されないといった課題が残る可能性があることは留意しておきましょう。
採用コンサルティングは企業によって強みとする業界や領域が異なります。例えば、ITリテラシーが必要ないポジションなのに、Web広告を施策としても意味を成しません。ターゲットに対して最適な施策でなければ、無駄金をはたくことにもなりかねません。
ぜひ、自社が求める人材に対して、採用コンサルティングが強みとするサービス・領域などをチェックした上で導入を検討していただきたいと思います。
採用コンサルタントと言っても、1回の打ち合わせで人材要件を把握し、ターゲット人材を連れてきてくれるわけではありません。採用業務に携わっている方なら経験があると思いますが、実際に応募者を見てから求める要件が若干変化するということは往々にしてあるものです。
こういったことを視野に入れつつ、定期的にコミュニケーションを取りながら伴走する必要性・工数を視野に入れておく必要はあるでしょう。
採用コンサルティングの具体的なサービス内容は、採用戦略に関わるサポートが主ですが、それだけではありません。
採用戦略に関わるサポートは、戦略立案からプロセス提案まで、ステップバイステップで多岐にわたります。
社会全体の状況や競合他社の採用状況、自社の採用実績とその成果、そして採用にかかるコストや採用体制を考慮して、採用戦略を立案します。採用戦略策定に際しては、企業がどのような人材を求めているのかを経営方針などに照らして検討し、ターゲット像を明確にします。
採用戦略に沿って、一つ一つの採用プロセスの提案が行われます。
採用活動で使われる選考方法には、SPI、適正検査、リファレンスチェックを含めた書類選考、そしてカジュアル面談から面接、オファー面談などの対面選考などがあります。これらのうちどの方法をどのような順序で使うのか、また、求める人材を絞り込むために選考基準をどのように設定するのかなど、具体的な選考の進め方を提案します。
企業の求人に関心を持つ母集団を形成するために、採用に使うメディア、そして自社HPの準備やここ最近だと動画での説明など、採用ツールを準備する必要があります。ターゲットとしている人材をより多く母集団に取り込むことを念頭に置いて、こうしたメディアやツールの活用戦略を提案します。
採用が決まった後に内定を辞退されるのを防ぐため、面談や内定者懇親会、保護者説明会などを企画します。また、採用した人材が入社後に即戦力となるよう、研修を企画し実施する場合もあります。さらに、入社後の早期離職を防ぐため、職場環境づくりについての提案をおこなうこともあります。
採用コンサルタントは、その他にも色々な形で企業の採用活動をサポートします。
合同転職フェアやセミナーなど、集客イベントの開催方法を指導します。イベントでの実際の実務の一部を、採用コンサルタントが代行するケースもあります。
企業の魅力を効果的に伝え、選考途中での離脱や内定辞退を防止するために、面接方法についてのトレーニングを行います。また、面接での合否の判定を統一するための指導も行い、選考の効率化を図ります。
採用コンサルティングの料金は会社によって異なりますが、サービス毎の料金の目安は以下のようなイメージです。
この他、企業イメージにも関わる採用ブランディング活動の場合は100万円からと、他の業務よりも高額になる傾向があります。
反対に、母集団形成のサポートは成果報酬型の場合もあり、初期費用が不要のことも。
採用コンサルティングを導入する場合には、次のようなことに注意して採用コンサルタント会社を選ぶようにしましょう。
採用コンサルタント会社には、それぞれ得意な領域と不得意な領域があります。例えば、母集団形成はとても得意な会社でも、内定者フォローの経験は浅い、といったケースも考えられます。
採用コンサルタント会社を選ぶときには、自社が抱えている課題の領域を得意としているかをポイントにするとよいでしょう。
採用コンサルタント会社が手掛けた成功事例を確認する際、再現性があるかどうかを見極めることが重要です。例えば、有名企業での成功事例があったとしても、名の知れていない中小企業で同じような成果を出せるとは考えにくいです。
また、成功事例が生まれた時期にも注意が必要です。採用しやすい買い手市場の時期に成功を収めた事例なら、採用が難しい売り手市場の時期には必ずしも通用しないと考えた方が良いでしょう。
過去の実績の中でも、同業他社での成功例があるかどうかは、採用コンサルタント会社を選ぶ際の大きなポイントです。採用だけでなく入社後に長く定着してもらうことまで視野に入れるなら、業界ならではの特徴や傾向をふまえた採用戦略が求められるためです。
採用コンサルティング導入にあたっては、自社で募集する予定の職種で十分な実績があるかを確認するようにしましょう。
最後に、おすすめの採用コンサルティングサービスを10個ご紹介します。
日本最大級の企業口コミサイト「キャリコネ」やビジネス系のニュースサイト「キャリコネニュース」を運営する株式会社グローバルウェイが提供する「キャリコネ転職丸投げプラン」は、さまざまな採用手法を施策に転職潜在層へもアプローチできるのが特徴です。
自社運営する転職サイト(キャリコネ転職)への掲載をはじめ、提携エージェントとの連携やヘッドハンター、効率的な広告運用など、幅広いアプローチを活用した網羅的なサービスと言えます。
応募集客から入社までの範囲をサポートしており、他の採用コンサルティングと比較して安価なことから、中小企業にも手を出しやすいサービスです。
「中途採用」という名前が付いているものの、新卒採用も含めた包括的な人材採用計画からコンサルティングを実施。これまでの採用活動の調査からはじまり、戦略策定や市場動向に応じた施策の追加・変更、社内体制の構築、ノウハウの蓄積などもサポートしてくれます。
どこで募集しても応募がないといった企業に検討していただきたいサービスです。
新卒採用、中途採用の両方に対応した採用コンサルティングサービスを提供。3か月、半年、年間単位といったさまざまなプランを用意しており、毎月の定期訪問や内定者の後追いフォローといったサービスを展開しています。
採用コンサルティングのデメリットとも言われるノウハウの蓄積についても、各社に合った手法で対応してくれます。
ネオキャリアは、新卒採用を中心とした採用コンサルティングを提供しており、企業の課題に合わせたゼロからの企画開発が強み。パッケージ化されたサービスではないので、一つひとつの企業にふさわしい支援が期待できます。支援実績が1万社を超えており、実績においても信頼が置けます。
企業の採用目標と現状とのギャップを捉え、戦略立案から進捗管理といったリーダーが担う領域の業務をはじめ、現場レベルの事務作業までを代行。チーム単位でサポートを行ってくれ、安定的な体制構築といった長期目線での採用活動の最適化を図ってくれます。
アチーブメントHRソリューションズは、人事に関わる幅広い研修メニューをそろえた人事コンサルティング会社です。「社員研修コンサルティング」や「組織開発コンサルティング」など、各種研修や内定者のフォロー、また企業側の受け入れ体制などに関わる支援が強みです。
「マンパワーが足りない」、「採用スケジュールが変動する」など、各社が抱える課題に応じてサポート。コア事業のマーケティング事業で培った「人を動かす仕組み」を人材戦略に活かし、5、10年後を見通した人材戦略の立案から採用プロモーションの実施までを行います。
世界80カ国に拠点を持つ大手マンパワーグループが提供する採用コンサルティングサービス。新卒採用・中途採用いずれも対応しており、全ての業務を委託する「フルパッケージ型」と一部業務を委託する「選択型」の2パターンを用意しています。
予算や業務量に応じて、委託範囲は選択可能。オフサイト型(マンパワーグループのオペレーションセンター)、オンサイト型(企業内常駐)、ハイブリッド型(オフサイト型×オンサイト型)といった3体制で業務の最適化を狙います。
採用手法の選定から応募書類の受け付け・1次スクリーニングといった人材選定フェーズはもちろん、入社後フォローやマインドセット研修まで支援。階層別研修なども用意されており、長期にわたって人材の活躍をサポートしてくれます。
採用のスペシャリストによる人事採用支援である「採用コンサルティング」。「採用代行(RPO)との違いは?」、「採用代行にはどんなサービスがあるの?」と気になる方は、下記記事もご参照ください。
採用コンサルティングを導入すれば、自社で解決できない課題への対応やトレンドに沿った採用活動の展開が可能になり、求める人材を効率的に集めることが期待できます。
採用コンサルタント会社にはそれぞれ得意とする領域や特徴的なサービスがありますので、まずは自社の抱える課題を明確にし、その課題を解決に導いてくれそうな採用コンサルティングサービスを選びましょう。
全国2万社のエージェントが集う採用プラットフォームで 株式会社グローバルウェイが運営する中途採用プラットフォーム「エージェントマネジメント(通称:エーナビ)」では、
といった圧倒的なエージェントの数と領域への最適化を行い、エージェントにやる気を出してもらえる工夫を施し、人材確保の精度を高めています。 そのため入社決定率は87%を超え、ご満足いただいている企業様が多数いらっしゃいます。 貴社の求人にフィットした候補者の推薦ができるエージェントが 全国に何社存在するかシミュレーションをいたします、ぜひ一度サービス内容をご覧ください。 |
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