採用活動は、景気や季節変調、採用トレンドや価値観の変容、経営者の方針転換など、実にさまざまな影響を受けます。IndeedやSNSといった採用手法の多様化も手伝い、いま採用市場は過渡期にあると言えるでしょう。
この記事では、そんな時代において採用担当者の役割や求められるスキルとは何か?をはじめ、最新手法やスケジュール、向いている人や向いていない人の特性、よくあるお悩みといった、採用担当者の方のためのお役立ち情報をまとめてご紹介しています。
採用担当者とは?
採用担当者の役割
人事との違い
採用担当者に必要な3つのスキル・能力
【1】コミュニケーション能力
【2】どんな変化にも対応できる柔軟性
【3】周囲を巻き込み推進する能力
採用担当者に向いている人、向いていない人の特徴
■向いている人の特徴
■向いていない人の特徴
採用担当者の仕事内容
採用担当者として知っておきたい事
採用計画
採用スケジュール
採用基準
最新版の採用手法
選考関連
採用担当者がもつ悩み どう解決する?
悩み1:採用計画の立て方
悩み2:応募者が集まらない
悩み3:選考・内定を辞退された
まとめ
採用業務は人事の仕事の1つで、外部から自社に必要な人材を求めて、自社内に取り入れる一連の業務を指します。まずは、採用担当者の役割と採用スケジュールを確認しましょう。
一般的な採用プロセスは、採用計画→求人告知→書類選考→面接→採用→入社→定着までです。これらの一連のプロセスの見直し・改善も、業務の一つだと言われており、幅広い領域を担当しなければなりません。
このような大量のタスクに忙殺される中でも忘れてはならないのは、一人の人生を左右する責任が伴う行いであるという点です。採用に対してこのような意識を持ち、真剣に取り組む企業こそ、お客さまはもちろん人財からも選ばれる企業になり得るのです。
(画像参照元:曽和利光(2018).『人事と採用のセオリー』P15をもとに編集部にて作成)
一般的に、人事は「採用」「育成」「配置」「評価」「報酬」「代謝」の6つの機能を担っていると言われています。人事と採用の違いを挙げるとするならば、汎用的か特化型かの違いだと言えます。
金銭的余裕のある大手企業などは、「採用」のみに特化した専任担当者がいるケースもありますが、一般的には人事業務の一環として採用活動を行っている企業がほとんどだと言えるでしょう。
採用担当者には、幅広い仕事をこなすためのスキルや能力が求められます。営業・マーケティング、広報といった業務と重なる部分が多いため、これらの業務経験者であれば比較的早期に採用業務に慣れることができるでしょう。具体的に見ていきましょう。
採用業務では、大きく分けて2つのコミュニケーション力が必要です。
1つ目は、さまざまな人と連携しながら業務を進めるコミュニケーション能力です。
採用担当者は、社内だけでなく社外も含めたさまざまな人とのコミュニケーションを通じて、円滑に業務を進めなければなりません。社内では、経営陣や関係部署との連携を。社外では、求職者をはじめ、求人広告会社や人材紹介会社、新卒採用であれば大学のキャリアセンターなど、非常に多くの人と接する必要があります。あるシーンでは主導権を持って、あるシーンでは受容性を持って対応しなければなりません。
2つ目は、限られた時間・資源の中で、必要な情報を把握&伝えるコミュニケーション能力です。特に面接においては、候補者から自社に必要な要素を引き出し、信頼度を測る必要があります。また、自社の魅力を伝えるといった企業の顔≒広告塔としての役割も担っています。正しく情報を把握する能力・スキルはもちろん、公平さ、売り込む能力なども必要になるでしょう。
最近は、ITの浸透、労働者価値観の変化、労働人口の減少……といったさまざまな影響を受け、採用市場は過渡期にあります。これまでの待ちの採用では人材獲得が難しくなっているため、企業から人材へ積極的にアプローチする攻めの採用が広がってきています。
採用担当者は、このような採用トレンドの把握はもちろん、変化に対してフレキシブルに対応しなければなりません。ニュースやSNS、書籍など、さまざまなリソースをもって情報をアップデートし、状況に合わせて対応する柔軟性を持ちましょう。
採用担当者は自社内であっても他部署のことを理解し、必要に応じて社内関係者から協力を受ける必要があります。
例えば、人材要件の設定時には、配属部署の社員と会話し、仕事内容や求める事柄について把握する必要があります。新規事業の立ち上げに向けた採用であれば、経営陣の支援も必要になるかもしれません。
さらに近年は、SNS、リファラル、ウェビナーなど採用チャネルも多様化しているため、採用担当者のリソースだけで広報活動を実施するのは困難に。全社員が採用活動に関わる採用方法を取り入れる企業も出てきています。経営陣を含む社員全員を巻き込むプロジェクトリーダーのような力が、これからの採用担当者には求められると言えるでしょう。
採用業務は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」のなかでも、事業の成功にとって最も欠かせない要素「ヒト」を獲得する、非常に重要な仕事です。男女の性別や過去の職歴を問わず、採用担当者として活躍できる人に共通する特徴を探りましょう。
企業の顔である採用担当者は、自身の発言・考え・決断に責任が持てる人が向いています。企業の広報担当者と同様に、採用活動中は企業の代表である自覚を持って、対応しなければなりません。
応募者に対する採用担当者の対応は、自社への信頼度を高めるだけでなく、入社へと導く効果も期待できます。逆に、採用担当者の発言によっては、自社のイメージを悪くしてしまったり、応募者の今後のキャリア形成に何らかの影響を与えてしまったりする可能性がある事も、頭に置いておきましょう。特に、社会人経験を積んでいない新卒採用においては、影響力の高さを考慮することが大切です。
採用の可能性が低い場合でも、採用担当者の言動や振る舞いが常に応募者に評価されている事を意識し、責任を持って業務に取り組める人が適していると言えるでしょう。
採用担当者は、経営層や自社社員、求職者、外部パートナーなど、さまざまな人と関わる必要があり、高いコミュニケーション能力が必要です。
こと面接においては、企業としての魅力を求職者に分かりやすい言葉で説明し、「入社したい」と感じてもらわなければなりません。また、相手が話していることを正しく理解し、論理的に成り立っていないと感じる部分はしっかり確認する必要も。
物事を分かりやすく言語化する能力や、相手が話している事を正しく理解する能力を持っている人が適していると言えるでしょう。
先に述べた通り、働くことに対する価値観の変化やITの浸透化、人材獲得競争の激化……といったさまざまな背景により、採用手法も多様化しています。社員の知人を採用するリファラル採用やInstagram、TwitterといったSNSを活用したソーシャルリクルーティング、ヘッドスカウトといったダイレクトリクルーティングなど、実にさまざまです。
採用担当者としてこのような新しい手法について理解するだけでなく、自社に最適なものを取捨選択する必要性もあるわけです。そのため、チャレンジを恐れずに最適な採用活動をリードできる前向きな人が、採用担当者に向いていると言えるでしょう。
関連記事: リファラル採用とは?導入手順やメリット・デメリット、想定費用母集団形成9種|ソーシャルリクルーティング等、最新手法の活用法 ダイレクトリクルーティング15社を徹底比較|価格や特徴、選び方 |
採用後のフォローアップのために、入社社員のメンタル面をケアし、キャリアアップまで考慮できる人であれば、さらによいでしょう。
入社後に置かれた環境や働きかけがよければ、大きく変化や成長をするからです。
逆に悪いケースでは、入社者が入社前に抱いた企業文化や仕事内容に比べて、入社後の印象が異なる・悪いと判断すれば、すぐに離職を考えるかもしれません。このような状況を阻止できるよう、入社者の配属先の様子や不安を察知できる採用担当者が必要です。さらに、入社者から得られた情報を、他の人事業務担当者や配属先上司に伝えて、将来に活かせるように配慮できる人であれば、会社の成長を支える頼もしい採用担当者になるでしょう。
企業の顔でもある採用担当者。個人として取った行動や発言が企業として行ったと判断され、ときには企業ブランドにダメージを与えることも。また、求職者の人生を大きく変える重大な決断をしなければならないシーンもあるため、責任も大きいポジションだと言えます。
個人主義で自分の考えを貫きたいといった人や、求職者視点での考えができない人などは不向きだと言えるでしょう。
採用活動は、さまざまな人を巻き込み、連携しながら進めていく必要があります。また自社の魅力を求職者に伝え、入社意欲を高めてもらう広告塔としての役割も担っています。
そのため、物事を分かりやすく説明することが得意ではない、そもそも多くの人と関わりながら仕事を進めるのが苦手……といった人は辛いと感じる可能性があるでしょう。
採用活動は、その時の採用トレンドや季節変調・景気といった影響を鑑みながら、採用計画を立てて実行していく必要があります。時には、これまで当たり前だった採用活動をゼロベースで見直し、実行する必要があることも。
指示待ちタイプやルーティン業務が好きな人は、変化を嫌う傾向にあるため、採用活動におけるこのような急激な変化についていけず疲弊してしまう可能性があるでしょう。
一般的に採用担当者の仕事は、採用計画から入社後フォローまでだと言われています。ざっくりですが、担当する仕事内容は以下のようなものです。
企業によっては、新卒、中途、アルバイトといった雇用形態別に採用担当者を分けている場合もありますが、おおむね担当する業務は同じだと言えるでしょう。
採用担当者として最低限知っておきたい要素を以下に洗い出しました。最新版の採用手法などは押さえておきたい要素の一つですので、ぜひご参照ください。
採用活動は採用計画を立てるところから始まります。特に、採用目標人数を設定して振り返りを行うことで、自社の採用活動を分析し、しっかりとPDCAを回すことにつながります。
以下の記事では、採用における各フェーズに進んだ人数の比率≒歩留まりについて解説しています。計算方法はもちろん、歩留まり低下が起こる原因、低下しやすい項目、採用歩留まり改善のための3つの方法についてもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
中途採用の現状をはじめ、現在のトレンドや今後の予測、採用に適した時期などは押さえておきたい要素の一つです。以下の記事では、採用計画→求人方法の検討→求人手法について承認を得る方法→求人原稿作成→スカウト配信→選考→入社準備・当日といった形で網羅的に採用活動について解説しています。
「採用活動において採用基準を設定する重要性は分かっているけど、具体的な手順が分からない」という方もいらっしゃることでしょう。
以下の記事では、各部署へのヒアリングを行う、活躍人材の行動特性を言語化するといった採用基準の設定方法を6STEPで解説しています。また、採用基準を設定しても採用ミスマッチが起こる要因についてもご紹介していますので、ご参考になさってください。
「最近採用手法が多くて、どれが良いのか分からない」とお悩みの方もいらっしゃるのでは?
以下の記事では、Indeed(インディード)をはじめとしたアグリゲーション型求人検索エンジンをはじめ、Facebook(フェイスブック)、LinkedIn(リンクトイン)、Wantedly(ウォンテッドリー)といったSNSを活用したソーシャルリクルーティングなど、候補集団を形成するための最新手法をはじめ、導入によるメリット・デメリット、活用方法も併せてご紹介。成功のための3つの秘訣もお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
また、マーケティングの考え方を採用活動に採り入れた「採用マーケティング」も最近は注目を集めています。戦略的に採用活動を進めたいという採用担当者の方は以下の記事をご覧ください。
「せっかく良い人材が採れたのに早期離職してしまう」「採用した人材が即戦力化しない」など、採用活動が終了しても悩みは尽きないものです。以下の記事では、選考におけるブレを無くすための面接方法や面接対策、採用の断り方などをご紹介しています。
関連記事: 構造化面接で選考を最適化!進め方や注意点、使える質問テンプレ付き 面接官に研修は必要?初めての面接対策にオススメの施策とポイント3つ 中途採用で即戦力が採用できない4の理由|見分けるポイントや探し方 |
採用担当者として最低限の知識と能力を備えていても、採用活動を進めるにあたって、なんらかの壁にぶつかることもあります。
ここでは、採用サイクルや手法が複雑化している中途採用業務において多くの採用担当者が抱える課題を把握し、その解決策をご紹介します。
まずは、「中途採用をどのように進めるのか」という最初の計画段階についてご説明します。
人員計画の立案では、経営陣や現場の管理職などが、求める職種・必要な人数・期日などを決定するのが一般的です。しかし、中小企業など、人材が必要な時点で採用の依頼が採用担当者にくるケースもあります。この段階で、採用担当者は採用計画に着手します。
計画には、求める人材のスキル・年齢層・これまでの職歴・働く上での価値観などを、「人材要件」として決めます。その後は、求人方法や選考方法の選択、そしてスケジュール確認などをおこないます。
中途採用の課題として、「応募が来ない」ことを挙げる企業は多くあります。この問題の原因は基本的に2つ。応募者の絶対数が少ない問題と、自社が望む人材が集まらない問題です。
候補となる人材を見つけて応募へと促す「母集団形成」を適切に行うことで、優秀な人材を獲得しましょう。
中途採用の売り手市場においては、「面接辞退」だけでなく、「内定辞退」も当然のように発生します。
採用したい人材を入社へと確実に導くために、社内の問題を見つけて解決すると同時に、採用の競合となる他社の状況を分析しておくことで、このような辞退を防ぐこともできるでしょう。
採用担当者は、自社に必要な人材を社外から獲得するための人事業務の1つです。まずは、採用担当の役割と業務サイクルを理解しましょう。その後には、必要なスキル・能力、そして適任者の特徴を確認します。最後に、採用担当者がぶつかりやすい問題と解決策を把握し、採用担当者として活躍するための事前準備を十分にしましょう。
絶対にやるな!採用ができない「時間」の使い方。 採用手段として最も多いのは、求人媒体と人材紹介エージェントの利用です。しかし、 「求人媒体を複数使ったけど採れなかった」 これらの採用できていないという事象は同じですが、実はその「要因」は全く別ものであるということをご存じでしょうか?
今回、弊社の採用コンサルタントが多くの採用人事のみなさまを支援してきたことにより見えてきた、採用ができない人事の「時間」の使い方とその改善策を3つに絞ってお伝えします。 資料は3分で読めるほどわかりやすくまとめました。「要因」だけでなく「対策」も整理しているので、ぜひご覧頂き、明日からの行動改善にお役立てください。 |
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