採用基準の作り方|6つの作成手順と即使える採用基準テンプレート

選考辞退

採用基準は、中途採用を成功させるための重要な要素のひとつです。しかし、「自社にあった採用基準はどのように作ればいいの?」「採用基準の項目は?」「採用基準はどうやって見直すべき?」など、疑問を抱える採用担当者も多いことでしょう。

本記事では、採用基準の重要性をはじめ、6つのステップによる具体的な採用基準の作り方、見直す際のポイントまでを徹底解説します。

採用基準とは、自社に必要な人材を明文化した評価基準/指標です。この基準を明確に定めておくことで、面接官による主観ではなく、公正かつ一貫性のある判断で選考を実施できるのです。

特に、採用活動においてスピード感は非常に重要となります。自社に必要な人材の基準を明確化し、共通認識化できているかどうかが採用成功に影響すると言っても過言ではないでしょう。

採用基準の重要性

採用基準は、なぜ中途採用の成功に欠かせないのでしょうか。2つに絞って説明します。

選考を公平に進めるため

採用基準がなければ、面接官の好みや偏見、そのときの気分など曖昧な基準で判断することになります。公平性に欠ける選考では、自社の必要としている人材像に合致しているかどうか、正しく評価することができません。採用基準を面接官全員が理解し正しく判断することではじめて、公平性ある選考が実現できるのです。

このような面接官による判断の偏りを防ぐ一手として最近注目を集めているのが、Googleも導入する「構造化面接」です。面接官による評価のばらつきを無くすだけでなく、面接にかかる時間を短縮したり、応募者の満足度を高めたりする効果も期待できます。こちらも併せて検討させると良いでしょう。

採用活動の効率化を図れる

複数の面接官が採用基準を共有していることで、面接という限られた時間で正当な評価ができます。また、母集団形成で自社にあった人材を集められたり、面接官同士の意見のすり合わせもスムーズに行えたりするなど、採用活動の効率化につながります。

6STEPで解説!採用基準の作り方

具体的な採用基準の作り方を6つのステップにわけて解説します。これを読めば、採用基準を誰でも作ることができるようになります。参考にして、採用基準を作ってみましょう。

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【1】各部署へのヒアリングを行う

採用担当者のイメージと現場の考えは、大きく異なる場合があります。「どんな人材を採用したいと考えているのか」「その背景や求めるスキルや経験は?」など、具体的に情報収集を行いましょう。

配属予定先では、実態を知るために、役職者だけでなく現場社員の声もしっかり聞くことをオススメします。必須条件と歓迎条件といった優先順位までヒアリングできれば、人材の要件定義の際にも役立つでしょう。

【2】転職市場の調査を行い、最適化する

転職市場のトレンドや状況は常に変化しています。リクルートワークス研究所が行った調査によると、2019年上半期の時点で人材確保できた企業は48.3%と半数を切っており、3年連続でマイナスとなっていることが分かっています。

もちろん、業界や職種によってもさまざまです。自社の属する業界・職種の置かれている転職市場について調査し、状況を理解することで、高すぎる/低すぎる採用基準かどうか判断しやすくなるでしょう。また、この高低を知った上で、最適な要件を整理することも重要な工程の一つです。

これまで新卒で一括採用していた名の知れた大手企業も中途採用に参入し始めたり、人員確保が叶わなかった業務をIT化したり……と採用市場ならず労働環境の変化も予測されます。2020年度版の採用トレンドや押さえておくべき採用手法、各社の取り組み事例については、こちらの記事をご覧ください。

【3】人材の要件定義をする

ヒアリングした情報と転職市場の調査結果をもとに、採用したい人材の要件定義を行います。大切なのは、現場や経営陣いずれかの意見のみに偏らないことです。

例えば、現場は即戦力を求め、経営陣は将来担ってほしい役割までを想定し必要な要件を提示するとします。その際、即戦力を発揮してもらうために現在必要な要件と、将来的に必要な要件を今後身につけられると期待できるかどうかに分ければ、より具体的な人材の要件定義をすることができます。

また、経営戦略における一貫性だけでなく、早期離職やミスマッチの防止、採用活動の再現性を向上させるなど、人材要件をしっかりと定義することによって、さまざまなメリットがあります。設定方法の3つのポイントや運用における2つの注意点については、下記記事をご覧ください。

関連記事:人材要件とは?ペルソナとの違い|設定方法と運用ポイントとは

【4】活躍人材の行動特性を言語化する

コンピテンシーとは、高い成果をあげる人材に共通している行動特性のこと。実際に活躍している社員をピックアップし、共通する行動特性や思考を分析することで、コンピテンシーモデルを作成できます。特に、「なぜそのような行動をとったのか」という理由を正しく把握することで、より精度の高いコンピテンシーモデルを作成できるようになります。

例えば……

【行動】どんなに小さな案件や面倒な質問にも真摯に対応していた

 ↓

【理由】一番に相談してもらう存在になるため/この人に任せれば大丈夫と思ってもらうため」

 ↓

【コンピテンシーモデル】信頼関係を築くために、小さな努力を惜しまない人

と導き出すといった具合です。

関連記事:コンピテンシー面接で応募者の本質を見抜く!質問例とポイント2つ

【5】具体的な人物像を設定する

ペルソナとは、自社が採用したいと考える具体的な人材像のことです。人材の要件定義であげたキーワードやコンピテンシーモデルを活用して、具体的な人物像を想像してみましょう。

例えば

「信頼関係を構築するために努力を惜しまず、ネイティブ相手に商談できるレベルの英語力があり、3年以内に10人のメンバーを引っ張ることができる強いリーダーシップのある人材」

などです。ペルソナには、スキルや経験だけでなく、生活環境や趣味、普段どのようなメディアで情報収集をしているのかといった志向性も含めることでより明確になるでしょう。

【6】評価項目を決める

最後に、評価基準の具体的な項目を決めていきます。中途採用における評価項目の例は以下の通りです。

  • スキルや経験
  • 社風(ワークライフバランスを含む)への適応性
  • 意欲/熱意
  • コミュニケーション能力
  • 主体性
  • 行動力
  • ストレス耐性

これらの要素を評価基準シートとしたものが以下になります。

採用基準シートテンプレート

画像参照元:細井智彦『「使える人材を見抜く」採用面接』P188

以下より上記Excelシートはダウンロードが可能ですので、ぜひご活用ください。

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採用のミスマッチを防ぐために重要となる採用基準。前述の通り、各部署へのヒアリングから人材要件の定義など、取り組むべきことはさまざまです。「自社で取り組むには工数がかかる」「そんなパワーない」といった企業の場合、採用代行業者はプロの知見をもってアドバイスをくれるだけでなく、市況感を含めた改善点なども教えてくれますので検討されると良いでしょう。

関連記事:採用代行(RPO)20社を徹底比較|選ぶ際のポイントや注意点

採用基準を作っても採用ミスマッチが起こる理由

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明確な採用基準を作成しても、ミスマッチが起こってしまうこともあります。ミスマッチの起こりやすい採用基準には特徴があります。その特徴を4つにわけて説明します。

評価項目が曖昧

評価項目が明確でなければ、正しく評価することはできません。例えば、学歴や資格など数値で評価できる項目だけに偏っているということはありませんか?定量的な項目で高評価な人材が、自社にマッチした人材であるとは限りません。

採用ミスマッチにならないためにも、評価項目は定量的・定性的の両面を考慮すること、そしてできるだけ具体的にすることが大切です。こと「アンコンシャス・バイアス≒無意識の偏見」は、なかなか解消することが難しい採用現場における障壁とも言えます。起こりやすいパターンや具体事例、対策方法について解説していますので、下記記事も参考になさってください。

関連記事:アンコンシャス・バイアスとは?実例や及ぼす影響、対策方法を紹介

採用担当者や現場面接官で採用基準の認識齟齬がある

面接は、採用担当者だけでなく配属予定の現場社員と一緒に行うことがほとんどでしょう。その際、面接官全員が採用基準について共通認識を持っていなければ、ミスマッチにつながってしまいます。

担当者ごとに異なる認識をもっていると、判断に大きな差が生まれてしまうためです。面接官が共通認識をもてるよう、事前に採用基準についてすり合わせる時間を設けるとよいでしょう。

転職市場に合っていない

転職市場のトレンドや相場とかけ離れた採用基準では、応募者が集まらない、選考通過率が非常に低いといった問題が起こってしまいます。採用基準の高さにもよりますが、そもそもすべての条件を満たす人材と出会えることはレアなケースです。売り手市場であればライバルも増え、さらに採用難易度は上がると覚悟しましょう。

もし母集団形成に問題を抱えている場合には、高すぎる採用基準になっていないか転職市場の分析をおすすめします。

もちろん、調査した結果ハードルが高いとわかっても、「基準をクリアする人材だけがほしい」という場合には、採用基準を変更する必要はないでしょう。

独自性がなく、誰でも当てはまる採用基準

社風にあうか、チームのメンバーとうまくやっていけるかなど、会社によって重視する点は異なります。それらを考慮せずに採用基準を設定すると、「会社と合わない」などの理由から早期離職につながってしまう恐れがあります。スキルや経験も、誰にでも当てはまる内容では、せっかく採用してもお互いにミスマッチと感じてしまうでしょう。

自社の働き方や社風があうかといった項目も採用基準に含めることで、採用ミスマッチを防ぐ独自性のある採用基準が設定できます。


まとめ

採用基準の重要性をはじめ、採用基準の作り方やミスマッチにつながる採用基準の特徴と見直す際のポイントについて解説してきました。

採用基準は、公正かつ一貫性のある判断で選考するための欠かせない指標です。スキルや経験値など定量的な内容と、志向や姿勢など定性的な内容の両面から評価できる項目を設定するのがポイント。広い視野で「自社にマッチする人材かどうか」を見極められる基準にしましょう。

大切なのは、面接官全員が同じ評価を下せる基準を設定することです。また、見えにくい社風などを言語化し、自社独自の基準を盛り込むことです。本記事を参考に自社にピッタリの採用基準を作成し、中途採用を成功させましょう。

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