「大手人材紹介会社を使ってみたけど、推薦がない」「いつまで経っても連絡がない」と、頭を抱える人事担当者は少なくありません。本記事では、人材紹介のビジネスモデルや仕組みを踏まえた上で、中小企業にNGな採用手法や推薦がない場合の対策方法について解説いたします。
人材紹介サービスとは?ビジネスモデルやシステムを徹底解説
大手人材紹介サービス各社の特長とは?費用・料金相場を比較
リクルートエージェント
doda (デューダ)
パソナ
JAC Recruitment(JACリクルートメント)
エン エージェント
大手人材紹介会社を利用しているのに推薦連絡がない3つの理由と対策
いま一度確認!中小企業が選択すべきではない採用手法
採用に苦戦する中小企業がとるべき王道の採用活動
王道の採用活動を行う余裕がない場合のバックアップ施策
まとめ
人材紹介サービスとは、求人募集中の企業と求職者とをつなぐサービスであり、人材紹介会社は募集主である企業の人材要件に応じて候補者を紹介します。まずは、このビジネスモデルからご紹介しましょう。
人材紹介は、厚生労働大臣の許可を得た職業紹介事業所が「求人主である企業」と「求職者」とをつなぐビジネスです。求人の掲載や人材要件にマッチする求職者を紹介することが主なサービス内容で、採用に至った場合は内定者の理論年収から30~35%程度を紹介手数料として人材紹介会社が獲得するというビジネスモデルです。
実はこの人材紹介のビジネスモデル、人が面談し、求人を紹介して、選考をフォローする……という究極の人力モデルであり、かなりのアナログビジネスです。
各採用コンサルタントには目標があり、決定人数や決定した売上(成功報酬)が目標となります。決定人数を出すことを考えると、候補者からの応募承諾が獲得しやすく、内定辞退が起き辛い大手や採用枠数の多い企業に注力せざるを得なくなるのが実状です。
結果として応募承諾が取りづらく、採用人数枠も少ない中小企業への推薦は後回しになってしまうことから、人材紹介会社を利用する企業の中でも効果に差が出てしまうわけです
人材紹介会社が抱えるシビアな現状をご紹介しましょう。某大手人材紹介では10万社の求人を預かっているにも関わらず、7%(7,000社)の顧客しか決定を出せていない状況です。
理由としては、中小企業は採用枠数が少なく、候補者に対して訴求できる魅力がないことが挙げられます。求職者に対して人材紹介会社の紹介担当者である採用コンサルタントが応募承諾をとることができないことから、推薦することが難しい状況に陥っています。
大手人材紹介サービスとして知られるのは5社。既に利用されている企業もあるかと思いますが、いま一度、各社の特長やサービス内容について見てみましょう。
<人材紹介会社としての特長> ・完全成功報酬型で初期費用は無料 ・専門アドバイザーが効率的な採用を支援 ・国内に19拠点をかまえ、全国での採用支援が可能 ・サポート(支援)内容:求人情報の作成から内定者のフォローまで採用の全てをサポート ★費用:要問い合わせ |
<人材紹介会社としての特長> ・初期費用無料の完全成功報酬型。万一入社後に辞退があれば、費用の一部を返金! ・若手、中堅層に強み ・全国11拠点、海外拠点あり。幅広い人材の紹介が可能 ・サポート(支援)内容:求人票の作成から内定者のフォローまで採用の全てをサポート ★費用:内定者の理論年収35% |
<人材紹介会社としての特長> ・初期費用無料の完全成功報酬型。万一入社後に辞退があれば、費用の一部を返金する ・幅広い業界・経験職種を持つ求職者が登録しているためあらゆる業種に対応可能 ・業界に特化したアドバイザーが有益な情報を提供 ・サポート(支援)内容:求人票の作成から内定者のフォローまで採用の全てをサポート ★費用:採用決定者の想定年収を基に一定の料率で算出 |
<人材紹介会社としての特長> ・部長クラス~役員クラスのハイキャリアの人材に特化 ・グローバル人材の採用ニーズにも応えられる ・求人を受け取ってから原則24時間以内に人材を紹介可能 ・企業と人材の両方を同じコンサルタントが担当する両面型で求人から入社までをサポート ★費用:要問い合わせ |
<人材紹介会社としての特長> ・日本最大級の人材データベースを所持 ・若手から管理職、エグゼクティブまで、幅広い層へのアプローチが可能 ・入社後も継続的なフォローあり ・スキルや経験だけでなく、社風にあった人材かどうかのフィッティングも実現 ・サポート(支援)内容:ヒアリング~入社1年後のサポートまでが可能 ★費用:要問い合わせ |
「大手人材紹介会社を使っているのに推薦連絡がない……」と悩む人事担当者も多いでしょう。実は大手人材紹介会社を使っても推薦連絡が来ないのには理由があります。ここでは、よくある理由3つとその対策をご紹介します。
他社と比較した時に秀でた要素がない」というのは、人材紹介会社側からも紹介しにくい要素になります。そのため、1つだけでも良いので他社と違った要素を入れましょう。
・年収、待遇(相場より高い、給与アップしやすい、福利厚生が他社より充実している) |
選考フローが長いと、求職者が応募をためらうだけでなく、人材紹介エージェントにとっては紹介しづらい案件となります。例えば「1日で選考が完結する」「選考当日に結果が出る」といった事は、人材紹介エージェントにとって魅力的な選考体制となります。
求職者や人材紹介エージェントに敬遠される選考フローになっていないかどうか、客観的アドバイスも貰いながら改善に努めましょう。
例えば……
・成果報酬料率が高い |
といった部分です。細かな部分ですが、こういった箇所の積み重ねでスムーズな選考ができるようになります。
よく陥りがちなのが「自社は人材紹介会社にお金を支払っているのだから、推薦が挙がってきて当然」という考えです。このように驕った考え方をしていると、人材紹介エージェントから敬遠されてしまう可能性も。
「人材紹介エージェントは採用の知見を持っているプロである」という起点に立ち、プロの知見を引き出すぐらいの気持ちで接しましょう。定期的なミーティング実施などを行うようにすれば、自社の事を覚えておいてもらうこともできるので、提案してみるのも一手です。
下記の様なポイントを確認してみましょう。
<チェックポイント> ・求人票に何か1つでも秀でた要素が入っているか? ・その観点は自社だけでなく第三者から見ても魅力的か? (Indeed等で競合比較してみるのも一つ) ・選考フローが人材紹介会社や求職者から嫌われるフローになっていないか? ・人材紹介会社に偉そうな態度を取っていないか? ・伴走する意識を持っているか? |
といった部分です。細かな部分ですが、こういった箇所の積み重ねでスムーズな選考ができるようになります。
このように求人の秀でているポイントや、人材紹介エージェントにとって魅力的な選考体制であることを、人材紹介会社への情報共有時はもちろん、求職者にも浸透させるよう説明会等で伝えていくことが重要です。
先述した通り、人材紹介エージェントは決定人数や決定売上などの目標を追っています。
そのため、他社の人材紹介会社と競合するポジションで、かつ決定率が低いと考えられる場合、人材紹介会社における優先順位が下がることもあり得ます。特に、募集ポジションが1人だけの場合、起こる可能性が高いと言えるでしょう。
こういったリスクを低減させるために、大手企業が人材紹介会社を絞り、その分自社に集中して推薦を挙げてもらうというテクニックを使う場合もあります。しかし、これは大前提として、大手企業のように他社と比較した際に秀でた強みを持つ場合のみに有効な手法です。
中小企業の場合は、複数の人材紹介サービスを活用し、推薦数を集める必要があると肝に銘じましょう。
まず「誰もが知っているような求人サイトに掲載しよう」と考える採用担当者の方は少なくありません。しかし、知名度の高い求人メディアになればなるほど、勝負しなければならない企業は多くなります。また、人材紹介サービスを複数使っても推薦が集まらない状態で求人媒体に掲載しても採用成功の可能性は低いため、避けるべきだと言えるでしょう。
企業が求職者へ直接アプローチするダイレクトリクルーティングに挑戦するという手もあります。これまで求人というと応募が来るのを待つのが主流でしたが、ダイレクトリクルーティングはその逆の「攻め」の手法だと言われています。
しかし、ダイレクトリクルーティングを行うには、そもそも企業の知名度や魅力がないと厳しい実情があり、中小企業には向いていない手法でもあります。よほど自社に特徴がない限り避けたほうがいいでしょう。
中小企業は「大手と比較されると魅力に欠ける」と思われる採用担当者の方もいらっしゃるのでは?
ここでは、そんな中小企業の採用担当者がとるべき採用活動をご紹介します。
自社の課題や改善点について、客観的な意見を持つ第三者の意見を聞きましょう。採用コンサルタントや、本当に信頼できる求人媒体の営業パーソンに「当社は何がだめなのか?」「どうすれば魅力的になるのか?」について相談することで、秀でた項目がある求人を作成することができます。
中小企業は確かに大手と比較した際に募集人数の枠数も少なく、成果報酬額や候補者へのPRにおいて引けを取る可能性があることは否めません。
そのため、依頼する人材紹介サービス数を絞らないようにしましょう。複数の人材紹介エージェントから意見を聞くことがで、自社の採用課題や取り組むべき要素が明確になるケースも少なくありません。また、多くのエージェントに求人募集があることを共有し、候補者紹介をお願いしておきましょう。打診する人材紹介エージェントの母数が多ければ、それだけ紹介の可能性は高まります。
ダイレクトリクルーティングで成果を上げるためには、圧倒的なスカウト配信数と返信率を見た上で件名や文面調整を繰り返す必要があります。知名度の低い中小企業の場合は、そもそもメールを開封してもらえない可能性もありますので、とにかく行動量を増やすことが必要になると言えるでしょう。
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少子高齢化や労働人口の減少により、旧来の採用手法による人材獲得が難しくなっていると
認識する方も少なくないのではないでしょうか。また、たとえ採用担当者が認識していたとしても経営陣や社長にその認識がなければ、なかなか新たな採用活動に踏み出すのは難しいものです。
そんな際は、現在の中途採用トレンドや市場の状況、採用におけるプロの知見を持っている採用代行(RPO)サービスに切り替えるのも有効な一手です。採用のプロとして採用課題の指摘や改善ポイントのアドバイスを受けることができ、採用スペックやコストパフォーマンスを向上させる可能性が高いと言えます。
早期に活用することが今後企業として生き残っていけるかどうかの分かれ道とも言えますので、いまのうちに検討視野に入れましょう。
大手人材紹介会社を使っても紹介連絡がない場合、自社に理由があることがほとんどです。
「他社に比べて秀でた点がない」「採用フローが煩雑」「人材紹介会社に対して横柄な態度」など、見直すべき点は見直していきましょう。また、人材紹介で成果が出ない場合は採用代行に切り替えるのも手です。自社に有効な手段をいち早く見極め、積極的な採用活動に取り組んでいくよう心掛けましょう。
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