一人当たりの転職活動量が増えるとともに、企業への応募数が増加しています。しかし、「ぬか喜び応募」とも言われ、辞退率も同様に増えている状況です。企業としてはなんとしてでも、価値ある応募を獲得したいところでしょう。
この記事では、アンケート調査データを活用し内定辞退の理由・原因を把握した上で、中途採用の内定辞退対策に効果的な方法を6つご紹介いたします。
内定辞退につながった6つの理由と具体的対策
【1】勤務地・給与など条件の折り合いがつかなかった
【2】社風が合わないと感じた
【3】他社から内定をもらった
【4】求人情報や面接時の条件と齟齬があった
【5】面接官の態度が悪かった
【6】家族の反対を受けた
内定辞退に効果があった3つの事例
成功事例1:オープンカンパニーの実施で人員の確保に成功
成功事例2:手厚いフォローで内定辞退に成功
成功事例3:選考から内定出しまでを3ヵ月以内とすることで、内定承諾率を上げる
転職者が入社を決めた理由と企業が押さえたいポイント
まとめ
内定辞退の理由はさまざまで、安易に応募者側の事情、応募者側の問題と片付けるのは危険です。エン・ジャパン株式会社が運営する『人事のミカタ』が、直近1年以内に中途採用を実施した企業に行ったアンケート結果をもとに、内定辞退の理由・原因と対策を確認していきましょう。
人材紹介サービス経由で交渉にリクルーターが介在している場合や、中途採用において他社からも引き合いがある人材の場合は給与交渉で。家族がいる人材であれば、転勤などの勤務地に関する条件で揉める可能性が高いと言えます。
新型コロナウイルスの影響を受けて現在は買い手市場ですが、今後も労働人口が減少し良い人材の獲得難易度は上がり続けることが予想されます。候補人材の獲得難易度が高いと感じる場合は、柔軟に給与や勤務地の交渉に応じるようにしましょう。
最近は、さまざまな立場の人が自由に書いた企業についての口コミを、誰もがインターネット上の閲覧できる時代です。当該企業への入社を検討している人であれば、その内容を真摯に受け止める可能性も高く、「口コミをもとに入社を辞退した」という声も聞かれます。
ネット上の口コミに対してその都度対応することは難しいため、求職者に自社を知ってもらう努力をしましょう。社内見学や社員交流会といったイベント、直属の上司とのカジュアル面談(選考ではない)やミートアップも良いでしょう。
コロナ禍によりオンラインで検討されたい場合は、オンラインランチやオンライン面談でも充分に役割を果たしてくれるはずです。
辞退理由の上位に入っており、よくある事柄のため、「他社への引き合いがあったのであれば仕方ない」「防ぎようがなかった」と決着しそうですが、競合他社と比較して負ける要因があったという課題提議でもあります。
給与や勤務地、勤務時間や福利厚生など、さまざまな原因が考えられます。確認できるようであれば、候補者へ「自社ではなく他社に決めた理由」を確認しましょう。またその上で、自社に足りなかった要素が何なのかを把握し、改善につなげるようにしましょう。
採用する人材の経験や能力によって給与レンジが変わったり、募集段階で勤務地が確定していないといった場合に起こる内容だと言えるでしょう。
求人内容や説明会・面接で聞いた内容に対して、面接や内定後に提示された条件・待遇が異なると、一気に応募者の信頼を失うことにつながるため注意しましょう。
求職者に不信感を持たれないよう、求人広告、採用パンフレット、説明会、面接などの内容に相違点がないか確認するようにしましょう。特に、仕事内容をはじめ、給与(インセンティブや手当も)や休日休暇、勤務地、勤務時間は求職者が重視する項目ですので注意しましょう。
候補者の能力やスキルに応じて給与レンジが変わるという場合は、注意書きを入れると良いでしょう。もし可能であれば、求人募集を未経験、経験者といった具合で分けて作成するとベストです。
内定辞退に発展してしまう理由として少なくないのが、「面接担当者の態度の悪さ」です。
圧迫面接とまではいかずとも、企業>求職者といった企業優位の立場を取る人が少なくない証拠でしょう。少子高齢化で今後も労働人口不足が課題である日本において、こういった考えで選考に臨んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ今すぐに捨てていただきたいと思います。
企業によっては、現場社員や経営層が面接にあたるという場合もあるでしょう。面接に不慣れで採用まわりの知見に乏しい方は、求職者に誤解を与えるような対応を取ってしまう可能性も考えられます。事前のインプットやトレーニングといったことも含め、求職者に選ばれる努力をしましょう。
内定を受けた候補者が「その仕事をやりたい」と考えていても、子供や扶養者、親から入社を止められるケースも少なくありません。
「給与が下がるから」「知名度の低い会社だから」「評判がよくないから」等、反対される理由はさまざまですが、第三者の反対を押し切れるほど候補者本人の入社意欲が高まっていなかったことも原因だと言えます。
自社が欲しいと考える人材は他社にとっても欲しい人材である可能性が高いと言えます。せっかく見つけた人材を逃さないよう、口説き落とす覚悟で自社への入社メリットを伝え続けましょう。
例えば、「会社としての今後の展望」や「入社後のキャリアステップ」について説明したうえで、「●●さんに期待するところ」を伝えれば、入社後の活躍イメージがクリアになり、「成長できそうな会社だな」と感じてもらうことができるでしょう。
また、「中小企業で知名度は低いが、××といった商品は〇〇に強みがあり、今後の成長率は〇〇%を見込んでいる」など、企業としての課題や具体的展望について開示するのも一つです。候補者の不安を払しょくするだけでなく、入社後の早期離職を防ぐ効果もあるので、ぜひ実践していただきたいと思います。「自ら課題を開示してくれた」と感じ、候補者の安心感にも繋がります。
内定辞退に効果があった事例を3つご紹介します。
国際自動車株式会社では、オープンキャンパスの会社版といえるオープンカンパニーを実施したところ、働くイメージが鮮明になり、内定者の不安を解消することに成功。また内定者本人だけではなく、家族も見学が可能で、中途採用でも高いニーズを得ています。
(参照:タクシー業界・国際自動車編「内定辞退対策で効果大の「オープンカンパニー」。中途採用向けでも奏功」|@人事)
候補者群形成から求人広告作成、広告運用、候補者フォローなど、まるっと採用活動の支援を行っている「キャリコネ転職 丸投げプラン」。同社のプランでは、採用コンサルタントが求職者と伴走し、面接対策から不安の解消までを行っています。そのため、入社率は脅威の80%。丸投げプランを利用する50%の企業が内定を獲得しています。
(出典:株式会社グローバルウェイ|キャリコネ転職 丸投げプラン)
株式会社エイチームでは、過去のデータから辞退が高くなってしまう選考フロー、タイミングや期間を調査し、3ヵ月以内に内定出しをすることを導き出しました。これを実践したところ、内定承諾率を50%から80%に伸ばすことに成功。またオンラインでの説明会を実施し情報量を増やしたことで、辞退率を下げることが出来ました。
(参照:株式会社エイチーム「新卒採用は「選考中に」回答期限を握り合う!内定承諾率50%→80%に改善した方法」|SELECK)
最後に「転職者が入社を決めた理由」から、中途採用を行う企業が押さえておきたいポイントを探ってみましょう。
(画像引用元:JobQ「転職先を選んだ理由に関するアンケート」より)
キャリアや転職に特化したサービスを展開するJobQのアンケート調査結果によると、転職先を選んだ理由の上位にランクインしたものは「自分が成長できる環境」や「経験・スキルが活かせる仕事」といった自己実現に関する事柄でした。
この結果から分かる通り、中途採用においては自分がこれまで培ってきた経験や能力を活かして活躍したいという人が多く、適正な評価を得られることが入社の決め手となっていることが分かります。
中途採用を行う企業側として、まずは候補者がこれまで培ってきた経験や能力をしっかりとヒアリングし、自社が求めるポジションにおいてどのように活かすことができるのかを想像してみましょう。
そのうえで候補者が「転職先で実現したい事は何なのか?」「そのための適切なポジション」「任せるタスク」はどんなものがあるのかを洗い出し、フィット感のあるポジションへの配置が検討できるとベストでしょう。
多くの採用担当者を悩ませる内定辞退。企業側に原因がある場合も多く、面接官の印象や担当者の対応の遅さなどが原因となっています。社員、会社のイメージを上げるために、面接官の指導やスピーディーかつ丁寧な対応、工夫を凝らした業務説明で実際のギャップを減らすといった対策が必要となるでしょう。
採用に不慣れな現場面接官必見! ある調査によると、面接の内容で志望動機が上がったという応募者は約8割も存在することが分かっています。 今回は採用活動において重要な位置づけである面接を成功させ、
まずは中途採用サクセスをご覧のみなさまには、無料で提供いたしますので、ぜひご利用ください。 |
関連記事:「面接ドタキャン」を防ぐ|フェーズ毎の理由や対策方法、採用手法