面談と面接の違い|代表的な実施方法、理由や目的を整理してご紹介

選考辞退

面談と面接、似ている言葉ですが皆さんは違いを知っていますか?本記事では、面談と面接の違い、面談・面接を実施する際の注意点や成功のポイントを詳しく解説します。面談・面接の目的や上手な使い分け方法を理解し、自社の採用活動に活かしてみてください。

目次

面談と面接の違い
「面談」を実施する理由や目的、手法とは?
 ■面談を選ぶ理由とは?
 ■企業と候補者の相互理解が目的
 ■代表的な面談方法
 ■面談の進め方
「面接」を実施する理由や目的、手法とは?
 ■面接を選ぶ理由とは?
 ■最大の目的はなんといっても選考
 ■代表的なのは個人面接

面談と面接の実施ポイント
 面談のキーポイントは「ミスマッチ」を減らすこと
 面接のポイントは「合否判断の材料」を集めること

まとめ

面談と面接の違い

3_no24_1

面談と面接の決定的な違いは、合否に直接関係するか否かです。

「面接」は面接官が候補者に対して必ず合否判定を行います。一方「面談」は、双方向のコミュニケーションの場という位置付けであり、合否には直接関係ありません。

いずれも、直接またはオンライン上において、企業側担当者と候補者が会話をするという点は共通しています。似ているようで異なる面談と面接、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

「面談」を実施する理由や目的、手法とは?

3_no24_1

合否に直接関係しない面談ですが、選考の一部として多くの企業が導入しています。

中途採用における一般的な面談の流れや内容を参考に、面談を実施する理由や目的、バリエーションについてご紹介いたします。

■面談を選ぶ理由とは?

中途採用に面談を導入する理由は、大きく分けて3つあります。

  1. 自社の魅力を伝え応募意欲や入社意思を高めてもらうため
  2. 親交を深め候補者の本音を知るため
  3. 候補者と企業側の認識をすり合わせるため

面接では合否判定が行われるため、候補者は本音を出しにくいのが実情です。また、面接という限られた時間内では候補者の話にほとんどの時間を割きます。そのため企業の魅力や実態を伝える機会として面談を活用し、相互理解を深めていくのです。

企業規模が中小規模、BtoBビジネスを展開、知名度の低いといった企業の場合は、自社に興味がない&転職意欲が低い層をスカウトし、まずは面談に来てもらって口説くのも一つの手です。スカウトの方法は求人サイトのデータベースを活用する、スカウト特化型サービスを利用するなど、さまざまありますので以下の記事をご参考になさってください。

■企業と候補者の相互理解が目的

面談は相互理解を目的としています。面接官と候補者が対等な立場で、お互いの理解を深めるためにコミュニケーションを取る場として、選考及び選考以外のシーンでも広く活用されています。面接よりもくだけた雰囲気で行われることが多いため、候補人材の人となりを確認することにも適しています。

一般的な面談の流れは、アイスブレイクから始まり、候補者・企業側それぞれの紹介、そして質疑応答や相談タイムです。ポイントは双方向のコミュニケーションであること。面談担当者が質問して候補者が答えるだけでは、面接と近しいものに……。あくまでも対等な立場で、面接よりもフランクな雰囲気で会話をするのが面談だと言えるでしょう。

■代表的な面談方法

中途採用において面談を行う企業も少なくありません。人数は、1対1または面談担当者2名に対して候補者1名など少人数が多いと言えます。新型コロナウィルスの影響を受け、最近は電話やZoom・Skypeといったツールを使いオンライン形式で実施する企業も増えています。

カジュアル面談

カジュアル面談は、フランクな雰囲気の中でざっくばらんに話をすることを目的としています。自社の良い点だけでなく課題感なども伝えることで、じっくり会社について理解してもらう絶好の場に。くだけた雰囲気で行われるため、候補者の素の状態を知る良い機会にもなるでしょう。

転職意欲がない優秀層に対して自社の魅力を伝え、入社意欲を高めてもらいたいといった企業や候補者の人となりを知っておきたいという企業に利用されています。面談中に、ぜひ今後の選考を受けてほしいと判断した場合には、候補者に選考オファーをすることも可能です。

■面談の進め方

1.自己紹介

「面談」と言えど、候補者も緊張して構えていることが多いため、まずは面談を担当する企業担当者から自己紹介を行いましょう。

氏名、所属部署、役職、担当業務や社歴といった事柄のほか、趣味や最近興味がある事など、自分自身のプライベートに関する要素も織り交ぜると良いでしょう。先に自己開示することで、相手の緊張を解くことができます。

2.アイスブレーキング

質疑応答に入る前に相手の警戒心を解く意味でも少しアイスブレーキングとして、以下の様な事柄について話すと良いでしょう。

・来社であれば「会社まで迷いませんでした?」「どのような経路で来られたんですか?」
 (オンラインであれば「オンライン面談はもう何度かご経験されてますか?」など)
・時事ネタ「コロナウイルスで大変な中、ご応募いただきありがとうございます」
・お休みが前後にあれば「休日はゆっくり休めましたか?」

この他にも、小話として「今日こんな出来事があったんですけど……」と自分の話をしても良いでしょう。

3.質疑応答

面接ではありませんので選考のようにならないよう留意しながら進めましょう。

例えば「質疑応答形式で進めてまいりますが選考等ではありませんので、適宜質問などあれば聞いてくださいね」と前置きしておくと候補者も質問しやすい雰囲気が作れるでしょう。

また、面談だけで終わらせないよう「現在当社では●●のポジションで募集をかけています。××さんのご経験が活かせると感じますが、ご興味はありますか?」と応募意欲についても探ってみましょう。
もし、応募に前向きな場合はどこから応募できるのか案内しておき「××さんのご応募お待ちしていますね」と明るく伝えておくと良いでしょう。

「面接」を実施する理由や目的、手法とは?

みなさんご存知の通り、選考過程の一つである面接。新卒・中途問わず、最近は双方向でのコミュニケーションが重要視されており、面談との違いはその目的であると言えます。詳細について解説いたします。

■面接を選ぶ理由

中途採用において、面接を導入する理由は1つ。合否判定を行い採用する人材を決定するためでしょう。

面接では、募集ポジションへの適性があるかどうか、さまざまな質問を通して確認していきます。経験職種の詳細を確認することに加え、面接官の質問の意図を汲み取り的確に回答できるかといったコミュニケーション力も、判断基準としている企業も多い状況です。

しかし、候補者が準備してきた答えを聞くだけでは、なかなか本質的な部分が見え辛いこともあるでしょう。素直な候補者の考えも聞けるよう、アイスブレイクからスタートして緊張をほぐしたり、回答に対して「なぜそのような行動をとったのですか?」と、候補者の話に興味・共感を示したりすることで、より効果的な面接が実現できるでしょう。

中にはトレーニングを重ねて本質が見え辛い候補者もいるでしょう。そんな場合は、前職の上司や同僚などに候補者の勤務態度や業務スキル、人柄などについて確認を取るのも有効な手段です。事前に候補者へ「リファレンスチェックを実施したい」旨の了解を得ていれば、合法的に実施できますのでぜひ検討してみてください。

関連記事リファレンスチェックとは?違法性なく実施して採用ミスマッチを防ぐ

■最大の目的はなんといっても選考

面接の目的は、ズバリ選考することです。候補者が自社の採用基準を満たしているかを見極め、合否判定を行います。

面接の流れは、面接官が質問して候補者が回答するスタイルが一般的です。新卒・中途問わず、一方的に話を進める圧迫面接を行う企業もあるようですが、企業イメージを悪化させることにも繋がりかねないためオススメしません。面談と同様とまではいかずとも、あくまで双方向でコミュニケーションを取りながら、会話することを心がけましょう。

最近は、その候補者が採用に至らない場合でも、将来のお客様となり得る可能性を鑑みて対応することがベストだとも言われています。ぜひ心に留めておいていただければ幸いです。

■代表的なのは個人面接

中途採用で一般的な面接は、複数の面接官に対して候補者1名で行う個人面接です。ポテンシャルを見極める特性が強い新卒採用においては、複数名の候補者を一括で選考する集団面接を取り入れる企業が多く、効率性や相対評価に比重を置く企業が少なくないと言えます。

代表的な面接例をご紹介しましょう。

1)個人面接

こと中途採用において一番ベーシックな方法は個人面接でしょう。既にビジネス経験を積んでいる転職市場においては、募集ポジションに対するマッチ度を確認する特性上、経験職種の詳細や仕事に対する想い、志向性といったものを個別で丁寧にヒアリングしていきます。

2)グループディスカッション

あらかじめ3名以上のチームを作っておき、企業側から提示したお題について話し合わせ、リーダーシップ能力や思考力、各個人の動き方などを見るものです。

一般的には新卒採用において用いられる方法ですが、中途採用においても大量の応募が見込まれるような場合には、スクリーニング観点でグループディスカッションを導入する企業もいるようです。

3)プレゼンテーション面接

あまり聞くことがないプレゼンテーション面接ですが、話し方やスピード感、しぐさ、表現力といったプレゼンテーション能力を問うために実施されています。候補者の地頭をチェックしやすいこともあり、民間企業だけでなく公務員試験でも導入されています。

実施方法としては、事前に候補者へ「これまでの職務経歴で培ったもの」「当社で挑戦したいこと」といったテーマを伝えておき、プレゼンテーションの場を設けるといったやり方になります。

面談と面接の実施ポイント

実際に面談や面接を行う際の注意点や、成功させるためのポイントをご紹介しましょう。

面談のキーポイントは「ミスマッチ」を減らすこと

面談を実施する際のポイントは、なんといっても「相互理解の場」という意識を持ち、信頼関係を築くことです。実施するタイミングによって面談の目的は異なりますが、共通しているのはミスマッチを減らすことです。雰囲気や質問内容が面接と同じでは、候補者から不信感を抱かれてしまう可能性も。一方的に質問を投げかけるのではなく、できるだけリラックスできる環境をつくり、双方向のコミュニケーションを心がけましょう。また、在職中の候補者も多いことを念頭に置き、開催時間や面談方法についても柔軟に対応するようにしましょう。

なお、社員や知人経由(リファラル採用)による候補者の面談時には、ある程度事前に人となりが分かっている状態だと思いますので、候補人材と似たような属性の面談担当者を設定することによって、より好意的に会社を見てもらう効果を狙うことができるので、お試しください。

面接のポイントは「合否判断の材料」を集めること

面接のポイントは、限られた時間内に適切な質問を投げかけ、候補者の合否を判断するための材料を集めることです。

ここで見極めが難しいのは、候補者の職務遂行能力やスキルではなく、働きがいや志向性、成長意欲といったポテンシャルの部分でしょう。特に、社風とのマッチ度は面接担当者の主観にも左右される部分になりますので、決められた質問や評価基準によって評価のブレを無くす構造化面接を取り入れるのも有効な方法の一つです。

また面接官の対応一つが候補者の印象を左右することをお忘れなく。最近はSNSなどで簡単に情報が拡散できてしまいますので、採用可否に関わらず丁寧な対応を心がけましょう。

まとめ

中途採用では書類と面接で選考し、応募前・選考中・内定後のタイミングで面談をはさむケースが多いと言えます。面談は、企業側としては面接で見えにくい応募者の本音を知る機会となり、候補者としては面接で聞けなかった企業の魅力や知りたかった情報を入手する機会になります。

面談と面接を上手に使い分けて、潜在層の応募機会喪失や選考中の辞退、内定後の早期離職といったミスマッチを減らし採用成功につなげましょう。

またこの記事を読んだけれども、「自社での実施は難しい」という採用担当者の方もいらっしゃるでしょう。そんな場合は、採用代行(RPO)サービスを検討するのも一つの手です。業務レベルや一連の採用活動を丸っと委託できるサービスも最近は登場していますので、検討要素の一つにされると良いでしょう。

関連記事ダイレクトリクルーティング15社を徹底比較|価格や特徴、選び方

 

い人材を採用するために
面接官がチェックしておくべき7つのポイント

CTA_採用決定率を高めるために押さえたい7ポイント「良い人材だと期待したのに選考辞退」
「現場面接官の対応が悪い」

このような課題に頭を抱える採用担当者の方は少なくないのではないでしょうか?
新型コロナウイルスの影響を受けて売り手市場傾向に移行しつつある日本ですが、今後も労働人口が減少することは確定しており、良い人材の奪い合いは目に見えています。

本資料では、そんな良い人材を早期かつ確実に
獲得するために押さえておきたいポイント集です

<本資料の内容>

  • 候補者をどのような視点で見るべきか
  • 面接官の大切な役割とはなにか
  • 事前チェックシート

資料ダウンロードはこちら


関連記事:オンライン面接って実際どうなの?導入のメリットとは

関連記事:面接で聞いてはいけないこと|禁止事項やリスク、やりがちな質問例

関連記事:アンコンシャス・バイアスとは?実例や及ぼす影響、対策方法を紹介