アンコンシャス・バイアスとは?実例や及ぼす影響、対策方法を紹介

母集団形成

最近耳にすることが増えてきた「アンコンシャス・バイアス」という言葉。言葉の意味もさることながら、その影響範囲についてまでご存知の方はあまり多くないのではないでしょうか。

ここでは、現場で起こりがちなパターンや具体事例、及ぼす悪影響や対策方法、対策メリットまでをご紹介しています。企業の成長にも影響を与えかねないものですので、ぜひ自社における採用活動や組織構築において、ご参考頂ければ幸いです。

目次

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「アンコンシャス・バイアス」とは?

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英語が得意な方はもうお分かりかもしれませんが、アンコンシャス・バイアス(unconcious bias)とは、直訳で「無意識的 偏り」。すなわち、無意志の思い込みや偏見といった意味を指します。

米Google社やFacebook社が従業員から採用における人種や性別の偏りを指摘された事から、昨今注目が高まっています。多様性が重視されるようになった近代社会において、日本でも各社が積極的に取り組むべき課題と言えるかと思います。

採用現場で起こりがち?各種パターンと具体事例を紹介

アンコンシャス・バイアスは、これまでの経験や習慣、育った環境・文化といったさまざまな要素をもとに形成されます。本人の考えや意思に関わらず偏った見方をする可能性があるため、特に採用シーンでは邪魔な要素であると言えます。

それでは、具体的にどんな事が想定されるのでしょうか?採用シーンにおけるパターンや事例を見てみましょう。

第一印象に左右される「確証バイアス」

「確証バイアス」とは、自分の意見や価値観の正しさを証明する情報だけを無意識的に集めてしまい、反証となる情報は無視または排除しようとする傾向を指します。みなさんも、一度自分の中で、「こうに違いない!」と思うとそれを補強するような情報ばかり探したり、目に入ったりしてしまうことがないでしょうか?

この「確証バイアス」の傾向が強まると、物事を客観的・多面的に捉えられなくなり、自分の見たいようにしか世界が見られなくなってしまいます。

例えば面接の場で、身なりや姿勢など第一印象で優秀そうだと感じると、無意識にそれを補強する材料ばかりを集め、反対の印象を持たせることには触れないことがあります。いざ採用してみたら、面接時の印象ほど実務レベルが高くなかった、というケースは確証バイアスのせいかもしれません。

一部の特徴にひっぱられてしまう「ハロー効果」

「ハロー効果」とは、ある対象を評価するときに、目立つ特徴に引きずられて、他の特徴に対して歪んだ見方をしてしまう傾向のことです。目立つ特徴が高評価の場合は「ポジティブハロー効果」、逆に低評価の場合は「ネガティブハロー効果」と呼びます。

例えば、候補者の出身大学によって、「高学歴だから仕事もできるだろう」「聞いたことのない大学だから、あまり期待できないかもしれない」と、色眼鏡をかけてしまうことがあります。本来の対象である求職者本人ではなく、他の要素に評価が引きずられるのは採用シーンでは避けたい事態です。

自分と似た人を高く評価してしまう「類似性バイアス」

「類似性バイアス」とは、自分と似ている人を高く評価する傾向のことです。求職者が自分と同じ学校・企業・出身地など、面接官と共通点があった場合、好感を覚えて良い評価をつけることを指します。しかし、共通点があるからといって、その候補者が自社に合うか、成果を上げられるかは分かりません。共感と評価は別物であると認識しておきましょう。

敵対的性差別:性別への敵対心を持つ

対象となる性別に嫌悪感や敵対心を持ち、そこから生じる差別を指します。

職場を例にして挙げると、例えば女性に対しては、「女性が男性と肩を並べて働くのはおかしい」、「女性なのに謙虚さがなくて、ガツガツしているのは嫌だ」など。

一方、男性が対象の場合は、「男性で育休をとるのはおかしい。制度があっても使わないものだ」、「男性なら組織の中で上を目指すのは当たり前。出世したくないなんて男らしくない」といった性差別的な感情を抱くことが挙げられます。

慈善的性差別:思いやりの背景に偏見がある

こちらは、少数派に対する好意的ではあるものの勝手な思い込みを持っているケースです。

このケースは、自分自身は相手を思いやっているつもりなのに、性別に対する偏見を知らないうちに持っている場合に起こります。具体例を挙げると、「ワーママは育児で大変だろうから、難しい仕事やマネジメントはやりたくないだろう。早く帰してあげよう!」といった考え方や、結婚したばかりの男性に、「家庭をもったのだからバリバリ働きたいだろう。チャンスをあげよう」といったようなことです。

いずれも本人の希望や意思に反して……という点が要で、一方的な考えで判断を下されてしまうというところがポイントになるかと思います。

企業成長にも波及?アンコンシャス・バイアスが及ぼす影響

アンコンシャス・バイアスにはさまざまな種類があり、色々なシーンで影響を与えることはご理解いただけたかと思います。それでは、具体的にどういった影響を与えるのでしょうか?企業活動に特化してご紹介してまいります。

採用

面接における不当評価

雇用のミスマッチ

組織構築

差別的な人材配置

昇進の遅れ(前倒し)

職場環境

人材の同一化

個人間での人間関係悪化

モチベーション低下

ハラスメントの発生

会社

企業イメージの低下

成長スピードの低下

アンコンシャス・バイアスは、採用、人材配置、昇進、評価、育成にいたるまで多岐にわたって影響を及ぼします。特に、上層部におけるアンコンシャス・バイアスは、重要な意思決定にも関わるため、下手すると企業成長にも悪影響を及ぼす可能性を秘めているのです。ぜひ放置することなく、企業として積極的に改善に努めたいところです。

無意識に打ち勝つ!ステップ毎の対策方法

それでは具体的にどんな対策方法があるのでしょうか?ステップごとにご紹介していきます。

STEP1)無意識から自覚へ

まず行わなければならないのは、自分自身の無意識に存在する偏見を認識するということ。「無意識を変えるなんて難しいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、人の脳は成功体験によるポジティブな経験により、既存のネガティブな印象を塗り替えることが可能なようにできています。

この脳の特性を活かし、あえて多様性豊かなメンバーを部署やチーム、プロジェクトにアサインすることで、良いイメージを構築しアンコンシャス・バイアスを乗り越えるという経験を積んでいきます。

体験塗り替え排除

STEP2)トレーニングを行う

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大手IT企業のGoogleでは、経営陣からの後押しもあり「Unconscious Bias @ Work」という研修を自社で行っています。人事部が主導で実施されており、全社員が参加できるそうです。実際、このワークショップによってGoogle社内ではアンコンシャス・バイアスについての会話が活発になり、具体的な取り組みについて情報交換されるようになったという結果も出ています。

Googleがこの研修に関する資料をオープンにしていますので、ぜひ自社でのトレーニングにお役立ていただければと思います。

参照ページ:無意識の偏見に意識を向ける|Google re:Work - ガイド

参考資料Unconscious Bias @ Work プレゼンテーション スライド|Google

参考資料Unconscious Bias @ Work ファシリテーター ガイド|Google

STEP3)正しい評価基準を整える

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最後に重要な要素となるのが、一貫性のある要件、基準による採用や運営体制を構築することです。例えば採用シーンであれば、履歴書から性別、学歴、写真といった職務に関係ない箇所を隠した状態で判定を行う「ブラインド採用」を行う。面接は質問項目を統一し、評価する基準はどこなのか?を取り決めた「構造化面接」を行う……といった事が挙げられます。

Googleでは以下の様な項目を予め取り決めているそうです。

  1. 職務に関連性のある、吟味された質の高い質問をする
  2. 評価担当者が回答を審査できるように、応募者の回答に対する総合的なフィードバックを文書にする
  3. 優れた回答、凡庸な回答、劣った回答がどのようなものかについて、全ての評価担当者が共通の認識を持てるように、標準化されたプロセスで採点する
  4. 面接担当者が自信を持って一貫性のある評価を行えるように、面接担当者へのトレーニングを提供し、調整を図る
出典:構造化面接を実施する|Google re:Work -Google で行われている面接の評価基準例

ぜひ、自社の採用においてもご参考ください。

自社での実施が難しい場合は……

「さまざまなやり方がある事は理解したが、自社で実施するのは難しそう」だという場合であれば、外部へ依頼するのも一つです。3時間ほどの比較的短い時間で実施している講習もあるので、自社のニーズに合わせて検討されると良いでしょう。自社で研修体制を整える時間や工数をかけずに実施できるので、手軽さが魅力です。

但し、アンコンシャス・バイアスは長期にわたり取り組むべき課題でもあります。長い目で見た時にどちらが最適かどうかはしっかり検討項目に入れるべきでしょう。

対策によるメリット

労働人口の減少や転職者の売り手市場が続いている昨今、人材獲得に苦労される企業は少なくないと思います。こういった状況下だからこそ、企業成長に影響を与えかねないアンコンシャス・バイアス対策を行い、多様性ある人材採用や正当な評価ができる組織構築をめざしていただきたいところです。

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それでは、アンコンシャス・バイアスを対策することによって、具体的にどんなメリットが得られるのでしょうか?ご説明しましょう。

1)ハラスメントの防止

偏見による悪影響の代表とも言えるものがハラスメントかと思います。男性の育児を侵害するような発言や行動を取る「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」や、子育てと仕事を両立する中で昇進や昇給などの機会がなくなっていく「マミートラック」などは、旧態依然とした状態であり、断固として防ぎたいものです。

特に日本ではまだまだ女性が育児をするのが当たり前……といった旧い考え方が残っています。こういった無意識の当たり前を覆し、ダイバーシティを実現させることにつながるのです。

2)正当な評価体制の構築

前段でもご紹介しましたが、予め評価に関するマニュアルを決めることにより、一定水準の採用や評価を行うことが可能となります。正しい評価を行うことは、人材配置を正しく行い、正しい決断が下せる組織を作ることにもつながります。

3)社員の成長(キャリア形成)

アンコンシャス・バイアスによる影響は組織だけでなく、個人にも及びます。例えば、管理職などの上層部の方は注意が必要です。特に、権力者が何気なく発言する言葉や行動は立場の弱い社員のモチベーションを下げ、大きく影響を当たえる可能性があります。こういったことを意識させることにより、社員がイキイキと働く環境づくりにつながるのです。

4)企業成長

1)~3)に述べた内容は、総じて多様性の実現や働きやすい職場環境の構築といったことにつながっています。つまり、各々の項目を実現することにより、働く社員のモチベーションを高め、イノベーションを生みやすくする環境を作るのです。そして、最終的に企業として成長を遂げることにつながっていくのです。

まとめ

「誰もが持っている」アンコンシャス・バイアスは、1回の取り組みだけで終了できる問題ではありません。無意識を自覚し、行動に移すためには継続的な研修が必要だと言えます。ぜひ、社員ならず会社の成長という観点で捉え、取り組んでいただければ幸いです。

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