ポテンシャル採用とは?メリットや確認すべき要素、質問方法を解説

母集団形成

中途採用は即戦力を求める傾向にありますが、近年、第二新卒や若手採用を中心に「ポテンシャル採用」を取り入れる企業が増えています。こと若手人材の確保に苦心する企業においては、導入を検討する企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、ポテンシャル採用において見極めるべき4つの資質をはじめ、導入メリットやデメリット、成功させるためのポイントについて解説しています。ヤフーなどの大手企業での導入事例や導入背景もご紹介していますので、ご参考になさってください。

目次

ポテンシャル採用とは?
ポテンシャル採用のメリット
ポテンシャル採用で確認すべき4つのポイントと質問方法

まとめ

ポテンシャル採用とは?

先天的能力と後天的能力

ポテンシャル採用は何歳まで?

ポテンシャル採用に年齢制限はありませんが、前述した社員構成比率や長期で働いてもらえる人材であることから、一般的には20代の若手を対象とした採用方法と言えるでしょう。
30代以上の場合はキャリア採用として扱われるケースが少なくないですが、意欲次第では業界・職種未経験でもポテンシャル採用として取り扱う企業も存在します。

ポテンシャル採用は活躍や成長を期待する手法のため、敬遠される企業もあるでしょう。このような可能性を測る方法の一つとして有効なのが「リファレンスチェック」です。前職での働きぶりや人柄、問題の有無などを確認できるので、事前に行うのも一つです。リファレンスチェックにおける具体的な質問内容や実施手順については、以下記事をご参照下さい。


ポテンシャル採用のメリット

ポテンシャル採用のメリットは、大きくわけて3つあります。

1.採用の可能性を高めることができる

「裾野が広ければ山が高い」と言いますが、採用においてもこの理論は同様です。選考する候補者を多くすれば、良い人材に出会える可能性は上がります。ポテンシャル採用では理念への共感、熱意、成長性といった要素に重点を置くため、対象者の範囲を広げることで、採用の可能性を向上させることに繋がるでしょう。

2.イノベーションが期待できる

応募の間口を広げるポテンシャル採用においては、他業界・多職種の中から人材を募ることによって異分野の考え方を取り入れ、新たな知識やスキルを得ることが可能です。新たなアイデアが生まれる可能性を高め、ビジネスにおけるイノベーションが期待できると言えるでしょう。

3.ダイバーシティを実現できる

必要要件に縛られ過ぎてしまうと、人材が同質化し、組織が硬直化する可能性が高まります。

ポテンシャル採用はこのような観点において、新たな企業・組織風土を作るきっかけとなり得ます。さまざまなアイデンティティを受け入れることで、多様性ある企業作りの一手として有効だと言えるでしょう。

ポテンシャル採用で確認すべき4つのポイントと質問方法

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ポテンシャル採用は、スキルや経験を問わない分、評価基準があいまいになりやすく、定量評価が難しいと言われています。では、一体どこを見て判断すればいいのでしょうか。チェックポイントは大きくわけて4つです。

1)ヒューマンスキル

まず見極めたいのは、ヒューマンスキルの高さです。

ヒューマンスキルとは、コミュニケーション能力や論理的思考力など、良好な人間関係を築くのに必要とされる一連のスキルの総称です。的確に自己理解を行い、自分の考えを適切に言語化して伝えるためにはこのヒューマンスキルが必要であり、仕事を円滑に進めるために必須のスキルと言っても過言ではありません。

また、ビジネス上の人間関係を良好に保つためにはビジネスマナーも必須ですので、ビジネスマナーがきちんと備わっているかどうかも併せて確認したいところです。

<ヒューマンスキルを確認する質問方法>
・あなたの長所と短所を教えてください。また短所について何か改善しようと努力されている事や対策されている事があれば教えてください
・この仕事において最も大切な事は何だと思われますか?理由と合わせて教えてください
・これまでのお仕事において、人間関係で困った事があれば教えてください。また具体的な解決方法も合わせて教えてください

2)成長意欲

ポテンシャル採用では、知識や経験を問わない分、高い成長意欲を持っているかどうかも重要な評価ポイントとなります。企業への理解を深めるための努力をしているか、仕事内容のどんなところに興味を持っているか、自主的に自己学習を行っているかなどを聞き、企業や職務への関心の高さを確認するようにしましょう。

特に、IT系職種など専門的なスキルが求められる職種へのキャリアチェンジを望んでいる人材の場合などは、独学でどの程度の技術を身に付けているかを確認することが、成長意欲を測る一つの目安になるでしょう。

<成長意欲を確認する質問方法>
・当社に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
・あなたが成長を実感する瞬間どんな時ですか?
・仕事で分からない事が出てきた時、あなたはどうしますか?
・仕事以外で何か常に取り組んでいることはありますか?

3)社風とのマッチ度

ポテンシャル採用は育成前提の採用手法です。育成にかける時間や工数を考えると、通常の採用よりも会社に長く定着して活躍してもらうことが望まれます。「苦労して育てた人材がすぐ辞めてしまわないか……」こういった懸念を払しょくするためにも、面接等で事前に本人の志向性を確認しておきましょう。

確認ポイントとしては、「仕事の進め方」や「志向性」が社風とマッチしているか、一緒に仕事をすることになる「既存社員との相性」が良さそうか、といったポイントを押さえておくと良いでしょう。面接において長期的なキャリアビジョンについて詳しく聞くことで、本人の志向はある程度見えてきます。「自社はその志向に合った機会を提供できるか?」という観点からマッチ度を考えると、相互に長期目線で活躍可能かどうかが見えてくるでしょう。

<社風とのマッチ度を確認する質問>
・会社という組織において働く上で大切なことは何だと思われますか?
・どのような環境下であれば働きやすいと感じますか?
・業務を進めるうえで重視している事や意識されている事は何ですか?


4)前職の退職理由と自社を志望する理由の正当性

ポテンシャル採用では、転職のきっかけについて詳しく聞くことも重要です。まずは前職を辞めた理由について説明してもらい、その妥当性を確認しましょう。そのうえで、自社へ入社したい理由を聞き、納得できる内容なのかを見極めましょう。

前職を辞めた理由からは、どんなことに対して不満を感じていたのか。自社への応募理由からは、これからどんな仕事がしたいのか、どんなスキルを身に付けたいのか、という志向性や人となりが見えてきます。それらを踏まえて、自社で活躍してもらえる人材かどうかを判断するとよいでしょう。

<正当性を確認する質問方法>
・今回、転職を決意されたきっかけがあればお教えいただけますか?
・前職を退職されて、当社を希望される理由をお教えいただけますか?
・前職で提供できず、わが社であればあなたに提供できる価値は何でしょうか

また、上記の他にも、「辞め癖はないか」、「セルフマネジメントができそうか」といった項目も確認しておくとよいでしょう。特にセルフマネジメントは、自己分析ができているか、また真面目さや粘り強さを持ち合わせているかといったことと関連します。自分のキャリアビジョンをしっかりと分析できていることや、物事を投げ出さずに粘り強く取り組む姿勢は、新しい仕事に挑戦する中で特に重要な資質ですので、ポテンシャル採用ではぜひ注目したい要素です。

今回の記事でご紹介したような内容をふまえ、「自社だけで採用成功することは難しい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。採用業務はただでさえ膨大な業務量であり、採用とその他の業務を兼務する人は少なくありません。もし採用活動に十分なパワーを注げずにお困りのようであれば、採用代行を検討するのも一つです。

採用活動における十分な知見を持ったプロが、自社に適した採用手法の選定や募集活動、応募者フォローといった内容までフォローしてくれます。詳しいサポート内容や利用するメリット・デメリットについては以下の記事をご参照ください。

まとめ

ポテンシャル採用において特に難しいのは、採用基準が曖昧になりがちなことです。
本記事でご紹介した4つのチェック項目を押さえ、ポテンシャル採用成功のための5つのポイントに留意しながら進めることで、自社に適した人材の獲得に繋げていただけたら幸いです。

最終面接で見極めるべき!7つの要素と質問方法

中途採用において企業が求めるのは、
人気資料即戦力として現場ですぐ活躍してくれる人材です。しかし、実際は企業ごとのやり方やカルチャーが存在し、採用人材の活躍を阻むことも。

本資料では最終面接までに確認しておきたい
そんな7つの要素をご紹介。
1.カルチャーフィット
2.企業理念や事業内容への理解・共感
3.志望意欲の高さ
4.事業への貢献度
5.成長意欲
6.将来性
7.定着率、ストレス耐性

選考時に実践していただけたら幸いです。

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