準備不足だと「チョロい人事」になっちゃう!? 求人メディアの営業と対等な関係を築く方法
コストダウン採用を考えている企業が、どの求人メディアを選ぶかは極めて重要です。しかし、求人メディアの営業担当の話を聞くと、どれも良さそうに思えてくるもの。効果が保証されているわけではなく、予算も限られるため、悩んでしまう人事担当者も多いでしょう。そこで、判断ミスを防ぐために人事が事前に準備しておくべき情報や、求人メディアの営業に聞くべき内容をリストにしました。
人事が事前に準備しておくべき情報リスト
自社のこれまでの採用状況を伝えなければ、求人メディアの営業担当も、画一的なセールストークしか展開できないでしょう。自社がその求人メディアを利用した場合の効果をより確実に予測するためにも、次のような過去の採用に関する情報を、事前にまとめておくことをおすすめします。
- 採用までの期間と費用(1人あたりの採用単価)
- 応募数と有効応募数
- 男女比・年齢層
- 学歴・職歴
- 来社率(面接の無断欠席が多かった場合)
これらの情報をもとに話を進められれば、自社の課題に対してそのメディアではどのような対応が可能なのかなど、より具体的な話を聞き出せる可能性が高まります。自社に近い規模・職種での成功事例なども紹介してもらえるかもしれません。それにより、求人メディアが提案してくるサービスの良し悪しを、実態に即した内容で比較検討することが可能になるでしょう。
また、人事担当者がしっかり比較検討する姿勢であれば、求人メディアの営業担当も真剣に対応する可能性が高いでしょう。場合によっては、割引やプラスαのサービスなどを提案してくれる可能性もあります。
営業担当者に聞くべき内容リスト
次に、営業担当者に確認すべき内容を紹介します。
■会員数規模の小さいメディアや立ち上げたばかりのメディアの場合、会員数の実数を言わずに割合のみをアピールするケースがあります。例えば「若手」「IT人材」「高学歴」の割合が高い円グラフなどを見るだけで判断するのはNGです。必ず実数を確認しましょう。
また、会員数だけでなく、直近3か月以内に何らかの動きを見せた「アクティブユーザー」の割合も重要です。登録のみの「休眠会員」が多くても、効果につながらないでしょう。アクティブユーザーの割合が会員数の1割程度という求人メディアもあります。「不明」「答えられない」といった回答が返ってきた場合は、「(アクティブ率は)1割くらいですか?」などとダメ押ししてみるのも手でしょう。
■同企画サイズ、同職種、同期間での平均効果特に大手の求人メディアは、知名度の高い大手企業も利用します。全体の平均応募数等には、そういった企業の数字も含まれているため、あまり参考にはなりません。企画サイズや掲載期間、募集職種などの条件を自社に揃えた場合の平均効果を提供してもらいたいところです。
■スカウトサービスの返信率近年は、スカウトメールを送信できるサービスがついている求人メディアがほとんどでしょう。しかし、仮にスカウトメール送信の上限が500通でも、返信率が0.5%だと2.5件。有効応募率が7割なら、有効応募数は0~1件です。一方で、300通が上限でも返信率が1%あれば3件となり、有効応募数は2件強です。配信数だけでなく返信率も忘れず確認しましょう。
■修正の追加料金の有無思うように効果が出ず、原稿を修正したほうがいいと思う場合もあるでしょう。修正が有料のメディアもありますので、事前にどの程度修正できるのか、修正する場合追加料金が発生するのかなどを確認することをおすすめします。
■設定できる職種中途採用の場合、求人メディアの求人原稿で募集職種を設定する必要があります。しかし、メディアによっては、いざ募集職種を設定しようとしても適切な選択肢がない場合があるので、注意が必要です。求職者側は希望する職種を選択して検索をかけるので、ミスマッチを防ぐためには、設定できる職種の確認は必須です。
■管理画面の使いやすさ管理画面の使い勝手は、多忙な人事が限られた時間で採用活動をスムーズに進められるかどうかに大きく影響します。デモ画面を用意しているメディアもあるので、自社の採用進捗の管理手法と合っているか、挙動が遅くないかなど、実際に試してみるのが確実です。それができない場合は、他社の人事担当者などから、可能な限り情報を収集するといいでしょう。
なお、ATS(採用管理システム)を導入している場合は、連携やインポートが可能なデータ・フォーマットであるか、出力したデータの使いやすさはどうかなどもチェックしておきたいところ。営業担当者に確認しましょう。
まとめ
あらかじめ情報を整理し、必要な情報をもれなく集めることで、自社に最適な求人メディアを選択しやすくなります。また、入念に準備したり、しっかり質問をしたりすることで、適当な扱いを受けづらくなるでしょう。限られたコストで効率良く成果を出すためにも、しっかり比較検討することが大切です。
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