採用ブランディングとは?中小企業がやるべき理由と3つの成功事例
選考辞退「採用にもブランディングが必要」「中小企業こそやるべき」とは、なんとなく理解していても、具体的にどう進めたらいいのかわからないと悩んでいる採用担当者も多いのではないでしょうか。そこで今回は、採用ブランディングを行うメリットから、方法、また参考となりそうな企業の成功事例をご紹介します。
目次
採用ブランディングとは
採用ブランディングとは
中小企業にこそ必要な理由
採用ブランディングによる7つのメリット
ダイレクトなメリット
副次的メリット
採用ブランディング成功事例3選
事例①オウンドメディアを活用し、マッチした人材を採用_株式会社ディー・エヌ・エー
事例②奇抜な採用活動で企業ブランディングにも効果_面白法人カヤック
事例③応募者を絞り込み、採用人事の労力削減に_株式会社GYAO
採用ブランディング3ステップ
ステップ1 ターゲットを具体化する
ステップ2 自社の強み・弱みを整理する
ステップ3 メディアで発信する
採用ブランディングを外部に依頼する手も
まとめ
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採用ブランディングとは
そもそも、採用ブランディングとは何でしょうか?「ブランディング」というと大企業が行っているイメージですが、中小企業にも必要なのでしょうか?
採用ブランディングとは
まず、「ブランディング」とはどういったことなのでしょうか。wikipediaによると
ブランディングとは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。
と書かれています。
一言で表すと、「ブランドに対する価値を高めるために、顧客の共感と信頼を得ること」と言えますね。つまり採用におけるブランディングは、「求職者からの共感や信頼を獲得するマーケティング戦略」と言えます。
中小企業にこそ必要な理由
「うちは中小だからブランディングなんてしても…」というような声も聞かれそうですが、むしろ中小企業こそ、利点を活かしやすい施策と言えます。というのも、大企業と比較して良くも悪くも特定のイメージ(先入観)がない企業が多いためです。
すでにある偏見を覆しに行く必要もありませんし、多くの人を採用したい大企業のように網羅性のあるブランディングにする必要もなく、尖った企画もできます。面白い企画はSNSで拡散され、認知が上がれは優位性を確保することもできます。
採用ブランディングによる7つのメリット
採用ブランディングをすると、どんなメリットがあるのでしょうか。応募者が増える、決定率が高まるといったこと意外にも多くのメリットがあります。
ダイレクトなメリット
①応募数が増える
採用ブランディングによるプロモーションによって、より多くの求職者の興味関心、また共感を高めることができれば、母数となる応募者を増やすことができます。
②確度の高い人が応募してくれる
逆に、センセプトの尖った採用ブランディングを行うことで、母数を絞り込み、確度の高い応募者のみを集めることもできます。効率的な採用活動をしたい、と望む企業にも有効的です。
副次的メリット
①社員が自信を持って自社のことを語れるようになる
求職者も企業を選ぶ時代。入社してほしい人材からの内定辞退を防ぐためにも、採用担当者や社員が生き生きと自信を持って自社のことを語れるか、という姿勢はとても重要になります。
②広告費が削減できる
「ブランディング」というと費用がかかるイメージを持たれている方も多いかもしれません。しかし、最終的には採用コストを抑えるメリットもあります。採用ブランディングが成功し、口コミなどで自然と認知が高まれば、求人媒体や人材紹介会社などに頼り切らなくとも自社でダイレクトにリクルーティングすることができます。
③その年から効果を実感できる
「企業ブランディング」というと、長期的な戦略で、効果を感じられるまでに時間がかかる、数字で効果をはかりにくいと思われている方もいると思います。しかし、採用ブランディングにおいては、応募者や決定率など、その年にすぐに効果を実感することができます。PDCAサイクルも回しやすく、翌年に向けた戦略にも役立てることができます。
④早期離職を防ぐ、エンゲージメントが高まる
採用ブランディングは企業ブランディングの一部とも言えます。企業のビジョンに共感を持った人が入社してくれれば、企業文化や風土にも馴染みやすく、早期離職を防止にも役立ちます。
⑤企業ブランディングにもつながる
採用プロモーションが成功し、SNSなどを通じて広く認知されれば、求職者のみならず多くの人に企業のことを知ってもらうことができます。その中には、顧客となる人も含まれ、より多くのファンを作ることにもつながるでしょう。
採用ブランディング成功事例3選
個性的な採用ブランディングにおいて、採用課題の解決に成功した企業の事例を紹介します。
事例① オウンドメディアを活用し、マッチした人材を採用|株式会社ディー・エヌ・エー
DeNAでは、2017年から「フルスイング」という人事プロジェクトをスタートさせ、社員が生き生きと働けるように数多くの人事制度を整備してきました。「DeNAはゲームだけの会社」というイメージを払しょくする狙いもありました。同名のオウンドメディアを立ち上げて積極的に情報を発信しています。
まずは、人事制度を整備して社員がイキイキ働ける環境をつくる。そして、オウンドメディアを通じて、輝く社員の姿や旬のネタ、DeNAならではのノウハウ等を発信する。結果、魅力や仕事内容、働く環境等が社外に伝わり、優秀でDeNAにマッチした人材が採用できる、という流れで、好循環を生み出しているのです。
また、DeNAではこうしたオウンドメディアでの発信やイベントの登壇、採用における要望出しなどに現場の社員が深く関わっています。各領域のプロフェッショナルが発信することでブランド力を底上げできるうえ、社員たち自身が自社の魅力を再確認できるというメリットも。
事業部内での「採用番長」もいて、メイン業務とあわせて本格的に採用活動を推進。現場の社員だからこそできる「リファラル採用」(社員の紹介による採用)も活発に行われています。
参考URL:フルスイング|株式会社ディー・エヌ・エー |
事例② 奇抜な採用活動で企業ブランディングにも効果_面白法人カヤック
面白法人カヤックは、常に非常にユニークな採用活動を行っていることで有名です。例えば2017年からは「いちゲー」採用を行っています。
※以下HPより
「ゲームなんて時間の無駄だ」そんな風に言われることがあります。でも、突破口を見つける発想力、困難を乗り越える問題解決力などなど、ビジネスに役立つスキルが自然と磨かれていると思います。
部活やサークル、アルバイトで得られた経験を評価するのと同様に、ゲームに捧げた情熱や時間も、就職活動で高く評価したい。そこで、ゲーム開発会社でもあるカヤックは、その経験と情熱を評価する「いちゲー採用」を実施することにしました。
2019年6月時点で9名の採用があったということです。
他にも「エゴサーチ採用」「夫婦採用」「佐藤採用」「エイプリル採用」など他社にはない奇抜な採用を取り入れており、求職者意外にもまさに社名の通り「面白いことをしている会社」というPRにつながっています。HPに紹介されていますので、ぜひアイディアやプロモーションの参考してみてください。
参考URL:面白採用キャンペーン|面白法人カヤック |
事例③ 応募者を絞り込み、採用人事の労力削減に_株式会社GYAO
こちらも新卒採用にはなりますが、ターゲットを絞り込み、人事の労力削減につながった事例です。
ヤフーグループのインターネット企業、GYAOでは、大手の就職サイトを中心に採用活動をしていました。非常に多くの応募があったものの、「華やかそうなエンタメ企業」というイメージGAPを持った応募者が集まってしまいました。そこで、もっと「インターネットを通して何かを生み出したい。インターネット事業に対し未来を感じている」といった想いを持っている人を採用したいと思い、2017年度から「新卒採用アプリ」を導入しています。
採用に関する情報発信、応募機能をアプリに一元化・限定することでITに興味関心の高い学生を採用ターゲットとして絞りこみました。結果として今までよりエントリー数は減りましたが、よりターゲット像に近い応募者が増えたことで採用の「歩留まり」を増やすことに成功したのです。
このアプリを使用した採用方法は、面白い試みとしてYahoo!ニュースに取り上げられたことで、広く周知されました。また、採用担当が学生ひとりひとりのエントリーシートをアプリ上で確認することが可能になり、面接での質問を効率的に行うことができるようになったそうです。
そういった点でも、GYAOの採用ブランディングは、ターゲットをうまく絞り込むことに加えて、採用担当者の労力を削減することに成功しました。
採用ブランディング3ステップ
「採用ブランディングをやってみたい」と思ったものの、「自分たちでやるなんて大変そう」と躊躇することもあるかと思います。ある程度の予算をかけた大量採用であれば代理店やコンサル会社に依頼するのも手ですが、今回は自社でもできる3ステップをご紹介します。
ステップ1 ターゲットを具体化する
まずは自社が求める人材ターゲットを具体的にしましょう。
求める人材像を明確にする作業(ペルソナ設定)は、募集ポジションにフィットした人材を採用するための起点です。年齢、性別、学歴などはもちろん、居住エリアや家族構成、性格やライフスタイル、価値観、趣味嗜好といった事まで細かく設定する事がベストです。
「そもそもそんな理想人材が採用できるわけない」と思われるかもしれませんが、経営層や人事部、現場が持つ理想人材のイメージを具現化するために重要な作業です。
ステップ2 自社の強み・弱みを整理する
ターゲットが具体化されたら、次は自社の強みと弱みについて考えましょう。
ここで注意したいのが、弱みもきちんと把握するということ。「うちは特に特色がないし…」なんて思っている点が、実は魅力だったりすることは往々にしてあります。ぜひ、強み・弱みともに棚卸ししてみましょう。
また、先に設定したターゲットが「求める事」や「目標」に対し、刺さる内容という点もポイントです。競合他社と比較し、魅力となる点を探してみてください。
なお、強み・弱みを整理する代表的な手法としては、「SWOT分析」、「3C分析」などがオススメです。自社に合ったやりやすい方法でやってみてください。
参考URL:【図解】SWOT分析とは?|Urumo! 参考URL:3C分析のやり方は?|Biz Make |
ステップ3 メディアで発信する
求めるターゲットに訴求する強みが決まったら、メディアを使って発信していきましょう。発信する媒体は主に、「転職サイトなどの求人メディア」と「HPやSNSなどの自社メディア」です。
求人メディアでは表現の自由に限りがありますが、逆に他社との比較でアピールしやすい点がメリットです。具体的な職場環境や社員の声など、プラス@の情報を加えていきましょう。他社情報も含め、業界全体をよく知る媒体の営業などに相談してみるのも良いでしょう。
自社メディアでは個性を出すことができます。面白い企画やキャンペーンは、積極的に伝えていきましょう。またブランディングは一朝一夕でできるものではないと考えると、採用強化時期だけでなく定期的に情報を発信していく媒体として活用するものよいでしょう。
採用ブランディングを外部に依頼する手も
「大手企業との差別化が難しい」、「特異な商品・サービスではないので魅力出しが困難」などの理由で、中小企業の採用ブランディングは難しいと言われています。特に、自社の採用ブランディングとなると、一人や二人では難しいというのが正直なところかと思います。
最近はそういったお悩みを抱える企業の課題を解決すべく、採用コンサルティングを行う企業も出てきています。「時間がなくて手がつけられない」「人手が足りない」といったお悩みを抱えている企業であれば、外部サービスを検討されてみても良いかと思います。
まとめ
「ブランディング」と聞くと、大企業のものと思われがちですが、企業規模の大小にかかわらず採用ブランディングを強化することで採用に成功している企業は多くあります。様々な企業の事例を参考にしながら、まずは自社で実践できることから始めてみてはいかがでしょうか。
【記入例付】いますぐ上司と目線合わせができる! 採用要件が現場と経営ですり合わない理由は大きくは2つ。現場はビジネススキルを重要視し、経営はヒューマンスキルを重要視するからです。 ではどうすれば、要件がすり合うのでしょうか?まずは、経営と現場の両サイドの情報を整理、マスト要件等の定義、市場等のすり合わせの順に展開するとスムーズです。 ただし、これらを何も使わずに会議で議論しながら進めることはほぼ不可能です。 中途採用サクセスでは、採用コンサルタントが有料研修で提要している内容を、採用担当者が自社で使いやすい形に資料化しました。
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