明暗を分ける?求人サイトの「スカウトサービス」徹底活用術

母集団形成

売り手市場といわれる近年、「攻め」の採用手法が求められています。求人サイトに掲載した場合も、ただ応募を待つだけではなく、積極的にスカウトサービスを利用したいところです。

どの求人サイトでも積極的に活用したいスカウト機能

まずは、求人サイトのスカウト機能の基本を理解しておきましょう。

スカウト機能とは?

求人サイトの登録者データベースから経歴やスキルで求職者を絞り込み、ダイレクトメッセージを送ることで応募を促せる機能です。積極的に求職者にアピールすることで、求人広告の閲覧数を増やすことができます。特に中途採用の場合、これまでの経験・スキルや求職者の希望が明確な場合が多いので、しっかり活用すれば理想の人材に出会える確率が高まります。

なかには、スカウト機能を利用せず、「自分から応募してくる積極的な人材を採用したい」と考えている企業もあるかもしれません。しかし、企業側からのアクションがなければ、そもそも発見してもらうのも難しい現状があります。求人広告が世に溢れているこの時代、スカウト機能の活用はスタンダードになりつつあるのです。

とはいえ、使いようによっては求職者に不快に思われているケースがあるので注意が必要です。

不快に思われる…スカウトNG例

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ここからは、やってしまいがちなスカウトメールでの失敗例をみていきましょう。

【NG!】テンプレートのままの工夫のない件名・文面

求人サイトで提供されている「テンプレート」をそのまま使用しているケースは多いでしょう。テンプレートは確かに見本にできる点がたくさんあります。しかし、優秀な人材であるほど毎日何通ものスカウトメールを受け取っているもの。「またテンプレートか」と感じてスルーされてしまう可能性が高いでしょう。

【NG!】送信対象の絞り方が適当

経験やスキルのみで絞り込み、よく確認せずに幅広く送信してしまうと、求職者側の希望職種・業界や年収、勤務地、職種等とズレが生じやすくなります。

例えば、営業の経験はあるけれど、「エンジニアにキャリアチェンジしたい」と考えている人に対して、「営業の経験をぜひ生かしてください!」といったような強い調子のメールが何度も送られていたらどうでしょうか? 希望をないがしろにされている印象を残し、「この会社はダメだ」と開封すらしてもらえなくなるかもしれません。

【NG!】フリーワード検索でケアレスミス

キーワードを自由に入力して、抽出されたリストに送る場合も注意が必要です。例えば、フリーワード検索にプログラミング言語の「Python(パイソン)」とだけ入力して検索した場合、プロフィールに「ただし、プログラミング言語Pythonの経験はありません」などと書いている人も含まれている可能性があります。そういう人向けに「経験がある」前提のスカウトメールを送ってしまうと、求職者はしらけてしまうでしょう。

【NG!】メールを送っておきながら返信が遅い

スカウトメールを受け取った求職者が応募ボタンをクリックする場合もあれば、応募の前に質問メールを送ってくる場合もあります。それに対して、忙しくて対応をしばらく放置してしまうケースもあるでしょう。しかし、求職者からすれば「向こうからスカウトしてきたのに反応が遅い」ということになるので、不誠実な印象を与えます。迅速な対応ができなければ人材を取りこぼしてしまうのです。

求職者の立場に立った丁寧な対応を

スカウトで失敗しないためには、求職者一人ひとりの気持ちを考えた迅速・丁寧な対応をすることが大切です。まずは、譲れない条件を明確化したうえで、送信対象の絞り込み方を見直しましょう。そして当たり前のことですが、求職者のプロフィールに目を通すことを欠かしてはいけません。

なお、条件が完全に合致していないとわかったうえでもスカウトしたい人材がいれば、それに対するフォロー文面を入れるといいでしょう。

心に響きやすい!スカウトOK例

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では、思わず応募してみたくなるスカウトはどんな工夫がなされているのでしょうか。

【OK!】件名が工夫されている

まずメールを開封してもらうためには、件名にもこだわることが大切です。例えば、未経験だけれどマーケティングに興味があるという人に対しては、「未経験でも意欲のある方を募集!マーケティング職急募(研修充実)」など、「自分に合っていそう」と思ってもらえるようなキーワードを使うといいでしょう。

【OK!】自分のみに宛てられたものだとわかる文面

「〇〇様のご経歴を拝見いたしました。マーケティング職に興味があるとのことですが、弊社では、過去にも未経験で入社し、今では〇〇のような仕事で活躍している社員もいます。質問しやすい雰囲気もあります。詳しいご説明をさせていただき、〇〇様のご希望も伺いたいと思っております」

など、求職者の経歴や志向を確認したうえで、具体的な内容を盛り込むことが重要です。「自分の情報をしっかり見てくれた」というプレミア感を与えることを心掛け、個別にカスタマイズしましょう。

【OK!】担当者の個人名が載っている

送り主として担当者の個人名を盛り込むと、書かれていない場合に比べて「機械的に送っている」感が薄れ、親近感を抱いてもらいやすくなります。文末まで読んでもらえる確率が増すでしょう。

【OK!】すぐに読める時間に配信されている

送信するタイミングも工夫するといいでしょう。送信相手の働き方にもよりますが、通勤・帰宅時間である朝8時や夕方17~18時ごろに送るほうが、返信率は高い傾向にあります。

まとめ

求人サイトへの掲載は採用において有効な手段のひとつですが、「放置状態」ではうまくいかないことが多いでしょう。スカウト機能を活用して、企業側からアプローチしてみましょう。今回紹介した「OK例」「NG例」を参考にしてみてください。

ただし、そもそも求人広告自体が魅力的でなければ、せっかくスカウトメールのメッセージがよくても、応募にはつながらないという事態を招きかねません。自社の魅力をしっかり伝えられるように、よく分析して求人原稿をつくっておく必要があるでしょう。