ダイレクトリクルーティングとは?中途採用向けツール11社を紹介
母集団形成近年、中途・新卒どちらの採用手法においても注目度が高まっている「ダイレクトリクルーティング」。本記事では、どのような採用手法なのか?といったことをはじめ、ダイレクトリクルーティングのメリットやデメリット、中途採用に向いているダイレクトリクルーティング向けのサービスをご紹介いたします。
目次
ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングのデメリット
ダイレクトリクルーティングを導入する具体的方法とポイント
【中途向け】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス11選|費用や特徴
まとめ
ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者に対して直接アプローチ(スカウト)する採用手法を指します。新卒・中途採用どちらでも行われており、優秀な人材を獲得する手法の一つとして注目を集めています。
求人メディアや人材紹介会社と契約して求職者からの応募を待つ従来の採用方法と比較すると、候補人材に対してダイレクトにアプローチすることができるため、早期に候補人材とコンタクトを取り、相互理解を深められる点が魅力です。
<主なダイレクトリクルーティングツール>
|
ツールというカテゴライズ以外だと、「リファラル採用」や「ヘッドハンティング」等も同じダイレクトリクルーティングの分類になります。
これまでの採用方法との違い
これまで日本の中途採用において主流だった「求人メディア(広告)」や「人材紹介サービス」との違いを見てみましょう。
上図の通り、「求人メディア」や「人材紹介サービス」は”母集団の質”という観点において、圧倒的な差があります。理由は、求人メディアや人材紹介サービスは求職者からの応募を待たなければならないのに対し、ダイレクトリクルーティングは自社が欲しい人材に直接アプローチできるからです。
特に、求人メディアや人材紹介サービスは、強い領域や競合他社数といった事柄も応募数に影響を及ぼすため、この点が顕著だと言えるでしょう。
また、言うまでもなく“費用・コスト”の面も抑えることができるというメリットがあります。ダイレクトリクルーティングのツールの多くが低コストで利用が可能です。自社採用ホームページであれば、制作費用以外は無料での採用も夢ではありません。
いま注目される理由や背景
実は2007年ごろから、求人サイトや人材紹介サービス会社のデータベースを介したダイレクトリクルーティングの先駆けとも言えるスカウトサービスは存在していました。では、なぜ今またダイレクトリクルーティング」が注目を集めているのでしょうか?
<考えられる理由>
- 労働人口の減少による人材獲得競争の激化
- インターネットを通じたコミュニケーションの一般化
- Wantedly、LinkedInといったコスパの高いサービスの登場
などが理由として挙げられます。
また、このような複合的な背景が影響し「転職を意識していない転職潜在層」にアプローチする必要性が高まっていることも考えられるでしょう。
ダイレクトリクルーティングのメリット
ダイレクトリクルーティングには、具体的にどんな実施メリットがあるのでしょうか?一つずつ見てみましょう。
採用コストの軽減
転職サイトや人材紹介サービスを利用する場合、掲載料金や紹介手数料といったサービス利用料が発生してしまいます。また、たとえ大手企業の転職サイトに掲載をしたからといって、必ずしも採用できるとは限らないため、かけたコストを無駄にしてしまう可能性もゼロではありません。
一方、企業自らが採用活動を行うダイレクトリクルーティングでは、知人やSNS経由の場合、コストは0円で済みます。そのため、コストを抑えたいという企業には有効な一手だと言えるでしょう。
特に、こういった「採用コスト」を重視している企業であれば、無駄な工数は出来るだけ削減したいところでしょう。「担当者が意識しておきたい中途採用の「コスト」と「無駄」」では、媒体費を中心とした外部コストや、採用にかかる人件費といった内部コストについて詳しく解説しています。自社にミスマッチな広告媒体への掲載や採用の妥協によるコストロス……など、気を付けたい観点もまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。
潜在層へのアプローチが可能
転職市場には、「現状に不満はないが、オファー条件によっては転職を検討したい」といった潜在層も一定数存在します。こういった層は、転職サイトからのレコメンドメールや広告に反応することは少ないものの、スカウト型の転職サイトにはとりあえず登録していたりします。
また、SNSを介して繋がっておけば、投稿内容や定期的なコミュニケーションによって転職の温度感をリアルタイムで確認することができるので、他社より先んじてアプローチをすることも可能です。
このような企業側からの「スカウト」は、実施すべき企業とそうではない企業があります。「スカウトサービス5選|効果的な活用方法、導入すべき企業」で、効果的活用方法や実施する際のポイントについて解説していますので、こちらもチェックしてみてください。
採用ノウハウが蓄積できる
ダイレクトリクルーティングでは、一つひとつの取り組みを採用企業が主導で行うため、どの手法が成功につながったのかというノウハウを蓄積することが可能です。一連の採用活動を分析し、その都度課題や対策を練ることで、よりよい採用活動につなげていくことが可能となるのです。
ノウハウが蓄積されれば、採用担当者が変わっても採用活動の質を維持でき、企業独自の継続的な採用力構築にもつながります。
ダイレクトリクルーティングのデメリット
メリットが多いと思われるダイレクトリクルーティングですが、デメリットはどんなものがあるでしょうか?こちらも押さえておきましょう。
すぐに成果が出ない
ダイレクトリクルーティングは、取り組んですぐに結果が出るといった採用手法ではありません。そのため、緊急性を要する採用には不向きだと言えるでしょう。
とりわけ、自社に興味がなかった候補者に対して能動的に働きかけ、興味喚起を促し入社してもらう……という一連の工程を想像していただければ、その難しさがお分かりいただけるかと思います。
採用ノウハウや準備が必要
求人サイトや人材紹介会社といった転職サービスを利用する場合、企業が主に行うのは、応募者の書類選考や面接、採用可否の判断でした。一方、ダイレクトリクルーティングにおいては、上記に加えて候補者の選定、スカウトメールの作成、メールなどのやり取り、面接日程の調整など、採用活動にかかる業務が一気に増えます。
スカウトメールを送る対象者の要件設定や、メール文面の作成、継続的なコンタクト~入社意欲のコントロールまで、かなり能動的に企業が頑張らなければならないことは覚えておきましょう。
一連の内容を見ていただいた上で、「採用業務について社内リソースを充分に確保するのは厳しいかもしれない……」と感じる企業は、自社での運用が難しいかもしれません。そのような場合は、スカウトメールの配信といったダイレクトリクルーティングの一部を採用代行会社に依頼することも検討されると良いでしょう。
ダイレクトリクルーティングを導入する具体的方法とポイント
ダイレクトリクルーティングを取り組む際は、長期視点で考えることが重要となります。具体的な導入方法や押さえておきたいポイントをご紹介しましょう。
1.自社の採用課題やニーズ、期限を明確化する
例えば、自社の採用課題が「応募はある程度あるが、ターゲット人材からの応募がない」場合と「応募が全くない」というケースでは対策は異なります。まずは自社の採用状況や課題は何か?を明確化することから始めましょう。
また、ダイレクトリクルーティングにおいて重要なのは、募集ポジションにおいて「譲れない条件は何か」を明確化(言語化)しておくことです。ここがしっかり固まっていないと、スカウト配信対象者の絞り込みからブレる可能性があるので注意しましょう。
最初から要件を盛り込みすぎてしまうと対象者が少なくなってしまうため、MUST要件だけ決めておくと良いでしょう。なお、3か月以内に人が欲しい等、緊急性の高い募集ポジションの場合、ダイレクトリクルーティングが最適ではない可能性もありますので、期限の確認も忘れずに行いましょう。
2.ダイレクトリクルーティング専任担当者を決定する
優秀な候補者は多くの企業やエージェントからスカウトメールを貰うため、企業から候補者に送るスカウトメール1通をとっても、さまざまな技術やコツが必要です。単純に使いやすいツールを導入したとしても、すぐに採用へと繋がらないことは言うまでもないでしょう。
このようなダイレクトリクルーティングにまつわる知見を蓄積しつつ、スカウティングスキルを高めるためにも、専任担当者を配置するべきと言えるでしょう。
3.現場社員や経営層など、全社を巻き込んで取り組む
最近は求職者もITリテラリーが向上し、社員の口コミサイトやSNSの情報を転職時の参考にする人が増えています。そのため、ソーシャルメディアを活用した広報や採用活動に力を入れる企業も多くなっている状況です。
中でも、ITベンチャーなどは社員が自由にSNS上で発言することを推奨することで、企業理解を深めてもらい、採用ミスマッチの防止や企業へのファンを増やす動きも。
企業によってはソーシャルメディア上の情報拡散について厳しい企業もあるかと思いますので、まずは経営層や現場への理解を促し、最終的には全社員を巻き込んで自社の魅力や働きがいを伝えられるよう努めましょう。
【中途向け】おすすめのダイレクトリクルーティングサービス11選|費用や特徴
最後に、中途採用におすすめのダイレクトリクルーティングサービスを11選ご紹介します。それぞれの費用や特徴をご紹介していますので、ご参考になさってください。
BIZREACH(ビズリーチ)
特徴や魅力 | 113万人以上の人材データベース |
費用 | 85万円~(利用期間6カ月間の基本料金) |
オススメ企業 | スタートアップから大企業まで幅広い企業 |
日本におけるダイレクトリクルーティングサービスの先駆けとも言われる『ビズリーチ』。 約113万人以上(※)の優秀な人材が登録する人材データベースです。スタートアップから大企業まで多数の企業が利用しています。 ダイレクトリクルーティングの利用が初めてで、しっかりとしたサポートを受けながら優秀な人材を確保したい企業におすすめです。 ※2020年8月末時点の公称人数 |
doda Recruiters(デューダ リクルーターズ)
特徴や魅力 | 日本最大級の会員データベースの閲覧が可能 |
費用 | 80万円~(利用期間2カ月) |
オススメ企業 | 新卒でもダイレクトリクルーティングをしたい企業 |
転職サイトで有名な「doda」が運営するダイレクトリクルーティングサービス。約189万人(※)という、日本最大級のdodaスカウト会員データベースの閲覧が可能です。 新卒向けスカウト型サービス「dodaキャンパス」もあり、学生が登録した自己PR、適性検査を見て、直接インターンシップや採用オファーを送れます。 ※2020年6月末時点の公称人数 |
LinkedIn(リンクトイン)
特徴や魅力 | 利用者数が全世界で6億人を超えるサービス |
費用 | クリック課金型式のため企業側で自由に設定可能 |
オススメ企業 | グローバル人材にアプローチしたい企業 |
世界最大級のビジネス特化型SNSで、Facebookのビジネス版ともいわれる『LinkedIn(リンクトイン)』。全世界で利用者数は6億人を超えており、日本での利用者数も今後増えていくと予想されています。 ビジネスに絞っている特性から、企業向けの機能があり、会社のページを作成したり、そこに採用情報・募集要項を掲載したり、LinkedInユーザーにダイレクトメッセージでスカウトを送ったりすることができます。 外国籍の方や外資系企業での職務経験があるグローバルな人材にアプローチをしたい企業向けです。 |
Wantedly Admin(ウォンテッドリー・アドミン)
特徴や魅力 | 求人募集数に上限がなく、成果報酬もなし |
費用 | 10万円/月=総額60万円~(期間・配信数により上限) |
オススメ企業 | 自社の志に共感する人を採用したい意向の強い企業 |
『Wantedly(ウォンテッドリー)』のコンセプトは、「条件や知名度、予算に左右されない採用を実現する」。中途からインターンまで、募集の公開本数には限りがなく、成果報酬費用もかかりません。 Wantedlyは、給与・待遇の記載ができないようになっており、「企業の活動」に興味を持った求職者に応募してもらう"共感採用"を目指しています。会社の事業内容や社風、一緒に働く社員などを知ってもらい、興味を持ってもらった上で応募してもらうというのが特徴です。 また、Wantedly上のプロフィールからスキルや経歴、この先やってみたいことなどを直接検索した上で、会いたい候補者に直接メッセージを送信することも可能。給与などの条件だけでは動かないような意欲の高い候補者との出会いが期待できます。 |
キャリトレ
特徴や魅力 | 新規登録会員の73%が20代という若手層の強さ |
費用 | 5万円/月(利用期間:12カ月) |
オススメ企業 | 優秀な若手が欲しい企業 |
新規登録会員の73%が20代と、若手層に強い『キャリトレ』。求職者の経歴や行動履歴をもとに、人工知能が求人に合った求職者を推薦してくれるレコメンド機能も特徴的です。 コスト面については、データベース利用料金が月5万円、採用一人につき成果報酬がかかります。 |
Daijob(ダイジョブ)
特徴や魅力 | 語学に堪能な日本人・外国人ばかり集まるサイト |
費用 | 要問合せ |
オススメ企業 | グローバル人材が欲しい外資系企業 |
外資系・グローバル企業の求人に特化したサイトです。サイトに登録している求職者も、ビジネスレベル以上の英語力を持つ人材が74%、ビジネスレベル以上の日本語力を保有する外国人は20%と、語学に堪能な人材が多く集まっています。 保存した検索条件に基づき、条件に一致する新規求職者の登録があった際には、自動的にメールで通知してくれる機能もあります。 |
MIIDAS(ミイダス)
特徴や魅力 | 詳細なスキル設定で求める人材を見つけられる |
費用 | 定額制 ※詳細は要問合せ |
オススメ企業 | 利用期間を決めてダイレクトリクルーティングを始めてみたい企業 |
「日本一詳細な検索能力」を強みとするサービス。 例えば、「関東在住で、営業経験3年以上。新規顧客に対する提案営業を行った経験を持っており、数百名規模の顧客にシステムの営業経験があり、商材単価が数百万、目標達成率は100%以上」といった詳細な条件で登録者を絞り込むことが可能です。 合致する人材へ自動的にオファーを送ることが出来るなど、手軽さが好評です。掲載できる求人数、送信できるオファー数は無制限。費用は採用人数に関わらず、利用期間に応じて発生する仕組みです。 |
EightCareerDesign(エイトキャリアデザイン)
特徴や魅力 | タレントプール機能やリファラル採用で欲しい人材を逃さない |
費用 | 10万円/月 |
オススメ企業 | 自社社員と繋がりのある人材に来てほしい企業 |
成果報酬はなく、月額10万円から利用可能。運営母体であるSansan株式会社の特徴を活かし、自社社員とつながりがある求職者に対しては、リファラル採用とダイレクトリクルーティングサービスを組み合わせたアプローチが可能です。 |
Green(グリーン)
特徴や魅力 | 成果報酬額は一律30~90万円と、人材紹介に比べかなり低額 |
費用 |
固定成功報酬型:90万円 (勤務先が東京都の場合。別途、初回のみアカウント開設費用) |
オススメ企業 | IT業界でクリエイティブ人材を必要としている企業 |
求職者データベースには約60万人の登録者がおり、IT人材やクリエイティブ人材が多く集まる傾向があります。 一度求人を掲載したら無料でずっと掲載が可能。報酬は年収に関わらず一律30万円〜90万円の成功報酬型で、人材紹介に比べてかなり低額で利用が可能です。※報酬は勤務地によって変動 |
キャリコネ転職(丸投げプラン)
特徴や魅力 |
優秀な転職潜在層へのアプローチが可能 |
費用 |
15万円~/月 |
オススメ企業 |
採用に関わる一連の業務を委託したい企業 |
企業の口コミやビジネスニュースを取り扱うサイト『キャリコネ』を運営する株式会社グローバルウェイによる中途採用に特化したサイト『キャリコネ転職』。キャリコネニュースと連携しているため、ビジネスに関心のある優秀な転職潜在層にアプローチすることができます。 同社が提供するサービスの一つ「丸投げプラン」は、キャリコネ転職への求人掲載(本数無制限)をはじめ、連携する求人媒体への出稿や広告運用、提携エージェントからの紹介など、複数の集客手段を駆使して応募数確保を行います。 「丸投げ」という名前の通り、求職者対応はもちろん、効果的なPR活動を勝手に行ってくれる点が最大の魅力と言えるでしょう。 |
LibzCareer(リブズキャリア)
特徴や魅力 | 採用成功に導くためのサービスが充実。ダイレクトリクルーティングの利用が初めてでも安心 |
費用 | 成果報酬型・月額0円(別途、プランに依り初期費用要) |
オススメ企業 |
女性の採用に積極的な企業 |
主に女性をターゲットにしている『LibzCareer(リブズキャリア)』。 成功報酬はなく、月額10万円で利用可能。「利用企業の約2割が採用単価60万以下で即戦力採用を実現」とも謳っています。 各機能の使い方などが分からなかったときにカスタマーサクセスが答えてくれる「あんしんサポート」があります。ダイレクトリクルーティングサービスの利用が初めての企業でも安心です。 |
まとめ
人材は、企業の成長を支える重要な柱です。労働人口が減少し続け、売り手市場が続く昨今の転職市場において、企業としていかに競合優位性を持ち、付加価値をつけることができるかが採用においても要だと言えます。
今回ご紹介したダイレクトリクルーティングは、企業規模や知名度に関わらず、候補者へダイレクトに思いをぶつけることができる手法です。求職者に直接リーチできるので、人材難でお悩みの企業は、採用手法の一つとして検討されると良いかと思います。
全国2万社のエージェントが集う採用プラットフォームで 人材不足が叫ばれている昨今、優秀で自社にマッチする求職者を探し当てるのは非常に困難な状況です。かつ、同業他社も同様の状況にあり、貴重な人材の取り合いとなっています。採用率をあげる手立てはないのでしょうか。 株式会社グローバルウェイが運営する中途採用プラットフォーム「エージェントマネジメント(通称:エーナビ)」では、
といった圧倒的なエージェントの数と領域への最適化を行い、エージェントにやる気を出してもらえる工夫を施し、人材確保の精度を高めています。 そのため入社決定率は87%を超え、ご満足いただいている企業様が多数いらっしゃいます。 貴社の求人にフィットした候補者の推薦ができるエージェントが 全国に何社存在するかシミュレーションをいたします、ぜひ一度サービス内容をご覧ください。 |
関連記事:明暗を分ける?求人サイトの「スカウトサービス」徹底活用術