リファラル採用って正直どう?効果と手間と注意点
コストダウン社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」。近年増えている採用手法で、実際に成功している企業も増えています。その風潮を察知した上司が、気軽に「リファラル採用を取り入れてみて」と言ってきたら、人事担当者はどうすればいいのでしょうか。
リファラル採用をする際にはどんな準備が必要?
リファラル採用は他の手法に比べてコストを抑えられ、ミスマッチを防ぎやすいなどのメリットがあり、検討したい採用手法のひとつといえます。しかし、導入するには次のような準備が必要です。
求める人材像の明文化
まずは求める人材像を明確にしておく必要があります。リファラル採用には「ミスマッチを防ぎやすい」というメリットがありますが、それは企業が求める人材像を紹介者が正しく理解している場合にのみ期待できることです。特にリファラル採用の場合、「仲が良いから」という理由で友人を入社させたがる紹介者が出てくる可能性もあるでしょう。求める人材像を明文化し、メールなどで共有しておきましょう。MUST要件とWANT要件を明確に定めておくことが大切です。
相談窓口となる担当者を決める
新しい採用手法を取り入れたときは、軌道に乗るまで何かと社員から質問があがってくるもの。また、「とても良い人材だと思うけれど、少しだけMUST要件を満たしていない……」など、迷う場合もあるでしょう。そんなときに相談できる担当者を明確に決めておきましょう。採用する職種の専門性が高い場合は、業務を理解している現場の社員の中から選ぶのが理想的です。
インセンティブの設定
リファラル採用の成功は、紹介者のモチベーションに委ねられます。「社員だから紹介して当たり前」という姿勢ではうまくいきません。一般的には、数万円から数十万円のインセンティブの付与や有給休暇の日数を増やすといった施策を行うケースが多いものです。大事な知人を紹介して「報われた」と紹介者が思えるレベルのものを設定するといいでしょう。ただし、職業安定法第40条に触れないよう、留意する必要があります。
リファラル採用を社員に周知する
リファラル採用に関するさまざまなルールを取り決めたら、社員にしっかり周知しましょう。一度伝えればOKではなく、定期的な進捗の報告やリマインドも必要です。
例えば、次のような方法を試すと良いでしょう。
- リファラル採用の仕組みを明文化したリーフレットを用意する
- 定期的にリファラル採用促進メールを配信する
- 募集部署のマネージャーに定例会議などでリファラル採用について言及してもらう
- 成功した場合にはその事例を共有する
その他にも、
- 候補者とのランチ代や会いに行く際の交通費などが発生した場合の処理方法を決める
- 社員が手軽に紹介できるようにメール文面の作成をする
など、リファラル採用を導入する場合に人事担当者がやるべきことは多岐にわたります。
リファラル採用の注意点
このようにみていくとわかる通り、リファラル採用は準備や軌道に乗せるために手間がかかります。特に採用担当者が1人の場合、現場に協力者がいないとまず対応は厳しいでしょう。
そして、そもそも少人数の企業では、そう頻繁に社員からの紹介があるとは考えられません。リファラル採用のみを頼って採用計画を立てるのは極めてリスクが高いと言えます。
また、紹介者が本心から「良い会社だ」「ぜひ紹介したい」と思っていなければ、大切な知人を紹介してくれることは望めません。リファラル採用を導入する以前に、経営理念や事業戦略を全社員に向けて発信する場を設ける、社員の不満を吸い上げて改善する仕組みを整えるなど、インナーブランディングを強化するための地道な取り組みも不可欠でしょう。
まとめ
リファラル採用のメリットは多いものの、メリットを生かして成功させるには、十分な準備が必要です。まだ導入できる段階でないなら、まずは現状に合った手法を社内で検討しましょう。
ここで紹介した内容を参考に、上司に導入が難しい理由を説明し、より手軽に導入できる採用方法を提案しましょう。例えば、求人サイトのスカウトメール機能をしっかり活用する、新たにダイレクトリクルーティングサービスを利用する、といった方法も考えられます。また、最適な広告運用から候補者の発掘、フォローまで行う「キャリコネ転職 丸投げプラン」なども検討してみてはいかがでしょうか。
リファラル採用は確かにコストを抑えることができますが、人事担当者の工数を割くうえに効果がなければ、元も子もありません。トレンドを掴むことも大切ですが、無理せず自社の現状にマッチした採用方法を取り入れましょう。
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