人材紹介会社様のお悩み
売り手市場化が進む近年の転職市場。採用活動に力を入れても候補者が集まらない、優秀な人が来ないとお困りの採用担当者の方もいるでしょう。そこで注目したいのが「転職潜在層」と呼ばれる人たちの存在です。この記事では転職潜在層に注目するメリットや、具体的なアプローチ方法をご紹介します。
目次
転職潜在層とは
転職潜在層と転職顕在層の違いとは
転職潜在層の目的とは
転職潜在層へアプローチするメリット
転職潜在層に響くポイントとは？
転職潜在層へのアプローチ方法
転職潜在層とは
転職潜在層とは、転職する意欲はあるものの実際に転職活動をしていない人たちのことを指します。このような転職潜在層の人たちは転職サイトに登録していても、積極的に応募してくることはほぼありません。そのため、企業側から転職潜在層の候補者に出会うことは難しいのです。
転職潜在層と転職顕在層の違いとは
転職潜在層と反対に、積極的に転職活動を行っている人たちは「転職顕在層」と呼ばれます。転職顕在層と転職潜在層の大きな違いは、転職意志の強さと言えます。転職顕在層「今すぐ転職したい」と思っているのに対し、転職潜在層は「もしチャンスが巡ってきたら転職したい」と考えている人が多いのです。
そしてこの2つを比べると、転職潜在層の方が圧倒的に多いと言われています。労働者のうち、転職活動を行っている人は全体の5％程度とされていますが、それに比べて転職潜在層は約7割を占めるというデータも。転職潜在層にアプローチすることができれば、採用候補者の絶対数が増え、採用活動の幅がぐっと広がるでしょう。
転職潜在層の目的とは
転職潜在層が生まれる理由にはさまざまなものがあります。まずはこの層が何を目的としているのかを知ることで、効果的な採用活動ができるでしょう。ここでは転職潜在層が目的としていることを3つご紹介します。
情報収集をしたい
1つ目は、転職サイトに登録して情報収集したいという理由です。いずれ転職したいと考えている人たちが、早めに情報収集を進めておく目的で登録していると考えられます。
自分の市場価値を知りたい
2つ目は、市場における自分の価値を知ることです。転職サイトに登録すると、企業からスカウトが届くことがあります。スカウトされた企業の質や数によって、自分が市場でどれくらい求められているのかを知ることができます。
転職潜在層にとって転職サイトとは、ただ単に転職するための手段ではなく、市場における自分の価値や可能性を知るためのツールでもあるのです。
いずれは良い企業に転職したい
3つ目は、今すぐではないが将来的に転職したいという目的です。転職潜在層の中には「良い企業に出合えたタイミングで転職したい」という人が多数います。こうした人たちは、現状の職場にそれほど不満はないものの、「もっと良い環境で働きたい」「チャンスがあればステップアップしたい」と考えているのです。
転職潜在層へアプローチするメリット
では、採用活動を進める際、転職潜在層にアプローチするとどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
候補者の取り合いが少ない
転職顕在層の人たちは積極的に企業へアプローチしており、複数の企業を受けるケースも多いでしょう。つまり、採用側から見ても取り合いになる可能性が高いのです。特に優秀な候補者に関しては、欲しがる企業が多いためおのずと競争率は高くなります。
しかし、転職潜在層は積極的にアクションを起こしていないため、企業側から注目されることが少ない存在です。そのため優秀な人材であっても競争率が低く、競合他社と取り合いになることも少ないのです。
優秀な候補者が見つかる可能性が上がる
転職潜在層の中には、「チャンスがあればもっと良い企業に行きたい」と考えている優秀な人材も数多くいます。転職潜在層に目を向けることで候補者の母数が増え、このような隠れた優秀な候補者に出会える可能性が上がるでしょう。
転職潜在層に響くポイントとは？
転職潜在層は、転職においてどんなポイントを気にしているのでしょうか。このポイントを押さえることで、より効果的にアプローチすることができます。
給与・仕事のやりがい
転職を検討する理由の一つとして、給与が低い、仕事量と給与が見合っていない、思ったように昇給しないといったことが挙げられます。転職潜在層は、現状の給与で生活していけるものの、将来的には転職してさらに給与を上げたい、やりがいを高めたいと考えている人が多いのです。
そのため転職潜在層に対しては、現在より高い給与とやりがいをアピールすることで、転職へとつながる可能性が高くなります。
企業文化・企業理念
企業文化とは、企業と従業員の間で共有されている価値観や行動様式のこと。企業理念とは、企業が社内外に対して打ち出している基本的な考えやミッションのことです。
転職潜在層の中には、業務内容には問題がなくても企業文化や理念に共感できず、「自分にマッチした風土の企業に転職したい」と考えている人も一定数います。企業文化や理念を重視している転職潜在層に対しては、この点をアピールしましょう。
自分のスキルを活かせるかどうか
転職のポイントとして、「自分のスキルを活かせるかどうか」を重視している転職潜在層も多くを占めています。現在の職場でスキルを活かしきれずミスマッチを感じている人が、将来的にスキルを活かせる企業に転職して活躍したいと考えているのです。
そのため、高い給与などの条件を提示するだけでなく、採用する企業と候補者のスキルがマッチするかどうかを見極めながらアプローチしましょう。
転職潜在層へのアプローチ方法
最後に、転職潜在層の候補者に出会うための具体的な方法を3つご紹介します。
転職サイトを活用する
先程からお伝えしている通り、転職潜在層の中にはすでに転職サイトに登録している人も多く存在します。転職サイトを上手く活用すれば、転職潜在層の中から優秀な人材に出会うことも可能です。
具体的には、求人データベースを活用しましょう。求人データベースに登録すると、複数の転職エージェントから候補者の推薦を受けることができます。候補者の母数が増えるため、より多くの転職潜在層に求人情報を見てもらうことができるでしょう。
また、転職サイトの求職者検索機能を利用すれば、求める人材を探すことができます。需要とマッチする優秀な候補者を見つけ、その人が転職潜在層であった場合、他社と競争せずに採用できる可能性もあります。先にご紹介した「転職潜在層に響くポイント」を押さえてアプローチし、効率的に採用活動を成功させましょう。
メールマガジンを発信する
メールマガジンに登録している転職サイト利用者に向けて、求人情報を発信する方法です。転職潜在層の中でも、メールマガジンを受信しているのは積極的に転職情報を得ようとしている人たちです。転職への意欲が比較的高いため、結果として転職につながりやすいでしょう。
しかし、淡々と求人情報を書くだけではメールを開いてもらえない可能性が高いでしょう。求人情報とあわせて転職のハウツー情報を発信するなど、読んでもらえる工夫が必要となります。
タレントプールを活用する
タレントプールとは、将来的に自社で採用する可能性のある人材のデータベースのことです。転職サイトなどを通じて面談をしたものの、条件や時期が合致せず、直近では採用に至らないケースもあるでしょう。このように、優秀だけれどさまざまな要因で採用できなかった人材のデータを記録しておくことで、タレントプールを構築できます。
タレントプールに登録された候補者とつながりを持ち続けておけば、双方のタイミングが合ったときに採用に至る可能性が高まります。
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