「中抜け時間」がテレワークの満足度を高める リフレッシュの散歩、子どものお迎え、夕食の支度など〔株式会社チームスピリット〕

中途採用サクセス

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勤怠管理や工数管理の一体型クラウドサービス「TeamSpirit」を提供するチームスピリット。他社にさきがけて2020年1月30日から「原則全社員一斉テレワーク」を開始し、現在も取り組みを継続しながら、以前と変わらない生産性を維持しています。

「緊急事態宣言」発令前に、全社員対象のアンケートを実施。テレワークの課題を整理するとともに、自社で培ったノウハウをオウンドメディア「魂のブログ」を通じて発信するなど、先進的な取り組みが注目されています。

目次

「社員が働きやすい会社」を目的に掲げる
気分転換のコツは「部屋着からの着替え」「お気に入りのおやつ」
「退社打刻して夕食→再出社打刻して業務」
在宅でも「一緒に働いている」と感じる工夫も

「社員が働きやすい会社」を目的に掲げる

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チームスピリットが、テレワークに本格的に取り組み始めたのは2014年。

テレワークの目的に「災害時への備え」や「生産性向上」を掲げる会社は多いですが、「ライフステージの変化に対応できる多様な働き方を実現し、社員が働きやすい会社にする」という要素を加えるところがユニークです。

「テレワークは、物理出社の代替手段としてやむなく行うものではなく、“ワークライフバランス向上”という積極的な目的のために行うものであることを、規程でも明記しています」(人事担当ディレクター・鎌倉諒さん)

管理者を除く正社員には、コアタイムを設けた「フレックスタイム制」を採用。すべての社内システムで自社製品を含むクラウドサービスを採用し、出社しないとできない業務はほぼない状態を作り上げています。

そのうえで、PCののぞき見や紛失・盗難のリスクを排除し切れない「サテライトオフィス勤務」や、カフェなどでの「モバイル勤務」は行わず、業務効率とのバランスを鑑みて「在宅勤務」に限定しています。

「原則テレワーク」開始後は、全職種(開発・マーケティング・営業・コンサルタント・サポート・バックオフィス・経営企画)の全社員が在宅で勤務。パートタイマーやアルバイトも例外ではありません。

8月には一時金として、1人あたり2万円のリモートワーク手当を支給。9月からは通勤手当を廃止し、月額5,000円のリモートワーク手当に切り替えています。

気分転換のコツは「部屋着からの着替え」「お気に入りのおやつ」

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社内実態調査を担当した広報の遠山美穂さんによると、「原則テレワーク」は社員の生活にさまざまな変化をもたらしたことが分かったそうです。

明らかになったのは、在宅勤務を楽しむための工夫や変化を生活に取り入れていたこと。机や椅子などを気に入ったものに買い直す「環境整備」のほか、こんな回答があったそうです。

  • 気分転換・休憩時間の確保:タイマーをかけて休憩時間を確保したり、お気に入りの飲み物やおやつを揃えたりしている
  • オンオフの切替・ルーティンの実施:業務に取り組むときには必ずルームウェアから着替える
  • 社内外コミュニケーション:時間を決めてチームで雑談する機会を作る
  • ファミリー対応:業務終了後、すぐに家事をすると家族の機嫌がよくなった

失敗談もありました。最も多かったのは「ウェブ上でのコミュニケーション」の問題。最初のころは顧客とのミーティングが円滑に進まず、一方的に話すだけになってしまったこともあったようです。

この問題に対しては、事前にアジェンダを作り込んだり、対面以上に相手の理解を確認しながら進めたりするなどの対策が共有されています。ウェブ会議に際して「当たり前の準備や進め方を徹底するようになった」とは、よく聞かれる話です。

「退社打刻して夕食→再出社打刻して業務」

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このほか、在宅勤務の長期化による「精神面・肉体面の疲労」「オンオフの切り替えの難しさ」、腰痛や体重増加などの「健康維持」、通常よりも長く働いてしまうなどの「時間の使い方・スケジュールの計画」の問題なども生じているようです。

その一方で、社員からは問題を解決するためのTips(コツ)も寄せられており、社内外で共有が図られています。中でも、在宅中の「業務時間」と「休憩時間」を切り替えるために、TeamSpiritの打刻機能をこまめに利用している社員が多かったということです。

在宅勤務とは、言い換えればプライベート空間で仕事をすること。切り替えの難しさはあるものの、オンとオフが隣接していることをうまく活かせれば働く人の満足度も高まります。社員からはこんな声があったそうです。

「リフレッシュの散歩に出かけるなど中抜けをするときは、オンとオフにあわせて出社/退社ボタンを押しています」
「子どもの夕食を作るなど中抜けする際に、再出社の機能を活用しています。多少なりとも家のことをするので、細かい時間管理ができるのは助かります」
「業務→退社打刻して夕食→再出社打刻して業務、といった形で育児や介護をしながらテレワークをしています」
「役員なので勤怠は不要だが、自己管理のため打刻を使い始めた。ちょっと席を外す場合でも簡単に出退勤・再出勤ができるため、仕事とプライベートを切り替えながら働いた時間を管理できるのが便利」

なおTeamSpiritでは、1日に10回まで中抜け(勤務時間中に社員の都合で業務を一時離れること)および再出社が可能となっており、社員は離席のたびに打刻を行うことにしています。

勤務時間中は職務に専念すべきとして「中抜け厳禁」の会社もあるかもしれません。しかし、見えないところできちんと働いているか疑心暗鬼になるよりも、中抜けOKで可視化する方法を考えた方が、テレワークのメリットを十分に活かせそうです。

在宅でも「一緒に働いている」と感じる工夫も

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テレワークは成果主義的な働き方への転換を求めるといわれますが、プロセスの記録も必要です。生産性を評価する管理者としては「何にどのくらいの時間がかかったか」を把握しておきたいところ。労務管理の観点からも、社員に丸投げでは問題が生じます。

こまめな記録は、遠隔マネジメントに必要なことです。管理強化という意味ではなく、自律的な働き方をするための環境づくりと捉えた方がよさそうです。

オフィスに出社せず自宅でひとり仕事をすることで、孤独感が強くなったという人もいるようです。そこで「在宅でもみんなで一緒に働いている」ことを感じられるような、チームで働いている意識を高める対策も共有されています。

例えばTeamSpiritを使ってグループ内でアクションを共有できるChatter(チャター)機能を使い、どれくらい離席するかなどのコメントを添えて打刻することも。それによって、他の人がどういう働き方をしているのかが目に見えるようになります。

チームで毎朝ミーティングを行い、お互いのタスクの進捗や困りごとを確認し、メンバー間でフォローしあえるようにしている、というチームもありました。ただし決まった時間の拘束は柔軟な働き方の制約になる側面もあり、兼ね合いを見極める必要があるのかもしれません。

※2020年10月15日にキャリコネニュースに掲載された内容を転載しています