リファラル採用に成功する6社の成功事例と3つの秘訣、落とし穴も

母集団形成

近年採用手法が多様化し、企業の選択肢は増えました。その中のひとつが自社の従業員から友人や知人を紹介してもらうリファラル採用です。今回は、実際にリファラル採用を実施する企業の事例をはじめ、リファラル採用における落とし穴、押さえたいポイントまでご紹介いたします。

目次

そもそもリファラル採用とは?
リファラル採用の成功事例
リファラル採用の落とし穴
リファラル採用を成功させる3つの秘訣
まとめ

そもそもリファラル採用とは?

最近よく耳にするようになった「リファラル採用」という言葉、まずはその意味から理解しましょう。

従業員の友人や知人を紹介してもらう採用制度

リファラル採用とは、自社に勤務している従業員の友人や知人を紹介してもらう採用制度です。

自社の社員からの紹介というと、縁故採用を連想する人もいるでしょう。縁故採用とリファラル採用の大きな違いは、前者がある程度の役職を持つ社員からの紹介に限られるのに対し、後者は立場に関係なく全従業員が対象となっている点です。全従業員から紹介を募ることで、幅広い人材を獲得することができます。

低コストでマッチ度が高い人材を採用できる

リファラル採用は、低コストでマッチ度の高い人材を採用できるのがリファラル採用の強みです。

リファラル採用は、自社の業務内容や社風をよく理解した従業員からの紹介が起点となるため、スキルだけでなく資質や適性の合う人材に応募してもらうことができます。そのため、採用ミスマッチを低減させ、入社後の定着率が高いと言われています。人材紹介会社や転職媒体を活用する場合と比較しても、圧倒的に採用コストを抑えることができると言えるでしょう。

リファラル採用の成功事例

実際にリファラル採用によって採用成功した企業の事例をご紹介しましょう。

成功事例①:
手探りの状態から10ヶ月で10人の採用に成功した株式会社ベーシック

「カルチャーフィットする人材を採用したい」という想いから、リファラル採用チームを発足。
当初は、CEO1名+社員4名という少人数のチームというだけでなく、CEO以外は全員20代の若手という状況でスタートしました。2019年3月から始動したにも関わらず後、4カ月後の7月には合計4名の採用に成功。その時点で同社におけるリファラル採用活動の型ができていたことから、全社展開を開始し、10名の採用に成功しています。

同社がリファラル採用を開始するにあたり、まず行ったのは候補者のリストアップ。そして、声掛けする対象者の要件について優先順位づけです。チームとして「カルチャーフィット」×「転職意向度」を重視し、優先度の高い候補者をランチへ誘ったり、自社が開催するキャリアイベントへ招待する等して温度感を測り、意欲が高い人は面談へと促しました。

面談は、働いている社員の魅力を訴求する「ヒト軸」と自社の事業をアピールする「コト軸」で展開。「また会って話を聞きたい」と思われるコンテンツ作りに尽力し、採用成功に繋げています。

<特徴>
・候補者が面談したい社員を選べる
・社員に対して、自社のリファラル採用活動を知ってもらう働きかけを実施。常にアピールを意識
(参考:https://note.basicinc.jp/n/n3b26088eb8bd)

成功事例②:
従業員規模300人以下で社員の50%がリファラル採用|iYell株式会社

ビジネスモデル等何も決まっていない起業時、代表が出資者から「事業内容は変わっていくから何でも良い。“誰とするか”が大事だから、まず仲間を連れてきなさい」と言われたことをきっかけに、リファラル採用を開始。「何をやるかではなく、誰とやるか。」を重視する社風が出来上がり、従業員規模300人以下でも社員の家族や友人が50%を占めています。

「love(愛する心)」「sense(美しさの心)」など18個のバリューを共有し、選考の段階でどれだけ優秀な人材でもこの価値観に共鳴できない人は採用を見送っていると言います。

<特徴>
・社員ファーストを掲げ、従業員同士のつながりを大切にしている
・18個のバリューを共有し、共鳴した人のみを採用するためカルチャーフィット度が高い
(参考:https://note.com/iyellook/n/ne72c322c1679)

成功事例③:
無名の医療系スタートアップ企業でも社員数100名中リファラル率70%|Ubie(ユビー)株式会社

自社の知名度が低いため、常に「既存メンバーが自信を持って誘える会社か?」を追求。
購買活動で例えるならばプロダクト(商品)とも言える自社組織の魅力を最大化させることを徹底しました。特に、メンバーにとって紹介しやすい明確な推しポイントを共有し、「評価ゼロ」や「フルリモート可」など、第三者視点で魅力的で働きやすい環境を用意しました。

実際にリファラル採用に協力してくれた社員に「なぜ知人を紹介したのか?」というアンケートをとったところ、回答全体の71%が以下の3つに分類されました。

 1.事業成長のために優秀な人が必要だから
 2.一緒に働きたい人だから
 3.win-winだから

元々、経営者ではないメンバーも当事者意識が高く、自然と事業拡大に向けて動いてくれる社員が多かったことも影響。社員一同、優秀な人材獲得に向けて動いた結果、リファラル採用率の高さにつながりました。

<特徴>
・従業員全員が高い当事者意識を持っている
・自社の知名度がないため、「売り」を明快に提示している
(参考:https://note.com/sonopy/n/n84c8dfc0d153)

成功事例④:
気軽な情報発信でリファラル採用につなげる|株式会社ゴーリスト

ゴーリストでは、新卒・中途共にMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)の共有を徹底。優秀な人材でもこのバリューに共感できない人は採用を見送っています。また、採用サイトだけではなく、SNSなどでの情報発信を推奨。実名/匿名も問わないため、リファラル採用で誘う時も気軽に覗ける情報が用意されています。

同社では業務報告として日報を採用。ポジティブ、ネガティブに関わらず、あらゆる事柄を書くことを許容しているため、毎日の気付きが言語化され、自社理解の促進に繋がっています。この取り組みで、知人に自社を紹介する時にフラットに情報を伝えやすい環境づくりが出来ていると言えるでしょう。

<特徴>
・採用サイト以外にも気楽に自社に触れられる環境を作る
・ポジティブ、ネガティブが言語化されているので知人に伝えやすい

(参考:https://note.com/jopus_jyukina/n/nc82f8ec4f06b)

成功事例⑤:
1ヶ月という短期間で内定者数を4倍に|株式会社LIG

リファラル採用による採用状況が思わしくなかったため、1ヶ月にわたる「LIGスカウトキャンペーン」を実施。社内にある13チームの中で最も紹介数が多かったチームには賞品が出るようにし、優勝しなくても5エントリーごとにチームに対して賞品が出るように設定したため、社員のモチベーションをアップさせることに成功。

紹介する際に手間や工数がかからないよう、社員一人ひとりが発行できる紹介用URLを友人に渡すだけ、というシステムを導入。紹介フローがシンプルなので社員が取り組みやすく、キャンペーン前は1%だった社員協力率は21%にまで上昇しました。最終的にエンジニアを含めた3名のジョインが決定しています。

<特徴>
・社員のモチベーションと理解を深めるためのキャンペーンを実施
・紹介フローをシンプルにし、社員が活動しやすい設計に
(参考:https://liginc.co.jp/184701)

成功事例⑥:
社員の6割が参加する空気づくりで3カ月で6人採用|キャディ株式会社

リファラル採用に対する社員の協力率が10%と低く、まずは積極的に参加できる空気づくりに取り組みました。具体的には、「1.ポイント制の導入」「2.定期通信の配信」「3.週1日の全社会議でリファラルのための時間を設ける」「4.定期クローズドイベントの実施」「5.note(※)発信の雰囲気づくり」の5点です。

(※)note(ノート):文章、写真、映像、音声など、さまざまな情報発信に特化したWebサイト

1.リファラルポイント制度の導入
「声をかけた」「食事に行った」など、リファラルに関するアクション毎にポイントを加算社員全員も見ることができるように情報共有化

2.定期通信の配信
社内のビジネスチャットツールであるSlack(スラック)上で「リファラル通信」を発信。ポイント上位者の紹介やイベントの告知など、情報共有を徹底。社員のモチベーションアップにも貢献

3.週1日の全社会議でリファラルの時間を設ける
全社会議のうち5~10分ほどの時間を押さえ、採用成功にいたったリファラル活動事例インタビューや運用方法の変更連絡を実施

4.定期クローズドイベントの実施
紹介された候補者向けに自社の紹介イベントを実施。完全招待制のクローズドイベントにすることで、一段深く近いコミュニケーションがとれるように

5.note発信の雰囲気づくり
会社側でnoteを用意したものの、書く人が少なかったため、自分の所属する管理部のメンバーから中心に発信を開始。新入社員やSNS慣れしている社員に声をかけ、情報発信量を増やしていった

以上の施策が功を奏し、3カ月で6割の社員が参加。内定数6人が決定しました。

<特長>
社内への連絡、共有を徹底。リファラルポイント制度など参加しやすい施策を実行
(参考:https://note.com/asanomaki/n/n55e9637e6d9c)

リファラル採用の落とし穴

メリットが多いリファラル採用ですが、場合によっては失敗するケースも。どのような落とし穴があるのか見ていきましょう。

落とし穴その①:人材の同質化が起こる

リファラル採用で怖いのは、人材の同質化が起こることです。
人は一般的に自分に近い思考を持つ人間に好感を持つと言われており、リファラル採用においても紹介者が自分に近い思考を持つ人材を紹介する可能性は低くないと言えるでしょう。

似た思考を持つ人材ばかりを採用した結果、社内で思考の偏りが発生したり硬直化して新しいアイデアが出せないという事態に陥りかねません。採用時には多様性を意識し、組織の中に新しい変革をもたらしてくれる人材かどうかもチェックしましょう。

落とし穴その②:採用条件が明確ではなかった

通常の採用では明確な採用条件が提示されていますが、リファラル採用の場合、そこまで細かくないケースもあります。そのため、ミスマッチな人材を紹介されてしまうことも。採用条件が明確でないと、紹介者と知人との間にも亀裂が入りかねません。どういった人材が欲しいのか、明確に共有しておきましょう。

落とし穴その③:ロイヤリティや動機付けがない

従業員の協力や会社と従業員間における信頼関係がなければ成立しないリファラル採用。万が一、採用に至らなかった場合、知人との関係にヒビが入る可能性もあり、従業員からみるとメリットがあるようには見えないものです。「なぜ、リファラル採用をするのか」「アクションを起こすとどんなメリットがあるのか」をわかりやすく明示した上で、協力をお願いしましょう。

落とし穴その④:全従業員へのアナウンス不足

人事は当然のように知っていても、それ以外の部署は「リファラル採用について、よくわからない」「採用は人事の仕事では?」と考える人は少なくありません人。リファラル採用を導入しても、社員へのアナウンスが十分でないと陥る状況です。「リファラル採用とは何か」「リファラル採用をすることで会社に、従業員にどんなメリットがあるのか」といった事柄が浸透するまでアナウンスし続けましょう。

リファラル採用を成功させる3つの秘訣

リファラル採用には失敗のリスクもありますが、成功させる秘訣もあります。どういったポイントを押さえればいいのか、確認しておきましょう。

【1】採用課題と採用条件を明確化する

採用課題とは「採用段階のどこに問題があったのか」を洗い出すことです。リファラル採用を採り入れる企業の場合、そもそも母集団形成がうまくいっていないことも少なくありません。自社のこれまでの採用を振り返り、どこに問題があったのかを明確化しましょう。

同じく、「どういった人材が欲しいのか」という採用条件も明確化することが大切です。

リファラル採用では、人事だけでなく全従業員が採用に携わります。そのため、採用課題と採用条件を明確にしてビジョンを共有しておきましょう。

【2】リファラル採用の成果告知を行う

日々採用に携わる人事であれば、リファラル採用の応募の有無や結果がわかりますが、他部署の人間はそうではありません。一度「リファラル採用を行います」とアナウンスしただけでは、日々の業務に流されて忘れ去られてしまうでしょう。

定期的にリファラル採用の成果告知を行うことで、「〇〇さんがやっているなら、自分もやってみようか」「そういえばこの間いい人がいた」と従業員の認知度やモチベーションを維持することができます。

【3】従業員満足度を向上する

リファラル採用で大切なのは、従業員に「自社を紹介したい」と思わせることです。誰でも「残業ばっかり」「上司が嫌い」という会社を人に紹介しようとは思わないでしょう。逆に「ここは働きやすい」「評価が的確」という会社であれば、自分の友人や知人に紹介したくなります。従業員満足度を高めることは、将来優秀な人材を得るための布石にもなるのです。

まとめ

今回はリファラル採用の成功事例と落とし穴を中心にご紹介しました。自社にマッチした人材を得やすいと評判のリファラル採用ですが、一歩間違えると従業員の人間関係を破壊するリスクも。
成功の秘訣を押さえて、まずはリファラル採用の存在と意義を社内に浸透させるところから始めましょう。

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