求人広告の書き方と効果UPのコツ|作成手順、具体例を紹介
母集団形成採用時の母集団形成に欠かせない「求人広告」ですが、「応募者が集まらない」「ターゲット層を集めるにはどうしたらいいの?」など、悩みを抱える採用担当者は多くいることでしょう。
本記事では、求人広告を作成するための基本的な手順や項目別のポイント、注意点まで分かりやすく解説。読み終わったらすぐに、効果的な求人広告を作成できる情報ですので参考になさってください。
目次
求人広告を作成する際に実践したい5ステップ
【1】アピールポイントを洗い出す
【2】採用ターゲット像を明確にする
【3】ターゲットに訴求するメッセージを決める
【4】仕事内容、職場環境などの情報を集める
【5】デザインや写真素材などを集める
求職者が魅力的に感じる!見せ方・伝え方のポイント
1:自分のことだと感じられる
2:リアルなイメージが持てる
3:見やすさや読みやすさが工夫されている
4:不安要素が払しょくできている
具体例つき!効果が出る求人票の書き方
1)募集職種名
2)仕事内容
3)求める人材
4)募集背景
最後にチェック!法律上NGな表記はない?
まとめ
求人広告を作成する際に実践したい5ステップ
続いて効果的な求人広告を作る手順について、具体的に5つのステップにわけて説明していきます。
【1】アピールポイントを洗い出す
求人広告の作成にとりかかかる前に、まずは自社の魅力について整理してみましょう。整理する際は、以下のポイントについて思いつくまま挙げた上で、競合優位性となり得るポイントを見つけると良いでしょう。
残念ながら「上記項目に当てはまることがなかった……」という場合は、担当業務や給与面といった部分をアピールするのも一つです。もしそれでも全くないといった場合は、導入余地のある制度拡充などを検討してみてください。
【2】採用ターゲット像を明確にする
どのような人材を採用したいのか、「人材条件」を明確にすることはとても大切です。求めるスキルや経験はもちろん、志向性、将来のキャリアアップイメージ、社風や募集ポジションにフィットしそうな人物像といった事柄まで洗い出してみましょう。
採用担当者だけでは難しいため、配属先部署やチーム内で役職の異なる複数のメンバーから意見を聞くと良いでしょう。さまざまな視点を取り入れることで、必要な人物像が見えてくるはずです。
なお、ターゲット像をリアルで具体的にする方法として「ペルソナ」があります。以下の記事内でペルソナを設定する際に必要な項目を押さえた「作成シート」を使って解説していますので、ご参考になさってください。
【3】ターゲットに訴求するメッセージを決める
求める人材要件、ターゲット像の設定ができたら「コンセプト」を決めていきます。大切なのは、徹底的に「ターゲット層が求めている情報はなにか」「どのように伝えれば響くのか」を考えることです。
コンセプトはメッセージやデザインなど採用活動全体に関わる重要なポイントになります。伝えるべき内容をすべて洗い出してから、一番伝えたい、伝えるべき内容を1つに絞りコンセプトに決めましょう。
▼記載例:ターゲットに魅力を訴求できている例、そうでない例
〇魅力を訴求できている例 | ×魅力をうまく訴求しきれていない例 |
・完全在宅制&会議は全てオンラインで完結!ライフスタイルに応じた働き方が可能な事務職 ・転勤なし、報奨金制度あり!賞与年4回!頑張り次第で年収UPが可能な営業職 |
・縁の下の力持ちとして社員を支えるお仕事、事務スキルを活かして活躍して下さい! ・立ち上げメンバー募集中!地域密着型の営業スタッフとして当社の成長を支えてくれませんか? |
上記の通り、求職者にとってのメリットとは何かを追求し、PRポイントとしましょう。
【4】仕事内容、職場環境などの情報を集める
求人広告において効果を上げるためには、応募者が実際に入社した場合、どのような仕事をどういった環境で行うのかを事前に伝える必要があります。またそのためには、人事担当者が把握している情報だけではなく、現場から生の声を共有してもらうことが必要です。
ここで重要なのは、現場と人事・経営層がイメージする仕事内容や職場環境に乖離がないことです。実際に一緒に働くことになる社員へヒアリングを行い、詳細な仕事内容、求められるスキル、1日のスケジュール……といった具合に丁寧に情報を集めましょう。
リアルな情報であればあるほど、求職者は働くイメージを抱きやすく、応募に対するハードルも下がります。もちろん悪い情報をありのまま出す必要はありませんが、良い事だけを並べることのないようにしましょう。「求人広告と入社後のイメージが違う」という理由から早期離職につながってしまう可能性もあります。特に給与に関わる事や勤務体系など、最低限事前に知っておくべきことは記載するよう心がけましょう。
【5】デザインや写真素材などを集める
転職サイトなど同じテンプレートを使用したUI(ユーザーインターフェース)においては、特に画像イメージが重要となります。実際に一緒に働く職場の社員が写っている画像が用意できるとベストです。
なお、ここで注意したいのはその画像を見て「こんな会社で働きたいな」と思えるかどうかという点です。せっかく用意した画像なのに、写っている社員がうつむいている、オフィスが汚い、写真自体が暗いといった理由で、求職者に検討対象とされてしまっては勿体ありません。
ぜひ、転職サイトや有名企業の採用サイトなども参考にしながら、「こんな会社で働いてみたいな」と思える写真撮影を目指しましょう。
求職者が魅力的に感じる!見せ方・伝え方のポイント
求人広告をさらに魅力的にするための見せ方・伝え方のコツを4点お教えします。
1:自分のことだと感じられる
どんな魅力的な言葉をちりばめたところで、ターゲット人材に響かなければ意味がありません。前述したペルソナに対して、響く言葉は?内容は?こういったことを意識しながら、原稿を作っていきましょう。
記載例)
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2:リアルなイメージが持てる
求人広告においてなによりも重要だと言えるのが、「求職者が実際に働くイメージを抱けるどうか?」ということです。ある程度制限された枠の中で、詳細かつリアルに情報を伝えることができるかが勝負であるとまずは心得ましょう。
ここで重要となるのが、「ベネフィット」「エビデンス」「差別化」の3つの要素です。下記3要素を入れた原稿はリアルかつ魅力的だと言われています。
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(青田努(2019).『採用に強い会社は何をしているか』より)
例えば「実際に働く社員の声」といったインタビュー形式のものは、求職者に響きやすいコンテンツの一つです。ぜひ取り入れていただきたいと思います。
3:見やすさや読みやすさが工夫されている
応募条件はわかりやすさがポイント。必須条件(MUST)と歓迎条件(WANT)に分けて、箇条書きにするのがおすすめです。特に、応募条件が多い企業の場合、文章でつらつらと書き連ねてしまうと分かりづらくなってしまうため、注意しましょう。
なお、あまりに条件を絞りすぎてしまうと応募者がまったくない……といったことに陥ってしまいます。どんな「人材だったら面接しても良いのか?」といった観点で考えると、あまりハードルが上がりすぎないので良いでしょう。
4:不安要素が払しょくできている
「原稿にはこう書かれているけど、実際はこうなんじゃないか……」
こういった不安は、誰しもが抱く不安です。特に、仕事という重要な選択においては、不安がつきまとうものです。ターゲット人材に対するPRが出来たら、原稿内容にターゲット人材にとっての不安要素がないかを見直し、応募ハードルを上げていないかいま一度見直してみましょう。
例えば、応募ハードルの一つとして挙げられるのが「志望動機」の提出です。事前にこういった書類を提出させることは求職者に負荷がかかり、嫌われる傾向にありますので留意しましょう。
この他にも、「フォローアップ制度の有無」や「将来のキャリアステップ」といった項目は求職者が気にする要素です。このような事前に応募者が抱きそうな不安要素は、先回りして潰しておきましょう。
具体例つき!効果が出る求人票の書き方
求人票の記載項目にしたがって、具体的な例を挙げながら効果が出る表現をご紹介いたしましょう。
1)募集職種名
求人票の募集職種名は、キャッチコピーと同様に求職者が注目する箇所です。求人媒体によって不要な飾り文字や修飾語を嫌うものもありますが、基本的にはメリットと共に記載するのがベターでしょう。
具体的な表記例を見てみましょう。
△いまいちな例:営業職 〇良い例:既存顧客に対する自社商品の営業職/ノルマ一切なし |
2)仕事内容
仕事内容は求人票の柱とも言える内容です。実際に担当する仕事内容の詳細はもちろん、メンターなどのフォローアップ制度、数年後のキャリアアップイメージ、自らが担う役割・ミッションといったものが分かるよう記載するよう心がけましょう。
△いまいちな例: 〇良い例: |
3)求める人材
求人票においては「応募資格」や「必須経験・スキル」とも記載される項目。求職者が応募基準に達しているかどうかを見るだけでなく、期待される役どころを把握する部分でもあります。概要で記載するのではなく、求めるスキルや経験を具体的に記載すると良いでしょう。
△いまいちな例: 〇良い例: |
4)募集背景
中途採用においては、欠員募集に依る募集がほとんどを占める募集背景。求職者側も欠員に依る募集だと分かっている人が多いため「離職者が多いブラック企業ではないか?」という不安要素を払しょくする内容だとベストでしょう。特に、「新たな人員に期待すること」を交えて記載すると、イメージの良い募集背景が作成できます。
△いまいちな例: 〇良い例: |
なお、手をかけた求人広告なのに、「人が集まらない」「ターゲット外からの応募が多い」といったお悩みを抱える人事担当者の方も少なくないでしょう。そんなお悩みを解決する方法の一つとして、採用のプロに委託する採用代行サービスの検討も一つだと言えます。以下の記事ではそんな採用代行について解説していますので、ご参考になさってください。
最後にチェック!法律上NGな表記はない?
求人広告では「職業安定法」により明示すべき労働条件が定められています。何気なく記載した項目が法律上NGとされているケースもありますので、いま一度確認しておきましょう。
▼押さえておきたい法律は、下記4つです。
1.労働基準法……労働条件の最低基準を定めた法律
2.男女雇用機会均等法……性別による雇用差別を禁じる法律
3.雇用対策法……事業主に対する指針を定めた法律
4.最低賃金法……賃金の最低額を保障する法律
まとめ
求人広告作成の手順、記載するべき情報、書き方や見せ方、注意点などについて説明してきました。
大切なポイントは以下の6つです。
- 企業としての競合優位性を洗い出す(なければ導入を検討する)
- 採用したい人物像(ターゲット/ペルソナ)を具体的に設定する
- 求人コンセプト(PR方法)を決定する
- 応募条件や仕事内容などの情報は具体的に分かりやすく書く
- 法律違反にあたる表現や内容がないか必ずチェックする
- ターゲット層の応募者に「伝わる・響く」で判断する
本記事を参考に、効果の出る求人広告を作成し、採用を成功させましょう!
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