ヘッドハンティングとは?種類や採用フロー、実施時の注意点

母集団形成

ヘッドハンティングと聞くと、経営者や経営幹部といった企業のトップマネジメント層を、外部から引き入れる採用手法をイメージされる方が多いでしょう。しかし、最近は一般社員も含めて行われるようになっています。転職市場に現れることのない優秀層へダイレクトにアプローチすることができるため、検討する企業も少なくありません。

本記事は、ヘッドハンティングと引き抜きとの違いや実施方法、メリット・デメリット、注意点など、ヘッドハンティグ導入に際して知っておきたい内容をご紹介いたします。

目次

ヘッドハンティングとは?
 引き抜きとの違い
 押さえておきたい法律上の問題
【図解】ヘッドハンティングの種類や採用フロー
 ヘッドハンティングの種類
 ヘッドハンティングの情報源
 ヘッドハンティングの採用フロー

ヘッドハンティングのメリット・デメリット
ヘッドハンティング会社2選
ヘッドハンティングの注意点
ヘッドハンティング対象となる人材とは?
ヘッドハンティングによる人材流出を防ぐ施策
まとめ

ヘッドハンティングとは?

Businessman using a desktop computer with a view over his shoulder from behind of the blank screen of the monitor

ヘッドハンティング(head hunting)とは、外部の経営層や幹部層といったハイクラス人材をスカウトして調達することを指します。1930年ごろから行われていたと言われており、実は古くから行われてきた採用手法の一つです。

ヘッドハンティングを行う方法は主に以下の2種類です。
 ・ヘッドハンティング企業へ依頼する
 ・自社で人材を探しアプローチする

近年は、専門性を持つ30~40代のミドル層をはじめ、売上を上げる営業担当者や優秀ITエンジニアといった一般社員もヘッドハンティングと同様の手法によって、人材獲得する企業も少なくありません。
しかし、全労働人口に対してわずか5%しか転職活動を行っていないという数値からも分かる通り、このような人材の獲得は難易度が上がり続けているのが現状です。

引き抜きとの違い

実態としてはヘッドハンティングも引き抜きも同じような事を行うのですが、大きな違いはビジネスとして成立しているかどうかです。

「ヘッドハンティング」をサービスとして展開する企業は数千社存在しており、リクルーティングサービスとして成立しています。一方、「引き抜き」は流出元企業から訴訟を起こされる可能性があるため、ビジネスとして展開している企業は存在しておらず、この点が大きな違いと言えるでしょう。

押さえておきたい法律上の問題

日本国憲法第22条第1項で「職業選択の自由」が保障されているため、本人の意思による転職であれば問題はありません。

しかし、就業規則で「競業避止(ひし)義務規定」が定められている場合は別です。ライバル会社への転職を禁じている場合、訴訟の可能性もあるため、慎重に対応しましょう。

【図解】ヘッドハンティングの種類や採用フロー

ヘッドハンティングは主に3つの手法が存在します。サービスの種類もさまざまで分かり辛いため、図解と合わせて詳しく見ていきましょう。

ヘッドハンティングの種類

ヘッドハンティングには、自社データベースの中から条件にマッチした人材をスカウトする「マッチング型」と、転職を検討していない潜在層も視野に入れ、企業の条件にマッチした人材を探す「サーチ型」が存在します。また、最近はこの二つの良い点を合わせた「進化型」も登場。

それぞれの違いを見てみましょう。

3つのヘッドハンティング手法の違い

【1】サーチ型:転職を希望しない人も含めた潜在層の中から、自社に合った人材を探し出す

経営層や幹部層などのトップ人材としてふさわしい人材を探し出すのが、「サーチ型」です。転職顕在層・潜在層問わず、企業の人材要件にマッチする人材を全方向で探します。データベースに依らないため、よりターゲットの視野を広げて探してもらうことが可能です。

このサーチ型には以下3種類があります。

フルサーチ:業界、職種、階層問わず企業が求める人材を探し出し、ヘッドハンティングを行います
エグゼクティブサーチ(欧米型):一般的に欧米型と呼ばれており、経営層や幹部層といったエグゼクティブ層のヘッドハンティングを行います
業界特化型サーチ:IT、医療、広告など、ある特定業界のヘッドハンティングに強みを持ち、求める業界の人材に対するヘッドハンティングを行います
【2】マッチング型:転職希望者を集めたデータベース上から、条件にマッチする人材を探す

いわゆる人材エージェントや求人媒体を指します。転職を検討・希望する人材を自社のデータベース上に登録させ、そのデータベースの中から希望条件にマッチした人材を探す方法。ハイクラスや業界特化型など、さまざまなサービスが存在します。

【3】進化型:データベース×自社ネットワークを活用し、人材を探し出す

進化系はマッチング型とサーチ型の良い部分をかけ合わせたサービスです。ジーニアスなど、提供企業はまだ一部と言えますが両者の良い所を持ち合わせているので、ハイクラスからミドル、一般社員レベルまで対応することが可能だと言えるでしょう。

ヘッドハンティングの情報源

ヘッドハンティングの対象者を探す際の情報源として、現役ヘッドハンターが挙げたものをご紹介しましょう。

■紹介:ヘッドハンターが持つ独自ネットワーク、当該業界に詳しい人物からの評判
■人材データベース:人材紹介会社、自社データベース、コンサル会社等
■インターネット上の情報:SNS、企業HPの情報、記事等
■イベント:勉強会、交流会、ウェビナーの登壇者等
■業界紙や専門誌の情報
■特許情報

このようにあらゆる情報リソースをもとに多角的に判断を行い、ターゲットを調査します。

ヘッドハンティングの採用フロー

続いて、具体的にヘッドハンティングの流れについて見ていきましょう。

①ヘッドハンティング会社へ依頼する際の採用フロー

ヘッドハンティング会社の採用フロー

ヘッドハンティング会社を介してヘッドハンティングを行う場合、人材要件をサーチ会社へ伝えた後はサーチ会社が要件にフィットする人材を探し出して紹介してくれます。ターゲットは転職市場だけでなく、ビジネスパーソンとして働く人は全て対象となります。

これまでは経営・管理職といったエグゼクティブ層をターゲットにしたサービスが中心でしたが、最近はITエンジニア等の業界や職種特化型のヘッドハンティングサービスも登場しています。

一般的に契約金を前課金または一部徴収する会社が多く、700万円以上の高額な費用となる場合が多いと言えます。

要件確認

ヘッドハンティング会社(以下、サーチ会社)へスキルやキャリアなどの人材像を伝える

候補者サーチ

サーチ会社が独自ノウハウで転職希望のない人材も含めて候補者を探す

調査

サーチ会社から候補者へアプローチ。現在の職場環境への不満や将来への希望など本音を聞き出す

面談

募集企業へ候補者を紹介。候補者と面談する

スカウティング

サーチ会社と募集企業間で情報を共有しながら、
転職意思がない場合は候補者の入社意欲を高める

条件交渉・合意形成

給与や待遇など細かな条件まで双方合意できたら内定。
サーチ会社が交渉に入ることも

②人材紹介会社/サービスへ依頼する際の採用フロー

人材紹介会社の採用フロー

人材紹介サービスも基本的にはサーチ会社と流れはほとんど同じです。異なるのは検索対象となるのが、人材紹介会社のデータベース・DB上になるという点です。

成功報酬型を採用する会社が多いため、年収500万円の人材を採用したい場合は、最低でも年収の35%(175万円)はかかると考えましょう。

要件確認

人材紹介会社へスキルやキャリアなどの人材像を伝える

②DB内で
候補者をサーチ

人材紹介会社に登録している求職者データベース内から
要件にフィットする人材を検索

③スカウトおよび面談実施

人材紹介会社と候補人材で面談を行い、
募集企業の紹介及び応募促進を行う

④紹介≒応募

人材紹介会社のデータベースを通して、候補人材から募集企業へ
応募が入る。通常の選考同様、面接を行う場合も多い

⑤条件交渉
・合意形成

人材紹介会社を通して、入社条件等の条件交渉を行う

③自社でヘッドハンティングする際の採用フロー

企業自身でヘッドハンティング

自社でヘッドハンティングを行う場合のフローはいたってシンプルで、人材要件に合う候補者を探し出しアプローチする形になります。サーチ型同様、候補者を探し出すリソースは企業によってさまざまで、FacebookやTwitterといったSNSやスカウトに強いLinkeIn(リンクトイン)などのサービスを活用する企業も少なくありません。

前述した2つの手法と異なるのは、ツール等の利用費は除くと、採用コストが大幅に低いという点です。但し、こまめな連絡やフォローが必要となることや、人材発見までに時間がかかることから急を要する場合には不向きだと言えるでしょう。

①情報収集

自社のターゲット人材が存在するメディア、SNSなどを
調査して登録する。場合によっては新聞、ニュース、論文といった記事も活用する

②候補者について調べる

経歴などを含めどのような仕事を行ってきたのか
しっかりと候補者について調査する

③スカウティング

競合他社の条件等もふまえ、自社に来て欲しい旨を
候補者に伝え口説く(スカウトメール、電話、手紙等)

※「なぜあなたに来て欲しいか」「当社であればどんな事が実現できるか」といった具体的内容を伝えること
※メールは1回送っただけではスルーされることも多いため、2度3度とアタックする気持ちで取り組むこと

④条件交渉
・合意形成

候補者の希望条件等をヒアリングし、
入社条件等の条件を決定する

ヘッドハンティングのメリット・デメリット

ヘッドハンティングを導入・実施するにあたってのメリットやデメリットはどんなものでしょうか。ご紹介します。

メリット

最も大きなメリットは、転職市場に出ていない優秀な人材にアプローチできることでしょう。前述の通り、人材獲得競争は年々激化傾向にあります。転職サイトを利用したり自社サイトで募集をかけたりするなどの従来の「待ちの採用手法」だけでは、なかなか成果が見込めません。

その点ヘッドハンティングでは、他社がその存在に気づいてない人材をターゲットに、水面下で採用活動が展開できます。企業が公表しない限りは、自社社員に知られることもないので、不要な対応に追われることもありません。

また、他の手法では出会えないような優秀な人材の採用が期待できるのもヘッドハンティングならでは。優秀な人材を引き入れることで、企業の成長につながる可能性が他の採用手法に比べて高くなります。

デメリット

ヘッドハンティングのデメリットは、時間もマンパワーもコストも要することです。もともと転職意思のない人もターゲットとなるため、候補者を絞る作業に手間がかかります。

また、候補者の意識をそれまで興味のなかった転職へと向け、さらにはその企業へと向ける必要があるため、面談を重ねる必要があります。多くのマンパワーが必要となり、採用までに要する期間は6カ月程度にはなると言われています。

もちろん、サーチ会社や人材紹介サービスを利用すれば、マンパワーを削減し、採用にかかる期間も短縮できる可能性はありますが、一方でコストがかかってきます。会社に依って異なりますが、料金体系は着手金+採用した人の年収50%の成功報酬など、合計500万円、1,000万円、2,000万円など、かなりのコストがかかる覚悟が必要です。

ヘッドハンティング会社2選

LinkenIn(リンクトイン)

世界200以上の国と地域に7億5,600万人以上のメンバーが登録するビジネスSNS。

タレントソリューションと呼ばれるサービスを展開し、転職潜在層を中心とする求職者データベースを活用したスカウト活動が可能です。他のサービスと大きく異なるのが、登録者は必ずしも転職を希望している顕在層ではないという点、外資系、ベンチャー系、人材系企業の登録者が多い点でしょう。ミドルやハイクラス層を狙いたい採用担当者の方は、利用すると良いでしょう。

BIZREACH(ビズリーチ)

CMなどでも有名なビズリーチ。123万人以上の登録者数を誇り、ハイクラスの転職に強みを持ちます。毎月5万1,000人以上の求職者が会員登録しており(※集計期間は2020年8月~2021年1月)、50種類以上の業種・100種類以上の職種といった詳細条件による検索が可能です。

ヘッドハンティングの注意点

ヘッドハンティングを行う際の注意点をご紹介します。主には次の2点が挙げられます。

他社との関係性が悪化するリスク

転職が珍しくなくなった現代において、自社の社員が他社へ転職したという経験を持つ企業は少なくありません。また、転職すること自体が大きな問題になることはないでしょう。

しかし、もともと転職の意思がなかった社員を「ヘッドハンティグ」されたとなれば、従業員を失った企業の心証は非常に悪いものになります。取引先との良好な関係性を持続したいのであれば、取引先企業のヘッドハンティングは慎重に検討する必要があります。

社内外への不安感に繋がるリスク

ヘッドハンティングを検討していることが社内外へ知られると、「経営層が刷新されて今後の取引に影響があるのでは?」といった懸念や「評価基準が変わって、自分は使えない人間だと評価されるかもしれない」といった社員の不安をかき立てる可能性があります。

このような根拠のない不安や噂を立てないためにも、ヘッドハンティングを行う際は、情報が周囲にもれないよう秘密裏に進める必要があることを心得ましょう。

このような情報漏洩リスクを防ぐ一手として、採用代行サービスに依頼するのも一つです。採用のプロが協力なグリップ力で社内に知られることなくヘッドハンティングを行ってくれます。最近は依頼できる内容が様々ですので、以下記事より詳細をご確認下さい。

ヘッドハンティング対象となる人材とは?

ヘッドハンティングされる人はどんな人でしょうか?対象者の特徴をご紹介しましょう。

高い水準の実績・能力がある

当然ながら、ヘッドハンティングの対象者は他社でも実績を出してきた人材が対象となります。

前述の通り、人材不足が深刻なマネジメントができる経営層や幹部層で活躍するミドル層をはじめ、売上を上げることができるエース級の営業担当者や優れた開発力を持ったITエンジニアなどは、企業ニーズが高いと言えるでしょう。

最近はリモートワークの増加によって「遠隔でもしっかり実績や成果を出せる」という点もキーポイントです。

将来的なビジョンがある

近年、注目され始めているのがその会社における「働きがい」の部分です。

働きがいは「目標に対する納得感」×「有能感」×「自己統制」といった内発的動機づけによって、高められると言われています。このような内発的動機づけで動くことができる人材は、たとえ職場が変わったとしても即戦力として活躍してくれる可能性が高いと言えます。

この要素を持っているかどうかを確認する方法として有効なのが、自分自身の将来的ビジョンを語れるかどうかです。特に、ミドル層は社長や経営層のビジョンを行動に落とし込むことがミッションとなるため、どの程度の仕事をしてきたのかを測るために質問してみると良いでしょう。

ヘッドハンティングによる人材流出を防ぐ施策

ヘッドハンティングによって優秀な人材を採用できる企業があれば、ヘッドハンティングによって大切に育て上げた人材が流出してしまう企業もあります。ヘッドハンティングによる人材流出を防ぐにはどのような防止策が考えられるでしょうか。ご紹介します。

定期的にミーティングを実施し、ニーズを聞き出す

優秀な人材の流出を避けるために有効なのが、普段からエンゲージメント(愛社精神)を高めておくということです。
同僚や直接の上司、時には普段かかわりのない部署の上役や経営陣とのコミュニケーションの場を設けることは、社員エンゲージメント向上に有効な方法の一つです。社内報や社内SNS、ランチ会やイベントなど、コミュニケーションを図る手段はさまざまあるので、自社に合ったものを選択しましょう。
また、定期的に1on1ミーティングを行い、最近の仕事の状況を聞くとともに、仕事上サポートしてほしいことや今後挑戦してみたい仕事、会社に改善してほしいことなどを聞き出すのも効果的です。

適切な人事評価体制を整える

「あれだけ頑張ったのに昇給していない」、「あの人が自分より高い報酬を得ているのは不公平だ」など、人事評価への疑問は、大きな不満へとつながる恐れがあります。退職の意志を伝えられてから給与を上げるのも「給与を出し渋っていたのでは……」と心象が悪くなる可能性があります。

このような悪印象を与えないためにも、普段から社員に「自分の頑張りを見てもらえている」、「正当に評価されている」といった意識を持ってもらうことが大切です。そのためには人事の評価制度に透明性があることが求められます。適切な人事評価体制を整え、評価基準を社員にも共有することが大切です。

社員のライフワークバランスを保てるよう整備する

働き方改革の影響で、「ワーク・ライフ・バランス」の重要性が再認識されています。仕事だけでなくプライベートも充実させたいと思っている社員も少なくないでしょう。企業が社員のワーク・ライフ・バランスを支援するには、福利厚生の役割が大きくなります。

可能な範囲で、各種休暇制度や短時間勤務制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度など、状況に応じて社員が働き方を選択できる制度をつくり、それらを利用しやすい環境を整えることが重要です。

「自社にはアピールできる福利厚生がない」、「お金がないので導入できない」と考えがちな福利厚生。ペット同伴出勤や独自休暇制度など、実はお金をかけずに手軽に取り入れられるものもありますので、こちら記事も参考に検討してみてください。

まとめ

ご存知の通り、人材獲得競争は年々激化しています。こと優秀な人材は多くの企業が欲しいと考えるため、採用担当者の方は競争に打ち勝つため本腰を入れて口説き落とす気持ちで取り組む必要があります。

・常にアンテナを張っておく
・メディアミックスで取り組む
・自社の優秀人材流出も併せて防止する

労働力不足によって企業成長を止めないよう、これらのことを合わせ技で実施しましょう。

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  • ストレスへの耐性
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  • コミュニケーション力
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こういった多くの中途採用を行う企業が人材に対して求める能力・素質を見極める上で

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