中途採用で失敗する企業の特徴6つ|失敗による損失や成功させる秘訣を紹介

母集団形成

中途採用担当者は採用業務以外にもたくさんの業務を抱えています。そんな中、時間や労力・費用をかけて採用活動を行ったにも関わらず、「内定を辞退された」「採用した人がすぐに辞めてしまった」「社風にマッチした人材を採用できない」と結果が出ないことも。

採用活動に失敗はつきものですが、「失敗は成功の母」という言葉の通り、失敗の中にこそ学ぶべきことがあります。この記事では、中途採用の失敗例とそれに伴う損失、そして成功に繋げるための方法をご紹介します。

目次

中途採用に失敗する企業の特徴6つ
 採用の準備期間が足りない
 求める人物像が不明確、もしくは採用困難な人材を求めている
 事前のヒアリングやすり合わせが不足している
 育成観点を持っていない(定期的なフォローや研修制度がない)
 要注意人物を採用している(採用ノウハウ不足)
 選考プロセスや内定までの所要期間が長い(面接回数が多い等)
中途採用でよくある失敗事例3つ
 事例1:経験者を採用したが、自社のやり方に馴染まない
 事例2:入社して数ヶ月でより好条件の会社に転職していった
 事例3:周囲と馴染めずつぶれてしまった
中途採用の失敗によるデメリット
中途採用を成功させるための具体的方法
 心構え、考え方
 準備・計画
 具体的な採用方法と成功のキーポイント
 中途採用に向いている採用手法3選
今後、企業として持っておきたい姿勢
まとめ

中途採用に失敗する企業の特徴6つ

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中途採用は人手不足が起きた際の穴埋めが目的となるケースが多く、即戦力募集がほとんど。「早く人手不足を解消したい」という思いから、妥協して採用してしまうことも少なくないでしょう。

そのため、企業の求める人物像と求職者のビジョンが一致しておらず、入社後ミスマッチが起き、早期退職に繋がるケースもあります。ここでは、そういった中途採用を失敗してしまいがちな企業の特徴を6つご紹介します。

採用の準備期間が足りない

採用活動には時間と労力、費用がかかります。欠員が出てから募集をかけると、採用の準備期間が足りず満足な人材を獲得できないまま、実際の業務に影響を及ぼす恐れも。

令和元年9月に厚生労働省が発表した「中途採用に係る現状等について」によると、中途採用を行っている企業は従業員規模が小さい傾向に。過剰な人材を抱えていられるほど余裕のある企業はほとんどないことが分かります。

採用担当者や現場、そして企業にダメージを与えないよう、急な欠員に備えて事前にしっかり準備しておくことが大切です。募集する部署や配属先の上司と十分にすり合わせを行い、求める人物像を明確にした上で、適切な準備をしましょう。

求める人物像が不明確、もしくは採用困難な人材を求めている

面接の際には、「どれだけ自社の事業を理解しているか」「どういった志向やキャリアプランを持っているのか」をしっかりヒアリングし、自社の職場環境に合致するかどうかを見極める必要があります。
求職者が持つビジョンと自社の職場環境が合致していない場合、早期退職の原因になりかねませんので、きちんとヒアリングを行いましょう。

事前のヒアリングやすり合わせが不足している

面接の際には、求職者がどれだけ事業を理解しているか、その上でどういった志向やキャリアプランを持っているのかしっかり聴き出しましょう。そしてそれが自社の職場環境に合致しているのかをきちんと確認するようにします。このビジョンと現状が合致していないと早期退職の原因になりかねません。

育成観点を持っていない(定期的なフォローや研修制度がない)

中途採用した人材は経験者であるため、定期的なフォローや研修制度を持たない企業も少なくありません。しかし、同じ業界内でも会社によって業務の進め方が違ったり、社風に馴染めなかったりすると、採用者本来のパフォーマンスが満足に発揮できないこともあります。

即戦力を求める中途採用とはいえ、企業特有のやり方や文化は教育する必要があります。こちらの記事では、中途採用者に必要な研修内容や研修の方法、研修を成功させるポイントについてご紹介しています。中途採用者に対する研修を行う際の参考になれば幸いです。

要注意人物を採用している(採用ノウハウ不足)

採用ノウハウが不足していると、面接や書類選考において要注意人物を見破ることができずに採用してしまうケースがあります。要注意人物とは、職歴を詐称している人や、スキル不足の人などです。

面接を通してこういった人材を見抜けないと、入社後のトラブルにもつながりかねません。こちらの記事では、「なんでこんな人を採用したの!?」と言われないための面接方法をご紹介しています。嘘を面接で見破るための質問方法や行動特性を見極めるための面接方法など、要注意人物を採用しないための参考になれば幸いです。

選考プロセスや内定までの所要期間が長い(面接回数が多い等)

内定までの所要期間が長いと、求職者が不安を感じ、待ちきれずに他社への入社を決めることも。結果として内定辞退にも繋がりかねないため、自社への意欲が高い人材でも、企業はスピーディーな対応を心がけましょう。

一般的に、中途採用で内定までにかかる期間は計画開始から3ヶ月と言われています。求職者と連絡を密に取り、内定までスピーディーに進めることが望まれます。面接の回数を減らすなど、場合によっては臨機応変な対応も検討しましょう。

中途採用でよくある失敗事例3つ

採用は「採用したら終わり」ではありません。中途採用した人物が自社に馴染み、そのスキルを使って会社に貢献することで初めて「成功」と言えます。しかし、成功には失敗がつきもの。ここでは、よくありがちな失敗例を3つご紹介します。

事例1:経験者を採用したが、自社のやり方に馴染まない

「職種経験者で高い実績を残してきたとアピールしていたので採用したが、前職のやり方を引きずってなかなか自社のやり方に馴染まず、業績も上がらない」

同じ業界や職種の経験者を採用した場合、「経験者なのだから」と研修や教育を放置しがちです。しかし、同じ業界であっても企業によってやり方が異なったり、手順が違ったりすることもあります。結果、中途採用者が戦力にならないということも。今までのやり方を確認し、自社の方針とすり合わせるようにしましょう。

事例2:入社して数ヶ月でより好条件の会社に転職していった

「現場からは即戦力や技術力を優先して欲しいと言われ、会社のビジョンや風土に共感してくれた求職者よりも、技術力の高い人を採用した。結果、半年持たずにより好条件の会社に転職してしまった」

人手不足のため、即戦力や技術力を優先し、会社のビジョンや求職者の志向・価値観をないがしろにした場合に起こりがちなケースです。会社のビジョンなどに興味のない人は、収入や役職などを重視し、より好条件の企業に転職をしてしまうことがあります。

事例3:周囲と馴染めずつぶれてしまった

「入社した社員と他の社員とのコミュニケーションがうまく取れず、業務に影響が出てしまった。配置部署を変えるといった施策も行い、複数のメンバーと関わったが、どの人とも上手くコミュニケーションがとれなった」

中途採用者は社会人経験者なので「うまくやってくれるだろう」と周囲とのコミュニケーションのフォローを忘れがちです。しかし、中途採用者の立場になると、すでに出来上がったコミュニティーに一人で入る形になります。慣れるまでは周囲とコミュニケーションが取りやすくなるよう、直属の上司などにフォローを依頼しましょう。

中途採用の失敗によるデメリット

中途採用に失敗してしまう企業の特長や失敗例をご紹介してきました。失敗によるデメリットについて見ていきましょう。

企業の採用活動では、

  • 経済的コスト(お金)
  • 時間的コスト(時間)
  • 人的コスト(労力・手間)

がかかります。採用に失敗してしまった際、これらが全て無駄になります。また求職者本人も精神的なダメージや人生に影響を及ぼすこともあります。企業側、求職者側双方にデメリットをもたらすため、採用の失敗は極力避けなければなりません。

中途採用を成功させるための具体的方法

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採用の失敗を踏まえた上で、次は成功に繋げるためのポイントをご紹介します。

心構え、考え方

  • 採用の目標を早く達成したくても、採用基準を下げたり、妥協で採用したりしない
  • 長いスパンで、焦らず地道に採用活動を行う
  • 自社にマッチする人材を見つけ出し、入社して活躍してくれるまで育成のサポートを続ける

準備・計画

  • 採用目的を明確にする(社風やビジョンを踏まえ、どういう人がどうして必要なのか明確にする)
  • 採用目標のすり合わせや社内共有をする(なんのために採用するのかを共有する)
  • 採用予算の設定を行う(採用目標を達成するために必要な予算を算出する)
  • スケジュールを決めていく(面接官の調整や選考プロセスを決める)
  • 求める人物像の言語化を行う(複数の面接官や採用担当者と求める人物像を共有する)
  • 募集要項を作成する(求職者に見やすいものを心がける)
  • PR方法を考える(欲しい人材が応募しやすいPRを考える)

具体的な採用方法と成功のキーポイント

  • 他部署の面接官や複数の担当者にも分かりやすく対応できるよう、評価制度をきちんと設ける
  • 採用ノウハウをデータベース化し、複数の担当者で共有する
  • これまでに中途採用入社した人で、活躍している人の入社理由や企業の魅力などをヒアリングしてまとめておく

中途採用に向いている採用手法3選

近年では、さまざまな採用手法が使われています。その中でも中途採用に適した採用手法を3つご紹介します。

構造化面接

構造化面接とは、事前に評価基準や面接での質問項目を決めておくことで、採用担当者以外の面接官であっても一定の評価をすることができる面接手法のことです。面接時間の短縮や複数人が関わる選考プロセスでは効率的といえるでしょう。

こちらの記事では、構造化面接を導入すべき企業や構造化面接のメリット・デメリットについてご紹介しています。自社に構造化面接を導入すべきか検討する際の参考になれば幸いです。

リファレンスチェック

リファレンスチェックとは、応募者が提示した履歴書や職務経歴書の内容が事実と合っているか、前職の上司や同僚に確認することです。書類や面接では見抜くことができない求職者の本質を見抜くことができます。求職者が提示した技術力と実際の実力の差を見極めたり、職歴の詐称を防いだりするために役立つ採用手法です。

リファレンスチェックの詳しい方法についてはこちらの記事でご紹介しています。リファレンスチェックのメリット・デメリットや導入の注意点、具体的な質問内容などが記載されておりますので、ぜひご一読ください。

採用代行(RPO)を利用する

採用代行とは、自社の採用業務を外注することです。人材紹介とは違い、自社の業務をアウトソースすることで、人事の負担を軽減します。「これまで中途採用で失敗続きだった」「どうすれば好転するのかわからない」という場合には、プロに頼むのも選択肢の一つです。

こちらの記事では、採用代行を利用するべき企業や採用代行のメリット・デメリット、採用代行会社を特長別に20社ご紹介しています。自社で採用代行を使うか検討する際の参考になれば幸いです。

今後、企業として持っておきたい姿勢

テクノロジーの発達により、これからは「人手」が不要となる時代が来るでしょう。そういった時代では、単に業務をこなしていく「人手」ではなく、会社のビジョンを理解・共有し、共に進んでいく「人」の存在が会社の財産となります。

今後、企業はこの財産となる「人」の採用を進めていくことが求められるでしょう。

まとめ

中途採用を失敗してしまった企業の特長や、それを踏まえた上での成功する秘訣をお伝えしてきました。採用の失敗は企業、求職者双方に大きな損失を与えます。損失を避けるためには、まず「なんのために、どんな人を採用したいのか」を明確にし、これをベースに一つずつ計画して行いましょう。

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候補者の本質を見抜く本気の質問77

77の質問数回の面接を通して、候補者が自社で活躍してくれる人材なのかどうかを見極めることは非常に難易度が高いことです。

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