採用パンフレットを効果的に活用する!作成目的や盛り込むべき内容

コストダウン

「B to B企業」「中堅・中小企業」「非上場」といった企業の場合、自社の名前を知ってもらうことに苦労される企業が多いことと思います。今回は、このような企業が採用パンフレットを効果的に活用することで、求職者の認知度を高める方法について解説いたします。

新型コロナウィルスによる影響を受け、リアルでのイベントは控える傾向にありますが、今後もリアルでのイベントや選考が全く無くなることはないと言えるでしょう。また、採用パンフレットは一度作っておけば長く活用できる採用ツールです。盛り込むべき内容や作成方法、ポイントなどを押さえ、ぜひ長期的に活用できる効果的なツールにしましょう。

目次

採用パンフレットとは?
採用パンフレットを作る目的
採用パンフレットの内容(コンテンツ例や工夫ポイント)
 会社紹介
 働き方、カルチャー
 やりがい、成長
 社員紹介
採用パンフレットの作り方
 制作会社に依頼する
 自社で制作する
採用パンフレット成功のポイント
 企業ブランディングの確立
 求職者の家族にも安心感を与える
 入社後の活躍をイメージさせる
まとめ

採用パンフレットとは?

採用パンフレットとは、自社を認知・理解してもらい親和性を高めることで入社を促す目的のツールです。会社案内やリクルートパンフレットなどとも呼ばれ、主に企業説明会やセミナー会場などで配布されます。

インターネットの普及により作成する企業は少なくなりましたが、その威力を失ったわけではありません。他社がWeb化する中であえて実施することで、自社の存在感を示すことにもつながりますので、検討余地はあると言えるでしょう。

採用パンフレットを作る目的

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(画像引用元:中途採用サクセス|採用マーケティングで採用を有利に|いま注目される理由、具体的手法

採用マーケティングの概念でファネル(漏斗)というものがあります。求職者の行動フェーズと心理プロセスを表現したもので、採用活動においては「認知」→「興味・関心」→「応募」→「選考」→「オファー」→「内定」といったフローを辿ります。

採用パンフレットは、ファネル図の上位(母数が多い)部分であり、「認知」と「興味・関心」という部分を主に担うツールで、企業のブランディングや採用ブランディングに貢献します。

また、紙媒体は一覧性が高く、家族や友達と一緒に情報を共有しながら見ることができるという強みがあるため、認知度と興味・関心を高めながら、情報共有も行うことができるツールだと言えます。

採用パンフレットの内容(コンテンツ例や工夫ポイント)

採用パンフレットのイメージ

企業側は、読み手が知りたい内容を盛り込むことや、事前に知識がないない人にもわかりやすく自社を紹介する必要があります。またせっかく作るのであれば、「企業の考えやビジョンを示して世界観に引きこまれるような『作品』でなければ無価値」とも言われています。

それでは具体的にどんな内容が必要なのでしょうか?例として、以下に採用パンフレットに盛り込むべき内容を紹介します。

会社紹介

もっとも一般的、かつ重要な項目です。内容としてあると理想的なのは、下記の通りです。

  • 企業概要
  • 企業理念
  • 社長あいさつ
  • 事業内容/サービス
  • 今後のビジョン

特に、企業概要はただ単に情報の羅列になりがちですが、「社長あいさつ」といった熱量のある情報を交えることで、他社との差別化を図ることもできます。

また、ここでも注意したいのは「読み手に最後まで読ませる工夫」です。

★工夫ポイント★

例えば、漫画やイラストなどを駆使してパッと見て情報が入るよう工夫する、企業紹介をクイズ形式にする等、遊びの要素を取り入れることで、読み手の興味を引くことができ、より深い企業理解につながります。また後々、「こんな会社あったな」と思い出してもらうリマインド効果も狙うことができるのでオススメです。知名度の低さに悩む企業であればあるほど、意識しましょう。

働き方、カルチャー

労働者の価値観の変化に伴い、最近は一緒に働く人や職場環境・文化といったものを重視する人が増えています。下記の様なものを入れられると良いでしょう。

  • 社員のキャリアを応援する制度
  • がんばる社員を表彰する制度
  • 家族やプライベートも大切にできる制度、文化
  • 年齢に関係なく、言いたいことが言える文化
  • 和気あいあいとした社風
  • コンプライアンスの遵守&徹底する姿勢
  • 社員の自立性を重視する働き方

★工夫ポイント★

「こんな制度(文化)働きやすくないだろうな」と決めつけではいけません。自社の制度や社風を一度全て洗い出し、少しでもターゲットに届きそうなものは記載するようにしましょう。もし頑張っても何も出てこないのであれば、改めて制度を作ることを検討されても良いでしょう。

社員の働きやすさを向上させる制度の一つとして挙げられるのが、福利厚生制度です。下記の記事では、「昼寝制度」や「ペット同伴OK」といった面白い取り組みを行う事例をご紹介していますので、導入の際の参考にしてみてください。

関連記事福利厚生で採用を有利に!導入によるメリデメや事例、代行サービス

やりがい、成長

働くことで感じるやりがい、求める成長イメージは人それぞれです。最近は、給料よりも「会社の存在意義」を重視する人も増えていますので、下記を参考にしていただきぜひ自社にフィットするものを記載しましょう。

  • 難しいことに挑戦している事業
  • 世間的に注目を浴びている会社
  • 多くのことが学べる仕事
  • 人に影響を与える仕事
  • 社会貢献度の高い仕事
  • どんどん成長できる仕事
  • 未知の仕事をのぞける仕事
  • 流行のものに触れられる仕事

★工夫ポイント★

就職・転職は、人生を変えるうえでの重要な決意事項です。そのうえで、どんな欲求に訴えかけることが心を動かすことにつながるのかを考えましょう。

上記のような環境下で、活躍や自己実現ができているさまざまなキャリアの社員を紹介することで説得力を持たせることができます。その他、組織図を掲載することで会社全体の相関図への理解も促すことができるでしょう。

社員紹介

実際に働いている社員の声は、求職者の関心が高い要素の一つです。多様な社員の生の声を掲載することで、よりリアルな会社の雰囲気を伝えることができるでしょう。

下記はインタビュー対象者の例です。ご参考になさってください。

  • 新卒入社の若手社員
  • 中途入社の社員
  • 子育て中の社員
  • 外国籍社員

★工夫ポイント★

良い点ばかりをアピールすると「そんなにおいしい話があるはずはない」と求職者に対して疑念を抱かせ、信頼性を損なう場合も。大変な事、苦労した事なども織り交ぜつつ「●●で苦労したが、○○をすることで困難を乗り越えることができた」といった前向きな話題の中で具体的なエピソードを入れると良いでしょう。

また、社員の経歴や時系列での「1日のスケジュール」や「プライベートの過ごし方」といった内容も掲載することで、入社後のリアルなイメージを持ってもらうことができるので、要素としてぜひ検討してみてください。

採用パンフレットの作り方

採用パンフレットの制作期間は、内容にもよりますが平均約3カ月間を要するため少なくとも使用開始タイミングの3カ月~半年前には準備を始める必要があります。

また、大きな流れとしては「1.企画検討」「2.デザイン制作」「3.校正」「4.印刷」のプロセスを経て完了します。主な制作方法は、「制作会社に依頼する」または「自社で制作する」2パターンがあります。以下でメリット、デメリットとともに紹介します。

制作会社に依頼する

制作会社に依頼した場合のメリットは、

  • 豊富な知見やノウハウ、客観的な視点に基づいて掲載内容を判断することができる
  • ハイクオリティなクリエイティブを期待することができる

という点です。

制作会社によってはテンプレートが決められている場合もあるため、「自社らしさを表現したい」「自由度が高いパンフレットを制作したい」などの場合には制作会社を選ぶ際に留意が必要です。採用パンフレット制作の知見やノウハウ、リソースが十分でない企業は制作会社に依頼してもいいでしょう。またノウハウやリソースがある場合でも、企業ブランディングを戦略的に構築したい、同業他社との差別化を図りたいなどの課題感がある場合は一度プロの意見を聞いてみてもいいかもしれません。

(コスト例)

  • 採用パンフレット(8ページ程度・印刷部数1000部):40~50万円程度
  • 採用パンフレット(20ページ程度・写真撮影・取材あり・印刷部数1000部):150~200万円程度

(参考:【100人のデザイナー】採用パンフレット|JAZYブランディング株式会社)

自社で制作する

自社内に豊富なノウハウや技術力、リソースがある場合は採用パンフレットを自社で制作することが可能です。メリットは、コストの低さです。自社で制作する場合は完全にオリジナルの採用パンフレットを制作することが可能です。ただし、制作に時間や労力を要する点や、一貫性のある採用ブランディングの構築に留意が必要です。コンセプトやブランディングが確立している場合はこちらの手法を検討してもいいでしょう。

採用パンフレット成功のポイント

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採用パンフレットの目的は、自社を知ってもらうことだけではありません。自社を知ったうえで入社したいと思ってもらうこと、さらには入社後に長く活躍してもらうことが最大の目的と言えるでしょう。以下では、これらを実現するためのポイントについて3点ご紹介します。

企業ブランディングの確立

企業としてどのような人材に入社してもらいたいか、どのような印象をもたらしたいかを明確にして、一貫性を持って企業理念やビジョン、社風、魅力を伝えることが大切です。

求職者の心に確実に届けるために「社員の顔・職場などの写真」を多く使い、可視化してアピールしましょう。

写真は文字よりも視認性が高く、記憶に残りやすいという特性があります。社風を伝える際のツールとして有効ですので、「多様な社員が活躍する雰囲気」や「活気にあふれている元気なイメージ」など会社として伝えたいイメージやコンセプトを固めてから撮影をおこなうといいでしょう。尚、プロのカメラマンに依頼する場合、写真撮影の予算は約1日5~10万円が相場です。

求職者の家族にも安心感を与える

求職者が入社する際には、会社に対する家族からの信頼を得ることも重要なポイントです。転職は長期的な付き合いをスタートさせるか否かを見極める大きなライフイベントだからです。安心感を与えるためにも会社の過剰アピールではなく、社員の声を用いて届けることが有効です。紙媒体である特性を踏まえて、限られたページの中で「求職者やその家族に何を伝えたいか」を意識して構成や掲載内容を考えましょう。

まず、採用パンフレットは情報の質も量も会社評価における大きな判断材料になります。情報の質については、ワークライフバランスや教育研修制度、福利厚生、業績を分かりやすく可視化することで、「働きやすい会社」「安心して働ける会社」であることを伝えましょう。例えば、競合他社とのデータ比較やアワードなどの対外評価の実績などを視覚的に紹介すると説得力がある情報として伝えることができるでしょう。

情報量については、少なくとも競合他社よりも多いボリュームで制作することをおすすめします。情報量を充実させることで、「私たちのために作っているな」「誠実な会社だな」という印象を与えるからです。また、読み手に安心感を与え、かつ長く付き合うためには良い点ばかりだけでなく、改善するべき点も併せて見せていくように心がけましょう。

入社後の活躍をイメージさせる

情報として説明文を掲載するよりも、役員や社員の顔、リアルな声を掲載したほうが入社した後に自身が活躍するイメージが伝わりやすくなります。例えば、多様な社員のこれまでのキャリアや日々の業務スケジュール、若手社員と中堅社員の対談記事を記載したりするなどです。社員の言葉を掲載する際には、ダイバーシティをPRするためにもさまざまなバックグラウンドの社員を起用して戦略的な構成にすることをおすすめします。

採用パンフレットを導入する上で重要なのは、企業ブランディングも含めた包括的な取り組みです。社員の中から協力者を募る、インタビュー時間を確保するなど、工数もかかるでしょう。こういった時間を割くことができないといった課題感をお持ちの企業は、採用代行(RPO)サービスに頼るのも一つです。採用活動をまるっと任せることができるサービスもありますので、ぜひ併せてご検討ください。

関連記事採用代行(RPO)20社を徹底比較|選ぶ際のポイントや注意点

まとめ

より効果的な採用パンフレットを制作するためには、①「企業として誰に何を伝えたいのか」の採用ブランディングと②「読み手の欲しい情報は何か」といったニーズを的確に捉えることが大切です。もし自社でブランディング構築に行き詰まっていたり、見せ方に悩んでいたりするのであれば、プロの制作会社にすべて任せるのも有効な手法のひとつでしょう。

今一度、パンフレットを見直して本当に入社してほしい人材に自社の魅力を最大限届けられるような採用パンフレットの作成を目指しましょう。

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