現場の「ポテンシャル採用」が信用できない!人事はどう対処したらいい?
選考辞退人材不足で悩む現場から「即戦力の採用は難しそうだし、未経験でもポテンシャルのある人材だったらOK!」との声。しかし、人事選考で好印象の人材を通過させても、現場担当者にことごとく不採用にされてしまう……。そんなケースにお困りの人事担当者もいるのでは?
このミスマッチの原因はズバリ「両者間の話し合い不足」によるものです。現場がいう「ポテンシャル」とは、応募者のどの部分を指しているのか? また、現場と人事の間で認識のズレが生じる原因はどこにあるのか? 考えていきましょう。
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「ポテンシャルで採用する」とは?
そもそも「ポテンシャル採用」とは、「専門知識や業界・職種経験という制限をかけずに本人の素養で採用する」ことを意味します。つまり、応募者の現時点でのスキルや経験よりも、潜在的な能力や将来的な可能性が重視されるのです。
しかし、この「ポテンシャル」という言葉は抽象的概念なので、定義がブレやすいという問題点があります。「正社員未経験、業界未経験、職種未経験、管理職未経験……」のように、それぞれが求めるところにより、「ポテンシャル」の定義が変わってきてしまうのです。例えば「ポテンシャル」に対する視点がどのくらいあるか、みてみましょう。
■社会人としての基礎力(どんな職場でも必要になるスキル)
→ 一緒に働きやすいか?新しい仕事への適応力があるか?など
- コミュニケーション力
- 論理的思考力
- 問題解決力
- 情報収集力
- ビジネスマナー
- 計画性
- 影響範囲を考える力
- 真面目さ
■業務スキル
→ 新しい業務を遂行できそうか?前職の経験も転用可能か?など
- 応用力
- 創造力
- 文章読解力
- 数字に強い
■自己理解力
→ 自己分析がしっかりできているか?仕事への意欲はあるか?など
- キャリアビジョン
- 向上心(学習意欲)
- チャレンジ意欲
- 粘り強さ
■リーダーシップ
→ 今後の活躍が期待できそうか?マネジメント能力はあるか?など
ざっと列挙しただけでも、これだけあります。さらに、
■正社員未経験であれば……
→論理的思考力や向上心
■業界未経験であれば……
→応用力(前職の経験を異業界でも転用できるか)
■管理職未経験であれば……
→リーダーシップや計画性
といったように、求人募集のレベルやポジションによって、求められる視点が変わってくることがイメージできるでしょう。
ポテンシャル採用がうまくいかない事例
企業が求める人材像によって、ポテンシャル採用に必要な視点も変わってくると説明しましたが、ポテンシャル採用がうまくいかない事例をみてみましょう。
求める「ポテンシャル」が現場と人事でズレていた
まずは、「法人営業」の求人を例に考えてみましょう。
- 人事側
どのようなポジションであれ、採用後に自社でしっかり育成していくつもりなら、最優先したいのは「論理的思考力」だろう
↓(人事選考通過)
- 現場側
次期マネージャー候補として「マネジメントの潜在的な能力」を持ち合わせている人材がほしい
↓(人事側の推薦者は、論理的思考力には優れているが「プレーヤータイプ・一匹狼タイプ」で、人をサポートすることが苦手そう。マネジメント業務は不向きかも)
- 不採用
これは極端な例ですが、応募者に求める能力の優先度の相違によって、現場側で不採用と判断されることもあり得るのです。
どんな「ポテンシャル」を重視するか整理できていない
■採用要件の整理が必要
現場側が、事前に必要な能力の優先順位をつけられていないケースをみてみましょう。
- 人事側
現場からは特にリクエストがないので、社会人としての基礎力を重視して選考
↓(人事選考通過)
- 現場側
事前に、必要とする能力の優先順位は考えていなかったけれど……
↓「Aさんは応用力がなさそうで不安」
↓「Bさんはリーダーを任せられるか不安」
↓「Cさんは慎重なので意欲的に仕事に取り組んでくれるか不安」
- 不採用
採用要件の整理ができていなければ、どのような人材に対しても不安要素が出てくることでしょう。あれもこれもと求める気持ちは分かりますが、何を優先すべきか事前に整理しておくことが大切です。
■自社の教育・研修体制の確認
中小企業でマンパワーが少なく、入社後研修などのフォローが難しい場合は、「向上心」「チャレンジ意欲」などがない受け身な人材を通過させてしまうと、あとから問題が生じることも。自社の教育・研修体制も考慮して、選考に臨みましょう。
まとめ
「ポテンシャル採用」は、聞こえはよいですが、人事と現場で意思疎通をはかることが何より重要な手法です。どのような能力・価値観でハードルを設けるのか、両者間で事前によく話し合っておくことが成功の秘訣。採用難の時代だからこそ、貴重な応募者のどのような点を評価するのか、採用基準を明確に定めておきましょう。
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