保育士不足はなぜ起きる?原因や理由、取るべき対策5つを紹介

母集団形成

共働き世帯の増加によって保育需要が高まるなか、多くの保育施設は人材の確保に課題を抱えています。保育業界の現状と施設ができる採用対策とは何か。今回の記事では成功事例を紹介しながら、解決方法をお伝えしていきます。

 目次

深刻化する保育士の人手不足の現状と課題
 求人数の多さを示す有効求人倍率
 資格保有者の6割以上が就業せず
保育士不足の原因
 保育が必要な家庭が急増
 需要と供給のバランスが崩れている
 保育士として働きたい人が減少している
保育士が退職する3つの理由
 1)人間関係が良くない
 2)就労環境が厳しい
 3)休暇が取りづらい
保育士で採用成功するための対策5選
 【1】給与・待遇面の向上
 【2】業務効率の改善
 【3】多様な働き方の実現
 【4】人事制度の整備
 【5】職場体験による就労環境の周知
まとめ

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深刻化する保育士の人手不足の現状と課題

近年の日本社会は、少子化が進む一方で待機児童問題に直面しています。女性の社会進出により、保育園の需要が高まる中、保育士不足が深刻化しています。

求人数の多さを示す有効求人倍率

厚生労働省が公表した「保育士有効求人倍率(R2.11)」によると、全職種の有効求人倍率1.09倍に対して保育士は2.69倍と高水準で移行しており、その他の職種と比較した際のニーズの高さがうかがえます。

有効求人倍率

(画像引用元:厚生労働省「保育士有効求人倍率(R2.11」より)

資格保有者の6割以上が就業せず

同じく厚生労働省の調査に依ると、保育士資格を保持しているのにも関わらず、関連職種に就業していない人は約95万人に上ることが分かっており、全体の約61%が社会福祉施設等の仕事に就いていないという結果でした。登録者数に対する従事者数の割合は微減しており、ここ10年であまり従事者数の状況に改善がないことがうかがえます。

従事者の推移

(画像引用元:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」P22より)

保育士不足の原因

なぜ保育士が不足しているのでしょうか。背景を含めた原因を見てみましょう。

保育が必要な家庭が急増

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画像引用元:厚生労働省平成30年 グラフでみる世帯の状況」P14より

保育士不足の一要因として、共働き世帯の増加に伴い、保育が必要な家庭が急増したことも関係しています。また、以前は三世帯で暮らす家庭が多く、祖父母による家庭内保育が可能でしたが、この30年間で核家族世帯が増え、家庭内での保育が難しくなりました。

このように共働きかつ核家族という世帯が増えた結果、家庭外での保育需要が高まったことで、保育士不足が加速したといえるでしょう。

需要と供給のバランスが崩れている

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保育士の不足は、主に都市部を中心に起こっています。これは、人口が都市部に集中し、特定の地域に子育て世代が増えていることが要因です。地域によって保育需要の偏りがあり、人口が多い地域では必然的に保育士ニーズが高くなり人手不足が深刻化しやすい傾向にあります。

このように、ニーズに対しての供給が追い付いていないことも、保育士不足の改善に至らない原因の一つだと言えるでしょう。

保育士として働きたい人が減少している

就業を希望しない理由

厚生労働省の調査に依ると、保育士の資格を持っている人の約半数となる48.5%が就業を希望しないという結果に。

就業を希望しない理由は「責任の重たさ・事故への不安」が最も多く、次いで「就業時間が希望と合わない」「ブランクがあることへの不安」「保護者との関係がむずかしい」となっており、いずれも働く事に対する不安の声が挙げられました。

保育士が退職する3つの理由

保育士の離職率は10.3%と高く、保育士経験7年未満の保育士が約半数を占めるなど、人材の定着が課題となっています。なぜ、保育士は早期で退職をするのでしょうか。

1)人間関係が良くない

過去の退職理由

過去に保育士として活躍していた人に対する調査に依ると、退職理由の1位が「人間関係」という結果に。9割が女性という職場も多く、長く働いている保育士と経験の浅い保育士との間で、保育方針などに関する考え方の違いで対立するといった職場は少なくないようです。

2)就労環境が厳しい

保育士が退職する理由の一つとして、就労環境の厳しさや責任の重たさが挙げられます。

保育士の仕事は、子どもの保育だけではありません。年間単位での保育計画の立案、子供の状況に関する保護者への連絡、保育相談、事務や雑務も作業に含まれます。子供の怪我や病気時の対応など、背負っている責任の重たさも小さくはありません。そのため、精神的・体力的にタフでなければならないと言えます。

また、IT化が進んでいない施設が少なくありません。連絡帳や保育記録といったアナログな対応が多く、残業が発生しやすい環境も定着しない要因の一つです。このような様々な責務に対して、給与や待遇面が適切でないため敬遠されてしまうのです。

3)休暇が取りづらい

厚生労働省が調査した結果、職場の改善希望として「未消化(有給等)休暇の改善」が30%を超えていることから、保育士が休暇を取りにくい職種であることがわかります。幼い子どもの命を預かるというプレッシャーも大きい中、精神・体力的な負担やワークライフバランスの両立が難しい点も保育士が退職する理由につながっていると考えられます。

保育士で採用成功するための対策5選

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保育士不足の解決方法として、どのような施策があるのでしょうか。以下に6つご紹介します。

【1】給与・待遇面の向上

賃金などの給与面の改善をはじめ、休日休暇などの待遇面の向上も急がれます。

その一つとして、2013年に保育士の給与・待遇の改善を目的とした「保育士処遇改善等加算」という制度が策定されています。これは、中堅役職を創設し、保育士の給与やキャリアアップの改善に取り組んだ保育園に対して補助金を支給するというものです。2019年度には保育所の体制充実を図るため加算要件が緩和されており、保育士がキャリアパスを描きやすいようになりました。

月額4万円の加算対象
(内閣府「技能・経験に応じた保育士等の処遇改善について」を編集部にて図表化)

各保育園が給与・待遇の改善に取り組み始めたことで、保育士の給与は2013年以前と比べて約13%向上しています。この取り組みを続けていくと、人材の定着や就労希望者が増加し、人手不足解消につながっていくでしょう。

【2】業務効率の改善

子どもの保育以外の業務について効率化を図ることで、残業時間を減らすことができます。まだまだ手作業が多い保育業界ではありますが、少しずつITシステムの導入も進められています。例えば、園児の登園記録や保育士の出退勤などはシステムで管理することで、ミスがなくなり時間の短縮にも。

最近は、連絡帳のアプリも開発され、手書きでの作業からスマートフォンで簡単に記録できるようになってきました。このように、保育士の業務効率を上げるためにも、ITシステムの導入も検討しましょう。

【3】多様な働き方の実現

保育士は休みが取りづらいため、仕事と家庭の両立が難しいと言われています。育児や介護など、一人ひとりの家庭環境も加味した制度を検討しましょう。

厚生労働省が短時間勤務でも正社員として働ける「短時間正社員制度」の導入を積極的に支援しています。ワークライフバランスを重視したい社員やキャリアアップを目指すパートタイム労働者などの多様な人材が、勤務時間や勤務日数を短くしながら活躍してもらうための仕組みですので、こういった制度もうまく活用すると良いでしょう。

【4】人事制度の整備

退職理由の上位に入っていた「人間関係」。企業として関与するのは難しいと考えてしまいそうな部分ですが、中立的立場で話ができるリーダーやマネージャーといった現場職員を管理するポジションを検討されると良いでしょう。また、合わせて適切な評価制度の制定も検討し、頑張っている職員が適切に評価される仕組みを整えましょう。

【5】職場体験による就労環境の周知

就労体験の必要性
(画像引用元:厚生労働省「保育士の現状と主な取組」P21より)

厚生労働省が保育士養成校の学生に行った調査に依ると、「就職先を決める際に重視したこと」として「園の保育理念・指針、保育内容」に次いで「職場の人間関係がよい」が上位に。また、保育士資格合格者の約4割が「就業予定の園・施設における職場体験」は必要であると回答しています。

この調査結果が示す通り、自分が働く職場の雰囲気や人間関係、熱意といったものは実際に目で見て肌で感じなければ分からないものです。職場見学や就労体験、就労相談会といったイベントを通して知ってもらうよう努めましょう。


まとめ

保育業界の人手不足は厳しいですが、国が改善に向けてさまざまな取り組みを進めています。各保育園も国と連携しながら、職場環境や待遇の改善に努めることで、採用課題が解決する兆しが見えてきました。成功事例を参考にしながら、今後の採用活動にお役立てください。

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