評価者訓練/研修とは?おすすめのサービス会社も紹介
母集団形成評価者訓練は人事評価制度の信頼性を担保し、人材育成に繋がる取り組みとして重要な役割を果たします。人事評価を処遇のための考課や査定に終わらせず、社員のモチベーションを向上させ、成長を支援するために必要とされる管理者としての能力・スキルを身につけるものです。
目次
評価者訓練/研修とは?
なぜ評価者訓練/研修が必要なのか
評価者訓練/研修を実施するポイント
評価者訓練/研修に役立つサービス
まとめ
評価者訓練/研修とは?
企業が社員の人事評価を行うにあたり、評価者となる役職者を対象として人事評価についての知識や評価能力・スキルを身につけさせるための訓練や研修を実施します。
人事評価は組織という枠組みのなかで業務の成果に対して人が人を評価することであり、属人性を排した公正で客観的な評価を行うために必要な取り組みです。
公正な評価をするための訓練/研修を指す
人事評価は業績という数値化できる要素に加えて、企画力や実行力などの能力と協調性や積極性などの情意といった定性的な評価が行われます。
評価者の主観が影響する定性的な項目への評価に客観性と納得性がなければ、被評価者が不満を抱くと同時に、評価制度そのものへの信頼性が乏しくなります。
評価者は公正な評価ができる能力を身につける必要があり、そのための訓練や研修を行います。
評価者訓練を実施する企業は71%
上司と部下、評価する側とされる側の立場は異なり、評価される部下の立場から評価する側になった時に、その責任の重さと評価能力の重要性が問われることになります。
そのため、組織の規模が大きい大企業では、評価者にその知識やスキルを身に付けさせる訓練や研修を行うことが一般的です。
株式会社産労総合研究所が2017年に公表された、上場企業を含む大企業を対象とした調査「2016年評価制度の運用に関する調査」によると、全体の95%の企業が人事評価制度を設けており、全体の71.4%の企業が評価者訓練を実施しています。
なぜ評価者訓練/研修が必要なのか
被評価者側は「評価される」ことに対して次のような疑問を抱きます。
・自分の何が評価されているか
・評価結果がどう処遇に反映されるか
・公正に評価されているか
・制度の手続きに則った評価か
・評価に対する説明は納得できるものか
被評価者のこれらの疑問に対し、評価者は公正かつ客観的に、被評価者が納得できる形の評価づけとフィードバックをおこなわなければなりません。
評価そのものに公正さと客観性を持たせる評価能力とそれを効果的にフィードバックするコミュニケーションスキルが評価者に求められます。
評価者による評価のブレをなくす
評価制度は自社の報酬制度や職務等級制度と結びついています。統一された基準で運用されなければならない人事評価制度が、評価者によって基準が変われば制度自体の信頼性がなくなります。
上司・部下間の信頼関係を築くことができなくなり、部下のモチベーションと生産性低下に繋がっていきます。
人事評価は定性的な要素が多く、評価者には評価能力とスキルが求められます。評価エラー(厳格化傾向・中心化傾向・論理的誤差など)の可能性を認識するとともに、客観性のある評価基準に沿った評価結果を導き出すことが必要です。
被評価者の成長をサポートできる
評価により被評価者の問題点や課題を明らかにすることで、被評価者の成長に必要な要素を把握することができます。
評価結果に基づいた能力開発や育成の方向性を明確にした上で、被評価者の成長を具体的に支援できるようになります。
組織全体の生産性向上に繋がる
評価制度で用いられる評価方法は、目標管理(MBO)・コンピテンシー評価・360度評価などの種類があります。
目標管理は設定した目標に対する達成度合いを評価に反映させるものです。それぞれの社員の目標は部門や組織全体の業績目標に関連付けられることから、目標設定が組織全体の生産性向上に繋がります。
コンピテンシー評価はパフォーマンスの高い人材の行動特性をもとに評価基準を設定します。結果に繋がる行動特性が評価制度によって認識されることで、組織全体の生産性の底上げが実現できます。
360度評価は複数の評価者を立てるものです。評価者が上司一人である場合に比べて、直接業務に関わる周囲からの評価を受けることになり、規範意識や改善点により気づきやすいという点があげられます。
評価者訓練/研修を実施するポイント
評価者訓練では、自社の人事評価制度の全体像を把握することを前提とし、評価の基本的な知識に加え、客観的に評価できる能力と効果的な形で被評価者にフィードバックするためのコミュニケーションスキルを学びます。
また、評価のフィードバックを行う期末面談以外の通常業務のなかでの指導の重要性も認識しておくべきポイントです。
評価制度の内容と目的を確認する
人事評価制度には次のような目的があります。
● 給与・賞与などの処遇を決める判断基準とする
● 社員の能力や資質を明らかにし適材適所の配置を行う
● 社員それぞれの課題を明らかにし育成に繋げる
● 目標管理を行うことで社員のモチベーションを向上させる
● 企業理念や経営戦略など企業が目指す方向性を従業員が理解する機会となる
人事評価制度の評価項目が「業績」「能力」「情意」など何を評価するものか、評価結果が自社の報酬制度や職務等級制度とどう関連するかといった点も理解しておくことが必要です。
自社の評価制度の全体像を理解した上で、従業員それぞれの「何を」「どのような基準」で評価すべきかを明確にします。
毎日の指導で心掛ける事を共有する
評価は業績や面談の際の結果を判断材料としますが、評価者の日常的な指導のなかで、目標管理や行動の結果に対する働きかけを継続的に行うことも重要なポイントです。
社員それぞれが通常業務のなかで受ける指導により、評価の方向性や目標管理の重要性を認識することで、評価に対する納得感が高まります。
フィードバック面談を行う
評価結果の伝え方、フィードバックの仕方が社員の評価結果の受け取り方を左右し、モチベーションの維持やエンゲージメントの醸成に大きく影響します。評価には限界があり評価者と部下の評価に対する認識のギャップを縮めるための信頼関係を築くことが重要です。
評価者は社員がフィードバックされる内容を前向きに捉えることができるような、コミュニケーション方法や伝え方を意識し、その技術を習得する必要があります。
ロールプレイングを行うなど、コミュニケーションスキルの訓練を行うことも有効です。
評価者訓練/研修に役立つサービス
評価者訓練を行うことができる研修/サービスをご紹介します。会場で開催されるセミナーや研修プログラムのほか、オンラインセミナー形式で開催されるもの、講師を派遣する形式などの種類があります。
サービス1: リクルートマネジメントスクール
「評価者研修~部下育成と組織業績につながる人事評価の基本~(HRQ:評価力向上研修)【1日】」
評価力を高めるためのマネージャーを対象としたプログラム。評価の基本を学ぶだけでなく、マネジメントと評価の関連を学び、評価運用スキル向上を目指すもの
【訓練内容】
1.人事評価の基本と運用のポイントをマネジメントの観点から理解する
2.部下育成と組織の成果に結びつく、高品質な評価のためのスキル習得
3.評価とマネジメント向上に役立つ、通常業務内での対話や面談の実践スキルを学習
【研修方法】
会場における研修プログラム
【価格】
55,000円(税抜)
サービス2:一般社団法人日本能率協会(JMA)
「管理者のための評価制度の原則と面談対策セミナー」
評価者が身につけるべき評価制度に関する知識と役割に対する認識を高めることを目的とする、新たに評価者となる管理者や部下の面談に課題のある方向けの研修
【訓練内容】
1.人事評価の原理原則
2.人事評価の運用~指導・育成に向けた部下とのコミュニケーション~
3.全体共有・まとめ
【研修方法】
・会場参加型セミナー
・オンラインライブのセミナー形式
【価格】
非公表
「人事考課・面談スキル向上セミナー」
面談の際のフィードバック力に課題を感じている管理者に向けてフィードバックスキルの向上を目指すもの
【訓練内容】
1.人事考課の目的とは
2.フィードバックのすすめ方
3.部下育成視点・対話のすすめ方
4.面談のすすめ方
【研修方法】
・Zoomによるウェビナー形式
【価格】
53,000円(税抜)
サービス3:マイナビ研修サービス
「評価者研修 人事評価の意義・目的を理解して評価における基本スキルを身につける」
評価の具体的方法、部下の適切な目標設定、評価者によるバラツキの是正、フィードバック面談の仕方などを学べる
【訓練内容】
・人事業化制度とは何か
・期初の目標設定
・期中のマネジメント
・業績評価のポイント
・能力評価のポイント
・評価者が陥りやすい誤った評価の傾向
・期末面談を育成に活用する
【研修方法】
講師派遣型
【価格】
見積もり
まとめ
評価者訓練は大企業の7割が行っている一般的な人事施策です。人事評価が処遇のための査定から、人材を育成し業績の向上に結びつけるための取り組みに変わってきたことが、評価者の能力・スキルが重要視されるようになった理由としてあげられます。
オンラインや動画コンテンツで訓練や研修を行うサービスも増えてきおり、積極的に取り入れていきたい人事施策の一つです。
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