採用代行(RPO)・採用アウトソーシング13社の特徴・料金を比較
コストダウン人事の本来の業務は、「採用」「育成」「配置」「評価」「報酬」「代謝」の6つだと言われています。しかし、実際の現場では膨大な採用業務に追われ、育成以降の業務に着手できていないのが実状ではないでしょうか?
この記事では、そんな課題の解決策となり得る採用代行(RPO)サービス・採用アウトソーシングについて解説。具体的なサービス内容や料金形態をはじめ、採用代行サービスを提供する13社の比較、選ぶ際の注意点・ポイントについてご紹介します。
目次
採用代行(RPO)・採用アウトソーシングとは?
採用代行とは、自社の人事が担当する採用業務を外部業者が代行することを指し、英語ではRPO(Recruitment Process Outsourcing)、日本語では採用アウトソーシングと呼ばれています。
もともとは、新卒採用における人事の膨大な業務を請け負うことに比重を置いたサービスとして誕生しました。最近は、採用難易度が高まっている中途採用領域に特化した決定≒採用成功にコミットするサービスも登場しており、その領域が広がっています。
委託できるサービスの種類
- 採用計画の立案
- 掲載媒体の選定、原稿作成
- 候補者群形成、人材選定(スクリーニング)
- スカウトメール配信
- 人材紹介会社の選定、連携
- 応募者対応、書類回収、面接日程の調整
タスク単体で依頼できるサービスもあれば、一連の採用業務全般を委託できるものも。広告運用や採用状況のレポート作成など、業務代行の範囲は提供企業によって差があるため、自社に適したサービスを見極めましょう。
違法性は?
採用代行とは、自社の人材募集を他社へ委託する行為です。採用を委託(アウトソーシング)するに伴い、職業安定法に抵触しないかどうかを懸念される方もいることでしょう。
厚生労働省が発行する募集・求人業務取扱要領に依ると、採用代行業者へ採用活動を依頼する行為は「委託募集」に該当するため、委託する場合は、厚生労働大臣または就業地の都道府県労働局長へ届け出が必要と記載されています。
つまり、厚生労働省への届け出が適正に行われていれば違法性はありません。
但し、前述の通り、様式第3号「委託募集許可等申請書」の届け出及び許可を得る必要がありますので、ご留意ください。
【徹底比較】中途採用にオススメの採用代行会社13選!料金と特徴
さまざまな採用代行サービスの中から、13サービスを厳選して比較してみましょう。各サービスを費用と業務委託可能な範囲の2軸で分類しましたので、自社に適したサービスをサクッと知りたい方はマッピング図をご参考になさってください。
株式会社グローバルウェイ(キャリコネ転職)
【料金】 |
15万円~/月 |
【特徴】 |
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株式会社コーナー
【料金】 | 15万円~/月 |
【特徴】 |
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株式会社ネオキャリア
【料金】 |
10万円/月~ |
【特徴】 |
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株式会社トライアンフ
【料金】 |
要問合せ |
【特徴】 |
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株式会社ONE
【料金】 |
10万円/月~ |
【特徴】 |
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株式会社パソナ
【料金】 | 要問合せ |
【特徴】 |
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株式会社HRアソシエ
【料金】 |
50万円~ |
【特徴】 |
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株式会社レジェンダ
【料金】 |
要問合せ |
【特徴】 |
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アデコ株式会社
【料金】 |
70~80万円/月 |
【特徴】 |
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株式会社ウィルオブ・ワーク
【料金】 |
要問合せ |
【特徴】 |
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株式会社アールナイン
【料金】 | 50~100万円/月(別途、着手金20~50万円など) |
【特徴】 |
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株式会社ワイエスプランニング
【料金】 | 要問合せ |
【特徴】 |
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株式会社ピーアール・デイリー
【料金】 |
10万円(税別)/1案件 (1案件追加毎:5万円) |
【特徴】 |
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採用代行サービスの料金形態と費用相場
<料金形態>
定額制
委託する業務範囲・期間に応じて予め設定された、定額料金を支払うタイプです。
業務範囲は母集団形成~面接設定といった具合で、委託する業務範囲によって料金が前後します。委託期間は、3か月、6カ月、12カ月……など、契約期間に応じて料金設定されています。何か追加依頼がない限りは固定料金のみ支払えば良いので、予算に限りがある企業にオススメです。
成果報酬型
採用成功に至った場合、報酬を支払うタイプです。
採用成功の定義は各社さまざまですが、面接時から内定時点、入社確定後など幅広い状況です。課金型式も「採用人数」や「採用人材の年収〇〇%」など、さまざまですので、契約時に「いつ支払い義務が発生するのか?」をしっかり確認しておきましょう。
従量課金型
委託する業務内容・業務量を伝えた上で料金を算出してもらい、支払うタイプです。
業務の難易度やボリューム感によって料金が変わるため、固定ではなく見積もりを依頼するケースがほとんどです。「負荷が高い業務だけを委託したい」といった企業に向いているでしょう。
<費用相場>
■雇用形態別の費用相場
まずは、新卒・中途・アルバイトなど、雇用形態別にかかる費用を見てみましょう。
中途採用:10万円~70万円/月 新卒採用:5万円~70万円/月 アルバイト:1万円~30万円/月 |
■業務内容別の費用相場
続いて、業務内容別に一般的な費用相場を見てみましょう。
DM、スカウト配信:3万円~/月 面接日時の設定:2万円~/月 面接代行:1万円/回 評価シートの作成:3千円/回 応募者への合否連絡:2万円/月 入社意思の確認:2万円/月 内定通知書の発送:2万円/月 媒体の管理、運用:10万円~70万円/月 |
採用代行サービスを提供する企業の中には、一つひとつ丁寧に料金を掲載してくれているところもありますが、「要問合せ」というところも少なくありません。お問い合わせの際は、相場感に応じた価格設定かどうかも併せて確認すると良いでしょう。
採用代行業者へ依頼できる業務
採用活動は上図の通り、現場のニーズ把握といった採用計画に始まり、採用手法の検討、求人票作成、候補者集団の形成、選考、内定・入社後フォロー……など、非常に広範囲です。
1)採用活動前半/採用計画2)採用活動中盤/候補者集団の形成
3)採用活動中盤/選考・面接
4)採用活動後半/候補者の確保
採用代行(RPO)サービスは、上記業務をカスタマイズして依頼できる業者もあれば、採用企画段階からフォローまで委託できるサービスもあります。具体的な内容を見ていきましょう。
1)採用企画
採用ターゲットの設定から、採用人数や期限といった採用計画の立案から委託することが可能です。ヒアリングを最初に行い、プロのアドバイスを交えながら、ターゲット設定や手法選定まで具体的なTODOに落とし込む方法が一般的でしょう。
中でも「求める人物像の設定」については、マーケティングの知識やノウハウといった専門知識も必要となるため、プロに任せることで精度高く効率的に進めることができるといったメリットがあります。
2)候補者集団の形成
採用候補となり得る人材を集める候補者集め。近年は、SNSやIndeed、リファラルなど、さまざまな手法が登場しており「自社に最適な手法はどれか分からない」といった声も聞きます。各手法のメリットやデメリット、活用方法を知らずにやみくもに取り組んでもうまくいかない事が多いため、まずはこちらの記事でまずは基本を押さえましょう。
なお、採用代行業界においては、求人広告掲載やスカウトメール配信といったピンポイントで業務代行を行っている会社も少なくありません。一方、ターゲット人材を獲得するための手法選定や選考方法のアドバイスまで、包括的にサービスを提供する企業も出てきていますので、自社の状況に合わせて選択しましょう。
3)選考活動
選考活動段階においては、説明会開催、書類選考、応募者対応、面接など、採用プロセスのコア業務のアウトソーシングも可能です。
選考の初期段階である、書類選考や一次面接、または後段階である内定者への通知や入社までの手続き、といったように一部を切り出し、重要な部分のみを自社で行うことも可能です。
また、面接官の研修やセミナーを行っている代行業者もありますので、「面接は社内で行いたいが、育成をしている時間がない」といった企業は、このようなサービスをうまく活用して選考スキルを上げるのも一つの手です。
4)候補者の確保(内定者フォロー)
採用は決まったら終わり……ではなく、研修や勉強会といった内定後のケアまで行う必要があります。特に、個々のカウンセリングなどを通して行う内定者フォローは、内定辞退を防ぐだけでなく、入社後の早期活躍や定着率を高める効果も望めるため行っておきたいところです。
またこの他にも、入社前の懇談会やオンラインランチといった企業が行うべき対応や、採用活動の振り返りや分析、次の採用に向けての企画提案などを行ってくれる企業も。採用代行に依頼すると自社の採用力が落ちるのではないかと懸念している企業は、ここまで活用するとよいでしょう。
採用代行導入のメリット・デメリット
採用代行の導入を検討する前に、メリット・デメリットを認識しておきましょう。
採用代行導入のメリット
コア業務に集中できる
採用業務には、応募者管理や試験の実施など、誰が行っても大きく差の出ない業務も多くあります。一方で、面接や内定者へのフォロー対応など自社で対応した方がよいものも。誰でもできる業務を代行してもらうことで、重要な業務のみにコミットすることが可能になります。
プロの力を借りた質の高い採用活動ができる
何社もの採用を手掛けている代行サービス会社には、蓄積された採用手法やノウハウが豊富にあります。採用活動においては対応の早さと丁寧さが重要となりますが、代行会社に依頼することによって、ミスを抑え、正確に業務を遂行することができます。
また、採用の専門家による客観的な視点が入ることで、自社の課題がクリアになることも。運用フローや今後の採用活動の見直しといった効果も期待できます。
採用コストの軽減につながる
採用代行サービスを活用することで、採用コストの削減につながることも。例えば、急に単発で採用をしたい場合や新たな採用手法を試したい場合などは、そのために人を雇うより、代行会社に頼んでしまった方が時間もコストも削減できるでしょう。
あらかじめ予算が決まっている場合は、費用内に収まる範囲での委託を相談することもできます。
採用トレンドを意識した手法や戦略を企画してもらえる
次々と誕生する採用手法に「追いついていけない!」と悩む採用担当者も多いと思います。SNSを活用したソーシャルリクルーティングなどは、よく分からないまま手を出してやけどする可能性もあります。
その点、常に最新のトレンドを把握している採用代行会社に相談すれば、リスクを抑えて最先端の手法を試すことができるだけでなく、豊富な引き出しから自社に合った方法を提案してくれます。
「最新の採用トレンドって?」と疑問に思われた方は、以下記事をご確認ください。
採用代行導入のデメリット
認識のズレが生じる可能性がある
採用代行を利用する際、何よりも重要なのは認識のすり合わせです。双方の認識にずれが生じると、かえって工数がかかってしまうばかりか、採用後のミスマッチに繋がってしまいます。採用代行を利用する場合は、求める人材像を的確にし、委託先にもしっかり理解してもいましょう。
人材要件の設定は、経営や人事戦略との紐づけをはじめ、「MUST(必須条件」と「WANT(希望条件)」「NEAR(条件とは違うけれど近しい)」といった形で、譲れない部分と譲れる部分を分類する必要があります。必要な理由や運用のポイントについてはこちらの記事をご覧ください。
採用に関するノウハウが蓄積されない
採用業務を他社に委託すると、自社内に採用ノウハウが残らず、永遠に採用代行に頼らなければならない恐れがあります。
成功・失敗の要因分析をする振り返りの時間を都度設けることで、自社内に知見が蓄積されます。目標に対する結果はどうだったのか、次回の採用に役立てるようにしておきましょう。
内定者との関係性が弱くなる
選考や内定後フォローを代行業者に依頼した場合、内定者に不信感を持たれる可能性があります。内定辞退を防ぐためにも、採用代行サービスに頼りすぎず、内定者には自社から積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
採用代行会社を選ぶ際のポイント/注意点
いざ採用代行を導入しようとなった際、どのような手順や観点で委託する会社を選べばよいのでしょうか。委託先とトラブルが起きないようにするためにも注意しておくべき点を確認しておきましょう。
委託したい内容を整理する
採用代行会社に委託できる業務は多岐に渡ります。委託する幅や量により予算も大きく変わってきます。採用代行に依頼するメリット・デメリットを再度確認し、自社で行うべき業務、採用代行会社に任せたい業務を整理しておきましょう。
実績や費用を比較する
どの会社に委託するかを検討する際、まずは実績や費用など定量的に評価できる部分をもとにスクリーニングを行いましょう。採用代行会社によって得意な業界もあります。過去の実績や費用については、HP上の情報だけでなく、実際に話を聞いて判断するとよいでしょう。
自社との相性を見極める
採用業務については会社ごとにルールや進め方があると思います。例えば、進捗報告や状況の共有方法、契約書の締結方法、各業務の対応方法についてなど、自社に合わせてもらえる、もしくは合うサービスを提供してくれるところを探しましょう。
見積もりを明確にする
業務内容が細かく分かれている採用代行サービスでは、見積りが複雑になることが多くあります。委託する内容や金額は、口頭ではなく紙やメールなど文書でやりとりし、食い違いがないよう慎重に進めましょう。最終的に契約書の締結を行う際は、依頼したい内容、期間、金額等にずれがないかもよく確認しましょう。
採用代行の導入について社長を説得する方法
社長は、人材採用業務を「人事」業務の一つだと思っています。しかし本当にそうでしょうか?
新卒採用は応募数が多く、季節変調によって業務の繁忙感に大きな差があります。こと中途採用においては、参入企業の増加や労働人口の減少などにより、難易度が年々高くなっています。
私が知る企業の中には、「いま人材が採用できなければ、受注した仕事を対応することができず、倒産してしまう」という企業もいます。それほど人材獲得競争が激戦化しており、本気で取り組む必要があるものです。
説得する際は、このような背景を交えつつ、採用のプロに力を借りるというのも一つの手段であることを理解してもらいましょう。経営者は事実(数字×事例)に弱いので、事実とともに伝えるのがベストです。
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また、人事の業務は採用だけではありません。上記のような仕事によって、会社を良くしていくことも重要なミッションです。こういった取り組みが既存社員の満足度を高め、求職者を集めることにもつながることも、ぜひ伝えましょう。例えば、「採用業務に割いていた工数を減らし、企業価値を高めることに使いたい。かつ離職率を〇%に減らしたい。」といった言い方であれば、納得度が高まるでしょう。
まとめ
「採用まわりの業務が溢れてしまっている」という企業は、採用代行も選択肢の一つに加えることをオススメします。「そもそも何を委託すれば良いのか分からない……」そんな風にお悩みの場合は、採用契約や戦略立案からコミットしてくれる企業もありますので、相談されると良いでしょう。ぜひ、今回ご紹介した内容も参考にしていただければ幸いです。
各種媒体でも効果が得られなかったら、 各種媒体へ掲載はしたけど、「期待する効果が得られなかった」という声をよく聞きます。 しかし、景気の変動、労働者の意識変容、採用手法の多様化……など、常に採用市場は変化しています。本来、このような変動要素の多い採用市場において、優秀人材を獲得することは非常に難易度が高いのです。 そのため、「常に人手不足が課題」「かけた費用に対する効果が悪い」といった課題で悩む企業が多く存在しています。 そんな課題に応えるのがキャリコ転職の「丸投げプラン」。企業と伴走しながら下記のような業務をまるっと引き受けてくれます。 求人制作のプロによる求人制作&定期的なブラッシュアップ500社の人材紹介会社への求人露出 Indeedを含む最適な広告先への出稿 手間のかかる応募者スクリーニング、選考代行 ヘッドハンティング、スカウト、内定者フォロー このような大量の業務を引き受け、採用のプロとして「採れない理由」、「採れるようになるための改善提案」を実施します。 時には、これまでの採用手法そのものや求人自体の見直しもご提案。企業様のご意見と合わない場合もありますが、我々採用のプロの提案を受け入れて頂いた企業さまの入社決定率は8割超。累計200社の決定実績を持っています。求人媒体へ掲載すると同様の格安料金での導入が可能ですので、ぜひご検討ください。 |
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