外国人採用のメリット・デメリット|雇用する際の注意点を押さえよう
母集団形成少子高齢化の影響を受け、人手不足にあえぐ企業が増加しています。特に、即戦力となり得る人材の確保は年々厳しい状況となっています。このような状況から、外国人の採用を検討される企業もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、外国人を採用する方法をはじめ、メリットやデメリット、滞在ビザなどの注意点について解説いたします。外国人採用を検討する前にぜひご参照ください。
目次
日本における外国人雇用の現状とは?
外国人採用のメリットとデメリット
外国人採用のメリット
└労働力の確保/人手不足の解消
└新たな視野を取り入れる/多様性の実現
└海外事業を展開する際に即戦力化/将来へのポテンシャル
外国人採用のデメリット
└雇用に伴う手続きが面倒
└価値観の相違による勤怠管理の難しさ
└研修及びフォローに工数がかかる
外国人社員を採用する際の注意点
能力・スキルに応じて適正に評価する
宗教・文化に関する十分な理解と対応を
日本語能力は慎重に見極めて
就労ビザ申請等の手続きをしっかり確認して
外国人採用に強みを持つサービス
Daijob.com(ダイジョブドットコム)
マイナビグローバル人材採用
まとめ
日本における外国人雇用の現状とは?
そもそも、我が国日本において、外国人労働者の受け入れについて以下規定があることはご存知でしょうか?
我が国では就労を目的とする外国人の入国のうち,専門的な技術,技能や知識を持っている外国人の入国は認めているが,単純労働に就労することを目的とした外国人の入国は認めていない。
まずはこの前提をご認識頂いた上で、日本の外国人労働者の受け入れ状況について、見ていきましょう。
(画像引用元:『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在)』P2より)
「定住者」が在留資格に加わった1990年の改正出入国管理法施行以来、外国人労働者数は年々増加を続けています。2019年9月度に行われた内閣府の調査に依ると、外国人労働者が就業者全体に占める割合を見ると、2018年度には2.2%となっており、2018年度から1.4ポイントも上昇していることが分かっています。
また、2019年には「特定技能」という新たな在留資格も追加に。人手不足が深刻な業務に従事する(≒能力を有する)外国人を受け入れることが可能となったことから、受け入れ態勢を整える企業が増えています。
外国人採用のメリットとデメリット
雇用の対象者を外国人まで広げることで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
外国人採用のメリット
労働力の確保/人手不足の解消
人手不足の解決策として期待されるのが、外国人労働者の活用です。
近年、後継者不足によって倒産に追い込まれる企業も少なくありません。このような労働人口の低下に歯止めがかからない日本において、外国人労働者という労働力の確保は人手不足解消の一手として注目されています。
既に人手不足が深刻なサービス業や介護職などの業界を中心に、外国人採用が進んでいます。
新たな視野を取り入れる/多様性の実現
育ったお国柄や文化が異なる人材を自社に採り入れることによって、これまでにない考え方やアイデアを取り入れることが可能です。これは、企画やマーケティングといった事に限らず、どの業務においても言えることでしょう。
例えば、よく言われるのが外国人労働者の成長意欲の高さです。こと日本人の若者の就業観がプライベート志向に移行する中、モチベーションの高さは良い影響を与えてくれるでしょう。
海外事業を展開する際に即戦力化/将来へのポテンシャル
語学力のある即戦力人材は採用難易度が高いものです。
そのため、すでに海外への進出を検討されている企業はもちろん、今後、海外事業を展開する予定がある企業の場合、既に自社のビジネスを理解するグローバル人材を横へスライドできる点は多いにメリットでしょう。
外国人採用のデメリット
雇用に伴う手続きが面倒
外国人で「働きたい」という人がいたら、即採用すれば良いという話ではありません。
日本で就労するためには、就労ビザの取得はもちろん、就労後の細やかなアフターフォローが要だと言われています。確認書類も多く、手続き面倒だと感じる人は少なくないでしょう。
下記資料を提出してもらうことによって、どのような仕事をどの程度お願いできるのかといった事が分かるので、関連記事と併せてご確認ください。ハローワークへの書類提出等、やるべき事をまとめています。
<事前に確認すべき証明書>
- 外国人登録証明書
- パスポート
- 在留カード
- 就労資格証明書
- 履歴書
関連記事:外国人を採用するなら必見!ビザの基礎知識 |
価値観の相違による勤怠管理の難しさ
そもそも日本人は気質的に真面目な人が多く、学校でも周囲との協調を大切にしてきました。例えば、「この印に沿って並んでください」と言われれば、素直に従う人が大半でしょう。
一方、欧米を中心とした諸外国では、自主性を軸にした教育を行っており、個々の自己基準に基づいて動く人が多い傾向にあります。実際、グローバル系企業で働く企業の採用担当者から、「外国人社員はサボり癖がある」という話をよく耳にします。
現在のような在宅勤務が中心の環境下において、外国人労働者の勤怠管理を行う際は、定期的な報告や成果確認といった確認が伴うことは覚悟しておきましょう。
研修及びフォローに工数がかかる
当然ながら、外国で暮らすのは容易なことではありません。
言葉の壁、食文化や生活スタイルの違い、働き方や考え方の違い等、乗り越えなければならない壁は沢山あります。このような点からも、「外国人が日本で働く」ということが、いかに難易度が高いかは容易に想像がつくかと思います。
そのため、外国人が自社へ入社した後は丁寧な研修やフォローが必要です。仕事における教育体制を整えることはもちろん、相談できる先輩の配置、相手を理解する姿勢、プライベートに渡ってのフォローが行える体制づくりが必要です。こういった工数がかかる点も覚悟しましょう。
「そもそも中途社員に研修を行う必要があるのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。必要である理由、実施すべき内容、研修を成功させるポイントを以下記事にまとめていますので、ぜひご参照ください。
外国人社員を採用する際の注意点
外国人を採用するにあたっての注意点はどのようなものがあるでしょうか?詳しく見ていきましょう。
能力・スキルに応じて適正に評価する
(画像引用元:内閣府『企業の外国人雇用に関する分析―取組と課題について―』P22より)
上図の通り、正社員として働く外国人と日本人の賃金カーブ(縦軸:賃金、横軸:年齢や勤続年数)はほぼ同じ曲線を描いており、大きな違いがないことが分かっています。
「外国人だから」という理由で、報酬が「高い」「安い」という先入観を持つのは短絡的発想です。職種や業界によっても状況は異なりますが、先入観を排除して外国人採用に臨むことが大切です。
日本人でも「スキルがある」「専門性がある」「外国語が堪能」といった人材の市場価値が高いのと同様に、外国人でも「日本語が堪能」「特定分野のエキスパート」といった有能な人材は市場価値が高くなります。あくまで報酬は業務遂行能力に応じて判断しましょう。
宗教・文化に関する十分な理解と対応を
外国人労働者を受け入れるに際し、採用人材の宗教や慣習を十分に理解し、柔軟に対応することも肝要です。
例えば、楽天株式会社では70超の国や地域の従業員が在籍しており、社内の公用語を英語にしたことでも有名です。ムスリム従業員を対象としたハラール料理やインドベジメニューの提供、祈祷室や足洗い場の設置など、外国人従業員の宗教・文化を理解し、必要な対策をとっています。ここまではできなくても、できる限りの配慮に努めましょう。
日本語能力は慎重に見極めて
厚生労働省の「外国人労働者の受け入れに関する実態調査」(2015)に依ると、外国人材を活用していくうえでの課題として「日本語能力に問題がある」との回答が多く挙げられています。日本語で円滑なコミュニケーションが取れない場合は、入社後の定着率が悪くなるでしょう。会話だけではなく、読み書き能力の選考をプラスするなど、事前にしっかりチェックしたほうが良いかもしれません。
就労ビザ申請等の手続きをしっかり確認して
外国人を雇用する際には就労ビザ申請等の手続きが必須です。選考時に、職務経歴書等に在留資格・在留期限・資格外活動許可の有無を記載してもらうようにしましょう。これは不法就労者を雇用しないための最重要項目なので、特に注意しましょう。
外国人採用に強みを持つサービス
実際、外国人の採用を検討される担当者の方へ、外国人採用に強いサービスをご紹介します。
Daijob.com(ダイジョブドットコム)
★強み:二か国語話せる人材は登録者数のうち95% |
日本国内において最大級のグローバル人材データベースを保有するDaijob.com(ダイジョブドットコム)。転職サイトの運営をはじめ、人材紹介サービス、外国人向けの研修といった事業を展開しています。 大手企業の利用実績もあり、採用後の日本人向け管理研修、ビザの代行・管理サービスもあるため、包括的なサポートが期待できるでしょう。 |
マイナビグローバル人材採用
★強み:大手マイナビが運営、日本在住・海外在住人材ともにカバー |
大手マイナビ社が運営するグローバル人材採用サービス。国内外の協力会社と提携しており、現地大学生をターゲットにした合同選考会を行うなど、母集団形成に強みがあります。 |
まとめ
外国人を採用するためには、職場環境や採用フローの整備が必要不可欠です。日本人の採用時には必要のなかった配慮がプラスαで必要となることに十分留意しましょう。
また、いざ外国人の採用を決めたら、社内の人事担当者は法律や手続きについてしっかりと学び、柔軟に対応できるようにしましょう。
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